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【第106回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

佐藤健×鈴木亮平×松岡茉優×田中裕子!倫理か愛か、我が子を守るために殺人を犯した母が帰ってきたら…

公開日 2024/03/15 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2019年公開の『ひとよ』をご紹介します!

『ひとよ』(2019年・日本)
(配信:Netflix/ U-NEXT /Hulu)

DVD「ひとよ」(通常版)発売中 発売・販売元:アミューズソフト 価格:4,180円(税込)

劇団KAKUTAが2011年に上演した舞台を、『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督が映画化。最愛の我が子を守るため、子供たちに暴力を振るう夫を殺したこはる(田中裕子)。父の暴力から解放されるも、殺人犯の子供として成長し大人になった次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹。事件から15年、それぞれに問題を抱えて生きていた三兄妹の前にこはるが帰ってくる…。

良かれと思って取った行動が、結果として悪い結果を招いてしまう。生きていれば誰しもが直面し得ることであるが、本作で目にできるのはその極地。根底にあるものは“愛”であったはずなのに、たった一夜の出来事がすべてを変え、確かにあったはずの楽しかった思い出や愛おしい時間さえも覆い隠してしまう。そうして分かり合えなくなってしまった家族の姿に只々胸締め付けられるのと同時に、再会の果てに止まっていた時間が徐々に動き出していく様に胸打たれる。

そんな家族の“繋がり”や“しがらみ”を体現する俳優陣の名演、目にする者の倫理を問う重厚なテーマなど、見どころたっぷりな骨太ヒューマンドラマ。その結末に、あなたはきっと涙する。

(C) 2019「ひとよ」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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