アナログを中心にハイエンドブランドが集結

福岡「ハイエンドオーディオ&ホームシアター展」レポート。各社製品デモやアナログ試聴座談会など

公開日 2015/12/04 19:46 季刊オーディオアクセサリー編集部
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11月1日(日)、2日(月)、3日(祝)の3日間にわたり、福岡県に拠点を持つマックスオーディオが主催する『第29回ハイエンドオーディオ&ホームシアター展』が開催された。

九州・小倉で開催されたマックスオーディオ主催のハイエンドオーディオ&ホームシアター展

場所は、JR小倉駅から徒歩5分程度のアジア太平洋インポートマート AIM3F特設会場。Room AからRoom Fまでの6部屋に、国内メーカー、輸入代理店がそれぞれブースを設置し、30分ごとに時間をくぎってデモンストレーションを行っていた。

初日の午前中からイベント会場は大入り。それぞれのデモンストレーション後には質問が殺到するなど、熱心なファンが多く詰め掛け、非常に盛り上がりを見せたイベントとなった。

今回は特に「アナログ」に力が入れられていた。1日の13時からは、RoomFにてDJ TOGGYさんとマックスオーディオ社長の大原晴三氏、トライオードの山崎順一社長が登場し、アナログレコードの試聴座談会が開催された。


「アナログは儀式」とアナログならではの愉しみを強調するDJ TOGGYさん

左からDJ TOGGYさん、マックスオーディオの大原社長、トライオードの山崎社長
プレーヤーはLINNのLP12とDENONのDP-1300MK2、スピーカーにはJBLパラゴンを使用。ジャズの名盤から松田聖子などアイドルのレコードまで、次から次へと試聴が行われ、立ち見も出るほどの大盛り上がりとなった。DJ TOGGYさんは「アナログは儀式」と語り、レコードを取り出し、プレーヤーにかけ、針を調節し盤に落とすまでの一連の動作にこそアナログの愉しみが詰まっていると強調。

また、大原社長も、いまの時代だからこそのレコードの音の面白さをアピール。「昔では考えられなかった材質や構造や精度でアナログプレーヤーをつくることができるようになりました。CD時代の間に進歩した技術があったからこそ、さらにハイスペックなプレーヤーが生まれてきたのです」と語った。


■RoomA
RoomAでは、アキュフェーズ、エソテリック、フェーズメーションなど、国内の主要ブランドが集結。LUXMANのデモンストレーションでは、デイヴ・ブルーベック・カルテットの「Take5」の試聴が行われ、圧倒的なダイナミックレンジの広さと解像度で来場者の度肝を抜いていた。


LUXMANのデモンストレーションの模様。プレーヤーはPD-171A、スピーカーにはTANNOYのCANTERBURY/GRを使用

アキュフェーズの展示スペース。オーディオ銘機賞金賞を受賞したプリアンプC-3850を筆頭に、主力モデルを展示。デモ後には来場者からの質問が相次ぐなど、人気の高さを見せつけた


評論家の評価も高く、オーディオ銘機賞銀賞を受賞したフォノイコライザーアンプEA-500、銅賞のMCカートリッジPP-2000などを展示

ESOTERICの試聴デモでは、発売後即ソールドアウトとなった「6 GREAT JAZZ」などを試聴

■RoomB
RoomBでは、ノア、アーク・ジョイア、ステラなど海外のハイエンドブランドを手がける輸入代理店を中心にブースが展開。特にステラが取り扱うTechDASのAir ForceIIIが来場者の高い注目を集めていた。

RoomB、ノアのデモンストレーションの様子。スピーカーはスタンド一体型のAccordo(アッコルド)を使用

TechDASのAir Forceシリーズの末弟として登場したAir ForceIIIとカートリッジTDC-01ti。精密なメカニズムに来場者も目を輝かせていた


気鋭のブランドENIGMA AcousticのヘッドホンDhama D1000とヘッドホンアンプAthena A1。スピーカー中心の展示のなかで、数少ないヘッドホンとして注目を集めていた

ノアが新たに取り扱いを始めたスロヴェニアのアナログブランドPear audio。ヴィンテージ感のある土台が特徴のターンテーブルKID THOMAS


■RoomC
RoomCは、LINN、ハーマンインターナショナル、ナスペックなど個性的なブランドと代理店が独自色の強いデモンストレーションを展開。

リン・ジャパンの山口社長によるLINNのデモンストレーション。ファブリックの着せ替えができるスピーカー、Series5シリーズの解説が行われた

ハーマンインターナショナルのデモでは、MARK LEVINSONのモノラルパワーアンプNo536を中心に解説


ナスペックのブース。新たに取り扱いを開始したイギリスのMONITOR AUDIOとIsoTekの製品を中心に展示

富士通テン エクリプスのブース。TD712zMK2に加えて、大型サブウーファーにも関心が集まった


■RoomD
RoomDでは、アクシス、エレクトリ、太陽インターナショナルなどこちらもハイエンドの海外勢が集結。そのなかでも、国産勢としてDS Audioの光るカートリッジには多くの来場者の関心が集まっていた。


Spiral Grooveのターンテーブルとセットで展示されていた、DS Audioの光るカートリッジDS-W1に来場者は興味津々。なぜ光っているのか、また音質についての質問が相次いだ

Spiral Grooveの社長であるアラン・パーキンスも来場し、アナログプレーヤーとアクセサリーにかける思いを語ってくれた。左はクオリアジャパンの藤井社長


高音質レコーディング現場で高い評価を得るMerging Technologiesが初めてコンシューマー市場に送り出したNADAC。ネットオーディオの革新的モデルとして注目されている

太陽インターナショナルのデモではdCSのRossiniの試聴が行われ、あまりのリアルさに来場者からは思わずため息が漏れるほど

■RoomE
RoomEでは、SONY、オンキヨー&パイオニア、ヤマハミュージックジャパンなどによるホームシアターブースが展開されており、オーディオファンのみならず、ホームシアターにも熱心な来場者が多くブースを訪れた。



SONYのホームシアターデモでは、HDR対応による高精細な画質の比較視聴が行われ、来場者の関心を集めていた

JVCケンウッドより新たに登場した4K対応のプロジェクターDLA-X550R

■RoomF
RoomFはイベントスペースに加えて、商談やソフト類の販売も行われていた。アメリカ・ポーター社のエレガントなオルゴールも展示されており、くつろぎながらオーディオを楽しめる部屋となっていた。

RoomFでは、ケーブルやオーディオアクセサリー類の即売会も行われていた

ティートックレコーズ、キングインターナショナルなど、高音質のレーベルの新譜に加え、中古レコードも大量に出品


アメリカ・ポーター社のエレガントなオルゴールも展示

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