計6本の厳選した真空管を搭載

CANOR AUDIO、クラスA動作の真空管アンプ「AI 1.10」。2パターンの出力を瞬時に切り替え

公開日 2023/06/29 12:25 編集部:松永達矢
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タクトシュトックは、CANOR AUDIOより真空管プリメインアンプ「AI 1.10」を7月1日(土)に発売する。価格は1,430,000円(税込)。

「AI 1.10」

最大出力40Wを実現したクラスA動作の真空管アンプ。1月に取り扱いを開始した同ブランド第1弾となる真空管フォノイコライザー2機種の発売時に告知されていたモデルの発売が正式に決定した。

真空管は「KT88」を4本、「12AT7」を2本、「12AX7」を1本の計7本搭載。使用される真空管はいずれも、200時間のバーンイン実施後、自社開発された独自の選定機で測定・選別・ペアリングが行われ、最高品質の真空管のみが組み込まれている。

独自の選定機で厳選された真空管を搭載する

オートバイアス機能を備え、トライオードモード(20W)とウルトラリニアモード(40W)をスイッチひとつで切り替えが可能。楽曲再生中にも行うことができ、室内楽やボーカルといった音楽の時にはトライオードモード、ロックやジャズといったグルーヴ感を楽しみたい時はウルトラリニアモードと、再生ジャンルに応じたリスニング体験を提供できると同社はアピールしている。

真空管のパフォーマンスを向上させるため、入力電圧をリアルタイムで監視し、入力トランスの最適な入力(1次側巻線100/105/111V)を自動で切り替える安定化回路(VSC)を搭載。真空管のパフォーマンスを引き出すだけでなく、長寿命化にも寄与すると説明する。

真空管のパフォーマンスを引き出す安定化回路(VSC)

採用されたボリュームアッテネーターは1dB単位のゲイン制御を提供し、最小減衰量は63dBとなる。オリジナル設計を採用することで、信号はボリュームに応じて0から最大6個のリレー接点を通過しながら、左右チャンネル同期間の偏差は0.05dB未満という精緻なコントロールを実現させた。

リレー・アッテネーターには、チャンネルごとに2つの独立したブロック構造を取ることで、優れたチャンネル・セパレーションを獲得する。「通常は遥かに高級な価格帯のアンプにしか採用できないない場合が多く、多くのメーカーのOEM/ODMを請け負うメリットがここにも活かされている」と説明。こうした経験の積み重ねが、CANOR製品の高いサウンドクオリティにも繋がっている。

本機を2台用いたモノブロック接続でスピーカーを駆動することもできる。「CANOR データリンクケーブル」を用いて、ブリッジ接続(完全対称接続)でスピーカーを駆動する。片方のユニットは「マスター」、もう片方は「スレーブ」となり、プリ部のボリュームや設定はマスターに完全に同期される。

本機の背面部

入力系にRCA×5、モノブロック接続時のみ使用できるXLR×2を搭載。出力は40W×2 / 4.8Ω(ウルトラリニア)、20W×2 / 4.8Ω(トライオード)、ゲインは-30dB (@ 8Ω)/-28dB (@ 4Ω)、入力感度は500mV。周波数帯域は10 - 50kHz(±0.5dB/5W)、入力インピーダンスは30kΩ、THDは、<0.05%(1kHz/5W)、SN比は95dB、フィルタリング容量は2,200μF(500W)ダンピングファクターは9(@4Ω)、10.5(@8Ω/共にインピーダンス測定値)。外形寸法は435W×170H×485Dmm、質量は26.0kg。

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