俄然注目度高まる“録画テレビ”に
使い勝手で秀でた存在感


日立コンシューマエレクトロニクス(株)
マーケティング事業部
マーケティング本部
担当本部長
高橋憲二氏


 

ディスプレイ製品薄型テレビ(46型)
P46-XP035

ディスプレイ製品薄型テレビ(42型)
ディスプレイ製品薄型テレビ
(録画機能付き 37型以上46型未満)

L42-XP035


録画テレビの先駆者、日立「Wooo」。お客様からの声を活かした商品づくりのノウハウは、お客様からの高い支持を獲得し、トップポジションを確固たるものとしてきた。IP時代の到来やコンテンツの多様化を背景に、市場での注目度・存在感もますます高まる中で、常に半歩先を行く満足度を実現し、録画テレビのさらなる市場創造へリーダーシップを発揮していく。

インタビュアー:音元出版社長 和田光征

■先駆者としての意地と責任

――御社が金賞を受賞されました録画テレビが、市場での存在感をますます高めつつありますね。


高橋 録画機能付きという部門での受賞は大変うれしいですね。26V型以上で、昨年は11機種だった録画機能付きテレビは、今年の各社ラインナップでは48機種になっています。構成比で見ますと、11%から29%に伸張したことになり、かつてのテレビデオがピーク時約15%ですから、まさにひとつのジャンルを形成しつつあることがおわかりいただけると思います。確実にマーケットは広がっており、その市場を開拓した先駆者として、意地もありますし責任もありますので、そこでご評価いただけたことはありがたく思います。


――先駆者とおっしゃるように、録画ができるということに対する考え方が他社とはかなり違う印象を受けます。

高橋 商品開発では“使い勝手"に重点を置いています。長年手掛けてきたことによるノウハウもありますし、お客様の声がより生かされた商品になっていることが、そうしたイメージにもつながっているのだと思います。


――録画テレビに各社が参入にしてきて活気付く一方で、これからの競合との差別化に対しては、どこがポイントになりますか。

高橋 今、活発に議論を行っているテーマでもありますが、やはり外せないのは、さらなる使い勝手の追求です。録画するものも大容量化し、見るという観点からは、検索・整理をもっと突き詰めていかなければなりませんし、録画するという観点からも、まだまだ手を入れていく必要がありますね。

 
――新しい機能が次々に搭載されて便利になっても、ユーザーが使えなければ意味がありませんからね。

高橋 テレビの会社になりましたので、いろいろなディシジョンも素早く行えるメリットがあります。現場との距離もさらに近づいたと思います。この特長をもっと活かして、よりスピーディーに商品に反映させていきたいと思います。

店頭でも、録画テレビを集めたコーナー展開や、DLNAの特長を訴えた“つながるテレビ"のコーナーも見受けられるようになりました。そのような中で、私どもの商品のよさを、できるだけ平易な表現でお薦めできるように注力していきたいと思います。


――日立コンシューマエレクトロニクスという新しい会社でスタートを切られましたが、強みはより強調され、商品としての存在感もこれまで以上に明快になってきたのではないでしょうか。

高橋 結果として、絞込みが行えたことで、方向がはっきり見えてきた。何をしなければいけないかが、シンプルになりました。テレビの周辺商品については、いまは手が届かない状況ですが、まずはテレビをきちんと生業にすることです。今後、周辺商品についても、少しカタチを変えながら取り組んでいきたいと思っています。

テレビはコンシューマーの商品で、そこには一定の市民権が求められますので、あまり唯我独尊ではいけない。しかし、だからといってマスばかり追いかけ過ぎると、本質を見誤ることがあります。当社は「カスタマー・ファースト」を改めてビジョンに掲げましたが、それは、どれだけ多くのお客様に我々の商品を使っていただけるかということ。そこがスタートラインだと思います。


 
 
ディスプレイ製品薄型テレビ(37型)
UT37-XP800
 


録画頻度の高まりで明確になる優位性

――第2四半期で黒字化を達成されました。

高橋 下期も黒字がミッションになります。テレビの需要は大変活発ですが、依然、プライスダウンが続いています。メーカー間、流通間では熾烈な競争を行っていますから、舵取りひとつが非常に重要になってきます。

メーカーも流通もプライスダウンを歓迎しているわけではなく、なんとかして単価を上げたいと思っています。そのための方策としては、ひとつにはインチアップして大型を売ること。もうひとつは、商品の中でも付加価値の高いものや、また、周辺商品との同時販売です。そうした観点からも録画テレビは、録画機能非内蔵の商品よりは単価アップが図れることから、注目度が高まってきています。

