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公開日 2015/10/01 11:00

アイ・オー、オーディオNAS新ブランド“fidata”設立。ハイエンド機「HFAS1」発表

HDDモデルとSSDモデルを用意
編集部:杉浦 みな子
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アイ・オー・データ機器は、ハイエンドオーディオ向けNASの新ブランド“fidata(フィダータ)”を設立。第一弾モデルとして、「HFAS1」を本日10月1日に発売開始した。直販サイトと専門店をメインに展開している。以下の通り、HDDモデルとSSDモデルをラインナップする。

・「HFAS1-H40(4TB HDD)」¥320,000(税抜)
・「HFAS1-S10(1TB SSD)」¥370,000(税抜)

HFAS1

HFAS1-S10(左)とHFAS1-H40(右)

新ブランドの名称“fidata(フィダータ)”は、イタリア語で「信頼に値する」という意味を持つ言葉。アイ・オー・データ機器では、オーディオ機器としての作り込みを行ったモデルにのみ、今後はこのブランド名を冠して展開していく。

本体天面に“fidata”のロゴを配置

第一弾モデルとなるHFAS1は、昨年の「オーディオ・ホームシアター展」で開発がアナウンスされており、今回正式に製品化が発表されたモデルとなる。以前にオーディオ向けにもアピールされていた同社のNAS「RockDiskNext(関連記事)」のユーザーフィードバックを生かして“オーディオ向け”に高音質設計を投入しつつ、今年6月に登場したエントリー向けのオーディオNAS「RockDisk for Audio(関連ニュース)」の使いやすさも踏襲した。

■HDDとSSD、それぞれ“オーディオ向け”構成を投入

HDDモデルのHFAS1-H40は、WD社製HDD「WD AV-GP」のカスタム仕様版を2基搭載する。同社では、スローシークモードによる静粛性能と電圧変動の抑制に加え、低偏心プラッターによって振動を極限まで抑えたとアピール。なお、2基のHDDのうち、1基はあえて反転させて設置している。これは、ドライブの回転やヘッドシーク動作などを2基のHDD同士で互いに打ち消し合うように狙ったもの。

HDDモデル HFAS1-H40の内部

2基のHDDのうち、1基はあえて反転させて設置

また、同じデータを同時に2基のドライブに書き込むRAID1(ミラーリング)に対応しており、音楽データをしっかりと保護できるように配慮した。

SSDモデルのHFAS1-S10は、サムスン製SSD「850EVO」を搭載し、2基をスパニングさせている。電圧変動を抑制するという3D V-NANDを採用。また、対ノイズ性が高いとされるアルミ筐体を採用するなど、オーディオユースに優れた特性を持つとされる。

SSDモデル HFAS1-S10の内部

また、本機にはデータバックアップ用に外付けUSB-HDDを接続することも可能で、音源データの保護に徹底的に配慮している。なお、接続したUSB-HDD内に保存してある音源を再生する場合は、いったんHFAS1本体側のHDDにインポートして再生する形となる。

■徹底的にノイズ対策を施した本体構造

外形寸法約350W×64H×350Dmmの本体は、デザインから“オーディオ機器らしさ”にこだわったという高剛性フルメタル筐体。音質を最優先に考慮し、ディスプレイ部は非搭載にしたとのこと。デザインコンセプトは“和”で国内設計しており、金沢にある工場にて製造を行っている。

外観から“オーディオらしさ”にこだわった

側面から見たところ

肉厚のアルミE型サイドパネルに、和紙をイメージした4mm厚のアルミ天板を装備し、底面には2.3mm厚・質量2.2kgのベース鋼板を配置することで、振動対策を施している。筐体の表面板と側板、側板と裏面板の接合には、和風家具などで用いられる「先留め」という接合方法を採用している。これは45度に切り出した同じ厚みの板を接合する方法で、強度の向上にも寄与するという。

4mm厚のアルミ天板は和紙をイメージしたデザイン

シャーシ内部は、電源・基板部とストレージ部をセパレートしたビームによるT字構造。メイン基板のシステム部とストレージの電源生成回路を完全にセパレートすることで、ストレージからの放射ノイズを低減し、電源・基板部へのノイズ混入を抑制するようにした。

