建築を活かした個性派大画面シアター、人が集まる空間にしたいから機器はできるかぎりビルトイン
遊び心と驚きのある住まいを追求した
あまり一般住宅には見られない、大きなアーチを描く壁面と、およそ30畳はあろうかという広大なスペース。デザイナーズホテルや美術館のように、ホワイトを基調にした静謐な空間。ここが、今回ご紹介する映画館のある家の舞台だ。
「かつて歯科技工所だった個性的な建築物の骨組みを活かしながら、人が集まるスペースに生まれ変わらせる」というワクワクするようなコンセプトからスタートしたS邸のリノベーション。非日常を演出しながら豊かなコミュニケーションを育む、遊び心と驚きのある住まいを追求するなかで「大画面」が欠かせないピースになったという。家族で映画やゲームを楽しむだけでなく、ヨガ教室やセミナーを開くのにも、大画面の映像は欠かせない。
そこで、このプロジェクトを手がけるタニワ建築設計の谷和司朗氏は、構想段階からAV Kansai代表の岩元秀明氏とのタッグで、他のどこにもない空間をデザインしていった。モノトーンで静的なインテリアと、大胆なアーチを描く壁面のコントラストが凛とした緊張感を生む、アートを感じさせる大空間。その中心に大画面スクリーンが鎮座する。
骨組みを活かした設置で機器の存在は感じさせない
まず、驚かされるのは、床に機材やケーブルがまったくないということだ。お子さんが集まったり、エクササイズを行ったりする空間だから、機器はできるだけ収納してしまいたい。そこでディスプレイからプロジェクター、スピーカー、各種コンポーネントまで、あらゆるオーディオビジュアル機器を住宅にビルトイン。柱や梁を活かしながら、一切の無駄なく、機器が極めて合理的に収納されている。
家じゅうで心地よく音楽が楽しめる環境に
また、岩元氏は家じゅうを心地よい音楽で満たすことができるようにホームネットワークの仕組みも導入している。いつもスマホで聴いている音楽を、エントランスやデッキ、バスルームでも楽しむことができる。シンプルながら、できることは無限大に広がっている。
「この映画館のある家をアネックスと呼んで、家族や友人、ゲストと過ごすセカンドハウスにしています。ここで実現してみたいことのイメージが次から次に沸いてきて、最初に思い描いていたよりもずっと、ここで過ごす時間が増えていますよ」と笑顔で取材に応えてくださったSさんご一家。
おうち時間を楽しく、かつクリエイティブなものにしてくれる、完成度の高いホームシアターは、毎日の暮らしに彩りとインスピレーションを与えてくれる。
(撮影:大野 博)
S邸ホームシアター概要
HOME THEATER DATA ●住宅形態:戸建/リフォーム ●家族構成:夫婦+子ども ●ホームシアターの広さ:約30畳 ●画面サイズ:120型+65型 ●サラウンド:5.0ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、ホームネットワーク、音楽配信、家具アドバイスほか
SYSTEM LIST ●プロジェクター:JVC LX-UH1 ●スクリーン:オーエス SEC-120HM-R2 ●液晶テレビ:LG ELECTRONICS 65UK6500EJD ●ブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-BG2050 ●AVアンプ:デノン AVR-X2600H ●フロントスピーカー:KEF Ci160QR ●センタースピーカー:KEF Ci160QR ●リアスピーカー:KEF Ci160QR
[INSTALL SHOP/INSTALLER]

AV Kansai 大阪・堺店
場所:大阪府堺市堺区車之町西3-1-1
TEL:072-228-7771
営業時間:10時00分 – 20時00分
定休日:水曜日
ホームシアターの視聴室:あり
[ARCHITECT]
