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知っておきたい「レコードクリーニング」の“イロハ”とは?

公開日 2025/06/24 06:30 炭山アキラ
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オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。

そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、改めて知りたい「レコードクリーニング」について紹介しよう。

知っておきたい「レコードクリーニング」の “イロハ” とは?

皆さんの中に、レコードへ埃を積もらせたまま針を落としている人は、よもやおられないだろうとは思うが、念のためにその著しい害について説明しよう。

クリーニングしないままレコードへ針を落とすと、目に見える埃だけではなく、盤面へ降り積もった空気中を漂う微細な塵や砂などの微粒子が磨き砂となり、音溝と針先をあっという間に劣化させてしまうのだ。

Image : オーディオテクニカ

恥を忍んで告白すると、青少年の頃の私もそうだった。ろくすっぽクリーニングせずにレコードを聴き続けた結果、今から思えば廉価なものではあったが、レコード針はもって半年というありさまだったし、当時最も愛聴していた盤は毎日毎日聴き耽った結果、音溝がダメになり、買い替える羽目となった。スクラッチノイズが激増し、高域にキシキシと嫌な歪みが乗って、特に声など耳障りで聴いていられなくなってしまったからだ。

翻って今日、いくつもの個体を使い分けるようになったせいもあるが、私の愛用するカートリッジは針先が10年ではダメにならない。レコードも、試聴で同じところを何十、何百回とかけても、音の劣化を感じることはほぼない。それは、私がレコードと針先のクリーニング術を身に着けたからだ。

クリーニングには、日常的なものと腰を据えて行うものがある。前者はブラシによる埃取りと静電気除去で、後者はクリーニング液とクロス、果ては大がかりなマシンを使う丹念なクリーニングである。

前者は、まず盤をプラッターへ載せたら必ず励行したい。オーディオテクニカやナガオカが販売しているベルベット地のブラシが定番だが、昨今増えてきた化粧筆とよく似た除電ブラシで埃を払うのも薦められる。

オーディオテクニカのレコードクリーナー「AT6018a」(Image : オーディオテクニカ)

ベルベットのものなら、洗浄液を注ぐことでより埃が取れやすくなったオーディオテクニカの「AT6012a」や、それに除電機能を加えた「AT6018a」がとても実用的で、私もずいぶん長くAT6018aを愛用している。なお、このクリーニングは片面聴き終わった後にも行うことを薦める。そうすることで、レコードの内袋へ埃が侵入することが抑えられるからだ。

ブラシで取り切れない汚れが溜まったレコードは、クリーニング液とクロスで磨いてやろう。液やクロスはディスクユニオンやオヤッグサウンド、アルテ、レイカなど、名の通ったブランドのものならどれでも問題ない。

盤をできるだけ安定した台へ載せ、作業することが好ましい。ナガオカのワークマットあたりがあると理想だが、簡易的にはプレーヤーのゴム製ターンテーブルシートなどがあれば、それをテーブルへ置いてその上でやるとよいだろう。くれぐれも、プラッターの上へレコードを載せた状態では行わないこと。

ナガオカのレコードワークマット「RWM01」(Image : ナガオカ)

レコードの音溝部分にクリーニング液を振りかけ、折り畳んだクロスで磨いていく。液は少し多いかな、というくらいにかけた方がよい。磨きは音溝に沿って円周状に行う。正逆回転するのも有効だ。少しくらい力を入れてゴシゴシ磨いても、液がしっかり音溝に浸透していれば傷むことはない。

しっかり磨けたら、汚れた薬液を拭き取ってやろう。磨きに使ったのと同じクロスで拭き上げるのもよし、ティッシュペーパーを使ってもよい。ただし、再生紙のティッシュは用いない方がよいだろう。繊維が短く、盤面へ付着しやすいからだ。

きっちり盤面の薬液を拭き取ったと思っても、それですぐに針を落とすのは危険だ。カートリッジは極めて精密な発電系を有し、湿気は厳禁だからだ。私も甘く見ていて、よく乾き切らない盤をどんどんかけていたら、愛用のカートリッジを断線させてしまったことがある。せめて数分、自然乾燥させてやろう。

その点、バキューム付きのクリーニングマシンを使えば心配は激減する。マシンにもクラスがあって洗浄の手順は異なるが、薬液を盤面から残さず吸い取ってくれる機構については信頼が高い。

PERFECTIONのレコードクリーニングマシン「PFT-VC1」(Image : 完実電気)

盤面のクリーニングだけではなく、針先もしっかりと磨いてやろう。どんなカートリッジでもそうだが、特にラインコンタクト針の場合は音溝と接する面積が大きく、盤面からよりたくさんのマイクロダストを掻き出すから汚れが溜まりやすく、こまめに磨いてやった方がよい。

オーディオテクニカやナガオカが販売しているスタイラス・クリーニング液を使うのが定番だが、付属の刷毛で軽く拭う程度では個人的に心許なく感じ、私は綿棒に少量の薬液をつけて磨くことが多い。ただし、綿棒の繊維を針先に引っかけてカンチレバーを折ってしまう事故を防ぐため、細心の注意を要する。

昨今はSSラボをはじめ、ハイテクのクリーニング液もいろいろ登場しているが、最も新しいタクトリンクの「REV-STYLUS 01」は、ちょっとビックリするくらい音が良くなる。少々お高いが、試してみる価値のあるグッズである。

タクトリンクのスタイラス・クリーナー「REV-STYLUS 01」(Image : タクシュトック)

編集部註:レコードのクリーニングにはさまざまな考え方や学説、方法があります。本稿で紹介する方法は炭山氏が長年実践し、特に問題も発生したことないことを確認したものですが、行う際はあくまで自己責任でお願いいたします。

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(提供:オーディオランド)

 

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