―― 夏商戦に向け3Dテレビ販売の手ごたえはいかがでしょうか。
西口 3Dを投入して、大型化が顕著にすすんでいます。まず3Dによる単価アップがあり、なおかつ42インチを買う予定だったお客様が50インチを買ってくださるというようなインチアップも図れるという2段階の販売単価アップに貢献できているということです。
3Dを見るならより大きいサイズがいいという要望をお聞きします。従来37インチクラスを購入予定だったお客様に、3Dという選択が加わったことにより42インチ、さらに46インチ以上とより大型の方向に導くきっかけができたと思います。ぜひその効果をボーナス商戦で生かしていただきたいところです。
―― 2011年のアナログ停波後も、やはり主役はテレビであり、「フルHD 3D」という切り口が有効に機能しそうですね。またリンクの進化系であるDLNAを用いた「お部屋ジャンプリンク」も、需要押し上げのフックとなりそうです。
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「お部屋ジャンプリンク」のイメージ図 |
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西口 すでに薄型テレビに買い替えたお客様でも、3Dによってテレビの買い替えのサイクルをより縮めることも可能だと思います。
また使い勝手をより向上させる目的で進化させている当社のリンクは、DLNAを積極的に取り入れて「お部屋ジャンプリンク」としています。これでリンクが当初目指していたところにかなり近いところまできましたし、今回の新製品ラインナップでそこに対応した機種が小さいクラスまでそろいました。
10インチクラスのBD内蔵モデルに加えて、テレビ単体の商品も発売しましたが、17インチ、19インチというワイド画面の一番小さいテレビでも大きすぎるような場所に、家中くまなくテレビを置いて楽しんでいただけるラインナップにしました。こうして家中の色々な場所でテレビを使っていただけるという状況がつくれ、新たな需要を生み出せると思います。そういう風に、アナログ停波以降も需要の下落に歯止めをかけ上へと押し戻す効果を期待できます。
―― 地上デジタルテレビに買い替えなければならないということが決まったばかりの頃と今とでは、商品も市場の状況がまったく違ってきています。お客様のライフスタイルもテレビとのふれあい方も変わりました。地デジの需要が終わったらテレビの需要が終わるというのではなく、こうして変化した状況の中でまた新たな需要を掘り起こすことができそうです。
西口 まさにそういう世界をつくっていけると思いますし、そのためにも3Dを一番の核に据えながら、テレビを中心にリンクしていく商品を拡げていきます。またテレビも大画面だけでなく、小さいインチサイズもカバーしてテレビの市場とAV市場全体の底上げにつなげていきたいと思います。
3Dは世の中全体のアクセプタンスというか、受け入れていただく熱狂度合いをみると、当初の想定より早く定着することができると思います。
―― 夏商戦ではそれが本格的な熱狂になるわけですが。
西口 ちょうどいいタイミングにラインナップもそろいますので、是非それを核に、さらにお部屋ジャンプリンクを含めたリンクの訴求で夏商戦を盛り上げていただきたいと思います。単価下落にも歯止めをかけながら、数量的にも上げていくという世界をぜひ実現していただきたいと思います。
この夏商戦はテレビにおいて数量面では間違いなく業界全体として期待できると思いますし、さらに単価アップも図れ、さらに3Dのように2011年7月以降につながるような仕込みもできるような商戦にしていければと思います。
そういう意味でも2010年の夏商戦は今年の夏を乗り切るだけのものではなく、エコポイントの終了やアナログ停波の後にむけての種まきにもなる重要な商戦だと思います。パナソニックとしてはそれに十分貢献できるだけのラインナップを揃えることができました。
そしてビジュアルグランプリでありがたいことにご評価もいただきました。我々が意図したとおりの商品コンセプトを汲み取っていただきましたので、それをお客様に伝えていただければ自然と販売につながっていくと思います。よろしくお願い致します。
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