当社の購入者アンケートでも、録画テレビには極めて高い満足度をいただいています。やはり、レコーダーでは、ディスクの準備や録画スタートまでの待ち時間などにご不満をお持ちで、録画テレビを使われた方が、「えっ、こんなに簡単なの」と驚かれることが少なくありません。特に、主婦やご年配の方など、これまであまり録画が得意ではなかった人の使用機会が増えています。自分で録画ができるようになると、どんどん録画するようになるんですね。

マーケットがまだ小さかったころには、貸出機を用意して1週間使ってみてください、ということもやっていました。とにかく、使っていただいたお客様の声を数多く伝えていくことが大切だと考えています。現在は、ウェブを使ったり、テレビのカタログの中にユーザーレポートを掲載したりしています。このような井戸端会議的なところから、今後はブログなども活用させていただきながら、録画テレビはこんなに便利だ、使いやすいというお客様の声を、もっとお伝えしていきたいと思います。


――録画の頻度が高まると、御社の特長であるDLNAのサーバー機能の特長もよりクローズアップされてきます。別売のカセットHDD「iVDR-S」も含め、御社ならではの強みがアピールポイントになりますね。

高橋 DLNAは認知もかなり上がっています。カセットHDDを介したリビングと子ども部屋のネットワークに加え、DLNAでつないで頂くことで、リビングの録画番組を子供部屋で楽しむといった提案で、セット販売をお勧めできるといった取り組みも行われていますし、数はまだ少ないですが、PCコーナーにテレビをモニターとして置いていただけるケースも見られます。

地域店でも、これから避けて通れないのはIPの知識です。光ケーブルを店頭に導入して、自ら使いこなされることで、お客様にもきちんとご説明ができ、説得力が増してくると考えます。チャンネルが増えれば、テレビを見る機会も増える。しかも、これまでの放送番組主導のような一方的な楽しみ方ではありませんから、是非、身につけていただきたいポイントです。


――テレビでコンテンツをダウンロードする機会もこれからは増えてくるでしょうし、「iVDR-S」なら、テレビを買い替えてもコンテンツはそのまま残せるという大きなメリットもありますね。


高橋 「iVDR-S」は使い出すとその便利さがわかってきます。ジャンル別だとか、家族別だとか用途も広がり、価格もだいぶこなれたことで、リピーターもますます増えてきました。「SAFIA」という著作権保護の仕組みも含めてすばらしい技術が入っています。圧倒的な大容量ですから、いろいろな分野へ展開も可能で、例えば、環境映像を流してインテリアとして活用する。文教では先生が教材として持ち歩く。カーナビなどにも採用されていったら大変面白いと思います。世界標準にもなりましたので、普及にも加速がつけばと期待しているところです。

「TSUTAYA TV」のダウンロードサービスのダビング対応メディアは「iVDR-S」、BD、DVDと3種類あります。海外ドラマなどは、シリーズをパックでまとめてダウンロードすると割安に購入できるのですが、ダウンロードコンテンツは分割などの加工ができませんので、大容量のシリーズをダビングできるメディアは「iVDR-S」だけなんです。本当にいろいろなことに対応ができる実に面白いメディアですね。

――今年末商戦の手応えはいかがですか。

高橋 追い風にうまく乗っていきたいですね。大画面という感動が最大の訴求ポイントであり、最後に背中を押す手段がエコポイントだと思います。ですからできるだけ大きいサイズをお薦めしていただきたいですね。できれば42V型以上。この年末はもう一度大画面をテーマとして、需要促進も進めていきたいと思います。

2台目の需要喚起も活発になってきました。リビングと子ども部屋など、セットでの購入比率も高まってきています。先頃、開催した秋の合展でも、セットのご提案に力を入れました。ここでもエコポイントを最後の後押しに、この機会に家中のテレビを全て地デジテレビにしませんかというセット提案を、さらに注力していきたいと思います。



高橋憲二氏 プロフィール
Kenji Takahashi
1955年4月18日生まれ。福岡県出身。79年3月九州工業大学卒業、同年4月日立家電販売(株)入社。05年4月(株)日立製作所ユビキタス営業統括本部コンシューマ営業本部長、2009年7月日立コンシューマエレクトロニクス(株)マーケティング事業部マーケティング本部担当本部長、現在に至る。趣味はアウトドア全般。生まれも育ちも福岡県、根っからの九州人。入社以来、コンシューマ向けAV商品の営業一筋で販売最前線に精通していると自負する。モットーは「成せば成る」。


【関連リンク】
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