MCカートリッジ「Aphelion2」付属モデルも

Rega、50周年記念アナログプレーヤー「Naia」。同社技術の集大成となるフラグシップモデル

公開日 2023/12/26 10:51 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
完実電気は、同社が取り扱うイギリス・Regaブランドより、50周年を記念するフラグシップアナログプレーヤー「Naia」を2024年1月23日より発売する。またMCカートリッジ付属モデル「Naia with Aphelion2」も同時に展開される。Naiaの価格は2,090,000円(税込)、Naia with Aphelion2は2,640,000円(税込)。

Rega「Naia with Aphelion2」(電源ユニットNaia PSU付属)

Regaは1973年にイギリスのエセックス州で設立。設立以来、アナログプレーヤー、トーンアーム、カートリッジ、フォノイコライザーといったアナログ関連製品を継続して開発してきた。「Made in England」にこだわり、すべてイングランドの自社工場にて開発生産することに加え、部品のほとんどもイギリス国内で調達されている。

Naiaは、既存のRega製品を大幅に上回る価格のハイエンド・アナログプレーヤーとなり、同社が50年の歴史の中で積み上げてきたテクノロジーの集大成となっている。

Naiaの原型となるのは、2009年に創業者の一人であるロイ・ガンディ氏が私的なプロジェクトとして開発した「Naiad」に遡る。Regaのコンセプトである「剛性」「精度」「省電力」を追求したモデルで、コストや生産性に縛られることなく生み出されたため、全世界でも50台ほどしか生産されなかった。

今回の「Naia」はそのコンセプトを継承しながらも、「Planar 10/8」で培われた生産技術を反映し、原材料を見直してコストダウンも実現したレギュラーモデルとなる。

キャビネットはスケルトンデザインで、軽量ながら剛性に優れ、振動から生じるエネルギーをコントロールしながらキャビネット外部へと逃がすよう設計されている。キャビネットのコアには宇宙航空素材として活用されるTUNCAST 8を採用。キャビネットの上部と下部をグラフィンオキサイドとカーボンファイバーで構成されたプレートでサンドイッチすることで、剛性を最大限に高めている。

Regaならではスケルトンのボディデザインを採用

さらに、2種類のセラミックを要所に配置し剛性を強化。一つはZTA(ジルコニア強化アルミナ)セラミックで、サブ・プラッター下のベアリングとスピンドルに採用する。摩擦性に優れるため、回転ムラが少なく安定した動作を実現するとのこと。

センタースピンドルはZTAセラミック製

もう一つはセラミック・アルミニウム・オキサイド材。Naiaのためにドイツのセラミック加工会社と3年の年月をかけて共同で開発されたもので、高硬度で絶縁、耐熱性に優れており、プラッター並びに防振対策で最も重要なアームベースとサブプラッター間に採用されている。

トーンアームは、Naiadで開発された「RB Titanium」を搭載。一体成型されたチタン製スピンドルとベアリング機構を採用し、アームチューブはアルミ鋳造製で、軽量化と高剛性を実現する。先頭から根元にかけては独自のテーパーがかけられており、アームチューブ上の不要な振動の分散を図っている。サブプラッターぶはNaiadで開発したカスタム製アルミ二ウム・サブプラッターを採用する。

トーンアームはNaiad譲りの「RB Titanium」

別筐体の電源ユニット「Naia PSU」を採用し、音質向上を図っている。また33 1/3と45回転用それぞれに、クリスタル発振器とDSPを採用したジェネレーター回路を搭載。さらに電源ユニット用にトロイダルトランスを新開発しており、出荷時に本体との相性を1台ずつ確認、調整を行っている。

33 1/3と45回転に対応する専用電源ユニット

ドライブベルトには「Reference EBELT」×3を使用。Regaの50年にわたる研究開発の成果だとしており、究極の円と耐久性、強度、そして膨張性を実現し、プーリーからサブプラッターへの動力をロスなく伝達するという。

Naia with Aphelion 2に付属するMCカートリッジ「Aphelion2」は、こちらもフラグシップモデルにあたり、軽量、高剛性、高出力の兼備というMCカートリッジの開発思想を完結させた製品だとしている。

MCカートリッジ「Aphelion2」

アルミの塊から、削り出しアドナイズド加工を施したボディに、透明ガラスカバーを採用。リボン・ボロンカンチレバーを備え、Regaオリジナルの高出力ネオジウムマグネットを搭載し、音質の向上と軽量化を図っている。巻線のワイヤー長は初代Aphelionから比較して50%短くなっており、軽量化とともに信号変換の効率化も実現している。

Naiaの本体サイズは420W×115H×350Dmm(ダストカバー付き、閉口時)で質量は4.7kg。搭載可能なカートリッジ質量は4.5 - 8.5g、エクストラウェイト装着時は14.0gまで。電源ユニットNaia PSUのサイズは218W×80H×320Dmm、質量は3.0kg。Aphelion 2の出力は0.35mVで針圧は1.9g。質量は6.0gとなっている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク