フラグシップモデルと同じ思想の下で開発

デノン、新エントリーCDプレーヤー/プリメイン「600NE」。ロングセラー「DCD-755」「PMA-390」の後継

公開日 2019/08/09 11:00 編集部:成藤 正宣
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
デノンは、ロングセラーのCDプレーヤー/プリメインアンプの後継となる新エントリーモデル「DCD-600NE」「PMA-600NE」を、9月下旬より発売する。

●CDプレーヤー「DCD-600NE」:47,000円(税抜)
●プリメインアンプ「PMA-600NE」:52,000円(税抜)

「DCD-600NE」(上)「PMA-600NE」(下)

2000年から2012年まで5モデルが発売されたCDプレーヤー「DCD-755」、および1991年から2012年まで7モデルが発売されたプリメインアンプ「PMA-390」という2種類のロングセラーシリーズを統合、その後継として開発された製品。同時に、これまでのデノンサウンドを踏まえつつも進化したサウンドを目指すHi-Fiオーディオ「NE(New Era)シリーズ」の新たなエントリーモデルとしても位置づけられている。

同社製品内はもちろん、国内のオーディオブランドの中でも長く続いたシリーズの後継モデル

開発は、昨日8月8日に発表されたフラグシップSACDプレーヤー/プリメインアンプ「DCD-SX1 LIMITED」「PMA-SX1 LIMITED」(関連ニュース)と同時期に行われており、チューニングも同じくサウンドマネージャー山内慎一氏が監修。山内氏がサウンドマネージャーに就任して以来、はじめてフラグシップとエントリーが統一されたフィロソフィーの下で開発されている。

どちらのモデルも、音質劣化につながる振動を効果的に抑制する「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」や、高密度・高剛性で防振効果の高いリブ入りフット、入力から出力まで信号ラインを最短化することで音の劣化や色付けを防ぐ「ミニマム・シグナル・パス回路」といった従来モデルの要素を継承。その上で、剛性を高める目的でトップカバーの厚みを14%増やすなど、さらなる発展も図っている。

従来モデルの高音質への取り組みを引き続き採用

アナログオーディオ回路や電源回路には、フラグシップ「SX1」シリーズの技術を汲んだ高音質パーツ、山内氏が入念なテストを繰り返して開発したカスタムパーツを複数搭載。その種類や点数はDCD-755/PMA-390シリーズと比較して大幅に増えており、「生命感あふれる躍動的なサウンドと見通しの良い空間表現力」に貢献しているとのこと。

従来モデルから、高品質パーツや独自のカスタムパーツを大幅に増量

CDプレーヤーのDCD-600NEは、DACチップに192kHz/32bitまで対応するテキサスインスツルメンツ「PCM5142」を採用。CDから読み取った16bitデータを32bitに拡張、独自のアルゴリズムによってデジタル録音時に失われた情報を復元する同社独自のアナログ波形再現技術「AL32 Processing」との組み合わせにより、原音に忠実な再生を実現するとしている。

「DCD-600NE」

オーディオ基板/電源基板のレイアウトは従来モデルから全面的に刷新し、アナログオーディオ回路から出力端子までの距離を最短化。また、アナログ-デジタル基板を4層の一体構造とし、基板間をつなぐケーブルを排除した。これにより、繊細なオーディオ信号がケーブルやコネクターを通過することによる純度の低下を最小化し、音のクリーンさ/透明感を向上した。電源回路は、電源トランスの二次巻線の段階からデジタル/アナログを完全に分離。相互干渉やノイズの回り込みを排除している。

再生機能として、ディスプレイ表示とデジタル音声出力を停止することでノイズの発生を抑制、高品位な再生を行うピュアダイレクトモードを搭載。ネットワークプレーヤー「DNP-800NE」をIRコントロールケーブルで接続することで、スマートフォン/タブレットの「HEOSアプリ」からの操作にも対応する。

音声出力端子はRCA×1系統、光デジタル×1系統を搭載。再生周波数帯域は2Hz〜20kHz、SN比は112dB、高調波歪率は0.003%、ダイナミックレンジは101dB。

消費電力は12W、待機電力は0.3W。外形寸法は434W×107H×275Dmm、質量4.3kg。

プリメインアンプのPMA-600NEは、従来シリーズから引き続き、一般的なトランジスタの3倍のピーク電流供給能力を持つHC(High Current)トランジスタを用いたシンプルなシングルプッシュプル回路、および信号増幅をハイゲインパワーアンプ1段のみで行うハイゲインアンプ構成を採用。最小単位となる1ペアの素子で信号を増幅し、またカップリングコンデンサを使わないシンプルかつストレートな回路設計を行うことで、同社が最も重要なテーマとして掲げる「繊細さと力強さの両立」を図っている。

「PMA-600NE」

シングルプッシュプル回路の能力を最大限に引き出すため、電源回路にも大型のEIコアトランスや同社独自仕様の8,200μF大容量ブロック電解コンデンサー、大容量ショットキーバリアといった上位モデルゆずりのパーツを搭載。電源供給能力に余裕を持たせ、クラスを超えた重厚さ/タイトさのある低音を再生できるとしている。

一般的にプリアンプ/パワーアンプの2段で増幅するところ、1段の増幅にこだわった

また、近年の音楽聴取スタイルの変化に合わせ、新たにPCM 192kHz/24bitまで対応する光デジタル入力×2/同軸デジタル入力×1や、AAC/SBCコーデックに対応するBluetooth受信機能を搭載した。デジタル入力基板はAVアンプ開発のノウハウを活かし、入念なグラウンド設計を行うと共にシールドケースに封入することで、他の回路との干渉と音質劣化を防止している。

近年のリスニングスタイルに沿ったデジタル/Bluetooth入力を搭載。その一方、音質への悪影響を抑制する配慮も欠かさない

その一方、デジタル入力回路への給電を遮断し、アナログ信号に悪影響を及ぼす高周波ノイズをカットする「アナログモード」も搭載し、レコードやCD再生の音質を損なわないよう配慮。その他、内蔵するMMカートリッジ対応フォノイコライザーではオーディオグレードのフィルムコンデンサーを全面的に採用し、フォノ入力信号の増幅を改善している。

入力端子としてRCA×4系統/フォノ(MM)×1系統/同軸デジタル×1系統/光デジタル×2系統、出力端子としてRCA×1系統(RECORDER)/ヘッドホン×1系統/サブウーファープリアウト×1を搭載する。

定格出力は70W+70W(4Ω)/45W+45W(8Ω)、対応スピーカーインピーダンスは4〜16Ω。

消費電力は190W、待機電力は0.3W(Bluetooth待機時は0.6W)。外形寸法は434W×122H×307Dmm、質量7.4kg。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク