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デノンのHi-Fiオーディオ技術を惜しみなく投入したUSB-DAC

<ポタフェス>デノン、USB-DAC「DA-300USB」の発表会を開催/デノンやB&Wのヘッドホンも多数出展

公開日 2013/12/21 23:58 ファイル・ウェブ編集部
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東京・秋葉原で開催されている「第4回ポータブルオーディオフェスティバル2013 in 秋葉原」にて、本日21日、(株)ディーアンドエムホールディングスはデノンのUSB-DAC「DA-300USB」(関連ニュース)の製品発表会を行った。

デノンのUSB-DAC「DA-300USB」。縦置きと横置きの両方に対応する

「DA-300USB」はデノン初となる単体USB-DACで、2014年2月中旬より発売する。価格は60,375円(税込)。5.6MHz/2.8MHz DSD、192kHz/24bitまでのPCM再生に対応するUSB入力に加え、光/同軸デジタル入力も搭載。同社のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」の搭載やPCからのノイズアイソレーションの実現、高性能ヘッドホンアンプ内蔵など、デノンのHi-Fiオーディオ技術が惜しみなく盛り込まれている。

発表会では、同社の宮原利温氏がプレゼンターを務めた。宮原氏は冒頭で、「音楽の聴き方の多様化を背景に、USB-DACの市場は大きく拡大しています。より自由度の高いリスニングスタイルへの要望の高まりに対し、30年にわたってデノンが培ってきたデジタルオーディオ技術で応えるべく送り出すのがDA-300USBなのです」とコメントした。

(株)ディーアンドエムホールディングス 東日本営業部 ヘッドホン販売推進グループ グループ長 宮原利温氏

続いて、本機の開発に携わった同社の菊池敦氏が登壇し、DA-300USBの音質面でのポイントについて解説した。入社28年目となる菊池氏は、CDプレーヤーの立ち上げのタイミングから同社のHi-Fi製品の設計に携わってきたという。

(株)ディーアンドエムホールディングス ディーアンドエムブランドグループジャパン P1開発本部 マネージャー 菊池敦氏

デノンは、ヘッドホンやAVアンプ、Hi-Fiオーディオなどジャンルごとに設計しているチームが異なるが、デノンとしてのサウンドを全製品に一貫させるために、必ず“サウンドマイスター”が全製品の音をチェックする。菊池氏によれば、DA-300USBについても、何度もサウンドマイスターとやりとりを重ねて改良を続けた結果、完成に至ったという。

実機をその場で分解してスクリーンに映しながら、本機の技術的ポイントについて解説を行った

菊池氏はまず、DA-300USBに搭載された「Advanced AL32 Processing」について言及。これはフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」にも搭載されたアナログ波形再現技術だ。菊池氏によれば、当初はビット拡張のみの通常の「AL32 Processing」を本機には搭載する予定だった。しかし、音質を追い込んで行く過程でビット拡張に加えてアップサンプリングも行う“Advanced”を搭載する必要を感じ、仕様を変更したのだという。

Advanced AL 32 Processingの概要

「Advanced AL32 Processing」について菊池氏は、「ビット拡張もアップサンプリングも、単に拡張や補間を行うのではなく、独自のアルゴリズムでアナログに近い波形を再現できるように演算処理を行っています」とその効果を強調していた。なお、DACチップについては、DCD-SX1と同じ192kHz/32bit対応のバー・ブラウン製「PCM1795」を搭載している。

本機のトピックのひとつである高速デジタルアイソレーターによるノイズ・アイソレーション機能も取り上げられた。オーディオ再生を想定していないPCはノイズが非常に多く、USBケーブルでDACと単に接続した状態では、PCのグランドがDACに繋がってしまい、そのままノイズが流れ込んでしまう。それを回避するために、高速デジタルアイソレーターを用いてPCとDA-300USBのグランドを完全にセパレートしているとのこと。

さらに、電源についてもアナログ系とデジタル系でセパレートし、個別にグランドをとっているとのこと。「オーディオ用の電源が汚れないようにという点には、特に配慮をしています」と述べていた。

画面上に横一列に並んでいるのが高速アイソレーターだ

DA-300USBのオーディオ専用電源の構成図

ヘッドホンアンプにも力を入れている。高速オペアンプの搭載に加え、ヘッドホンを駆動するためのバッファーアンプにはディスクリート構成を採用し、どんなヘッドホンでも鳴らし切ることを目指して設計された。

高速オペアンプの搭載やバッファーアンプのディスクリート構成など、ヘッドホンアンプにも惜しみなく物量を投入した

デザインにも注目してほしいと菊池氏。本機は同社のヨーロッパのデザインチームとのコラボにより、様々な議論とスケッチを重ねながら最終デザインが決定された。「デノンのHi-Fi製品の重厚長大なデザインの魅力とはあえて一線を画した、シンプルなデザインを目指しました。フロントの印刷なども一切省いています」と菊池氏は説明していた。

発表会の最後、宮原氏は「USB-DACでは後発と言えますが、CD開発を通じたD/Aコンバーターの開発については、デノンには30年の歴史と技術があります」とアピール。ユーザーへのメッセージを求められた菊池氏は、「ヘッドホンのイベントでDA-300USBを発表することになりましたが、ぜひライン出力のサウンドを、アンプとスピーカーにつないで聴いてみてほしいです」とコメント。「ヘッドホンの高音質再生が実現できるのは、ライン出力の高音質化ができてこそなのです。もちろんヘッドホンでも聴いていただきたいのですが、スピーカーならではの音の広がりや開放感もぜひ楽しんでいただければ」と述べ、発表会を締めた。

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