加えてノイズ対策として、パターン設計を最適化し、グラウンドを1点で底面ベース鋼板に落とす1点アース式を採用することで、インピーダンスを排除しゆらぎの無い電源生成を狙っている。システム全体の電圧を安定させることで、ノイズの発生を抑制。パーツにもこだわっており、オーディオグレードを含む低ESR電解コンデンサーを配置している。

さらに、真空タイプの25MHz低位相ノイズ水晶発振器も搭載しており、クロックジッターの発生を抑えるとともに、高精度水晶が生成するクロック動作で精度の高いネットワーク伝送が行えるようにしている。

HDD搭載のHFAS1-H40は、HDDをアルミ製ヒートスプレッティングマウンターによってカバー。ヒートシンクで放熱を効率的に行い、ドライブ動作の安定性を高めた。ファンレス設計で静音性を確保しつつ、フローティング構造を採用。本体とマウンターの間に高減衰特性の樹脂を用いた低共振クアッドダンパーを挿入することで、HDDからの振動を抑えている。

脚部には、独自設計のアルミ製インシュレーターを採用。4点支持と3点支持のどちらにも付け替えられるようにしている。

独自設計のアルミ製インシュレーター

■LAN端子はオーディオ用とネットワーク用を装備

LANインターフェイスは、「for Audio」と「for Network」と記述された端子を1系統ずつ装備しており、「for Audio」はネットワークオーディオプレーヤーへ、「for Network」はホームネットワークに接続することで、音楽信号をプレーヤーへ高品位に直接伝送できるようにしている。転送規格は1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tで、コネクターはRJ-45。基板と強固に接続する14点固定のDIPタイプ・LANコネクターを採用している。

背面部のようす

LAN端子はオーディオ用とネットワーク用を装備

また、2系統のLAN端子は、信号端子が上に来るように配置することで、LANケーブルの端子と安定して接触するように配慮。ポートには接続状態を確認できるLEDランプを装備しているが、これらのランプ動作は設定から無効にすることが可能で、ランプ点灯・点滅によるノイズを抑えられる。LAN端子部の内部にはPulseトランスを配置することで、信号精度の向上を図っている。

LANコネクタ部にPulseトランスを配置

■システム部とHDD部の電源をユニット部からセパレート

電源部は、TDKラムダ製の50Wスイッチング電源を2基搭載。メインユニットとドライブユニットそれぞれに専用ユニットを配置する構造で、システム部とHDD部の電源をユニット部から独立させることで、ノイズの混入を抑制した。

ACインレットには、IEC60320規格C17を採用。アース端子を省略した2P端子としている。ACコードは、ハイエンドグレードの24K金メッキを施したオーディオ用コード。

■使い勝手を高めたTwonkyを採用。e-onkyo music自動DLにも対応

配信ソフトにはTwonky Server 7を採用。配信対応ファイル形式は、WAV/MP3/WMA/M4A/M4B/OGG/FLAC/AAC/MP2/AC3/MPA/AIF/AIFF/DFF/DSFで、基本的にTwonkyの仕様に準ずる。ハイレゾは、現時点で最大382kHz/32bitまでのPCM、最大11.2MHzまでのDSDフォーマットをサポートする。e-onkyo musicからの自動ダウンロード機能も搭載している。

なお、Twonkyは楽曲データを細かくソートできるナビゲーションツリー機能など、楽曲再生時の使い勝手を高めているが、本機ではさらに楽曲やアーティスト名を正しく表示し、楽曲がアルバムの曲順通りに表示できるようカスタマイズしていることもポイント。また、オーディオ用途を前提として、高解像度のアルバムアート配信にも対応する。

システムを組み合わせたところ

■セットアップも簡単に行える

なお、ハイエンド機ながらセットアップ手順を簡単にしていることも特徴。今年6月に登場したエントリー向けのオーディオNAS「RockDisk for Audio」とほとんど共通した仕様を投入している。HFAS1本体を、ネットワークオーディオプレーヤーおよびルーターとLANケーブルで接続すればすぐに使い始められる。

設定操作は、同社がNAS製品用に提供しているアプリ「Magical Finder」から手軽に行える。対話形式の画面に従って機器を選択して、簡単に操作画面にアクセスできるようにしている。本アプリから、e-onkyo musicの自動ダウンロード設定ができる。

そのほか、本機はAC側からの電源断にも対応している。システムのデータを随時ドライブに解放しており、データ書き込み中以外で突然電源を落とした場合でも、システムや音源データを破損しないようにしている。

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