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【第94回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

堺雅人主演!犬の親子と保健所職員の絆を描いた感動の実話

公開日 2023/12/22 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2013年公開の『ひまわりと子犬の7日間』をご紹介します!

『ひまわりと子犬の7日間』(2013年・日本)
(配信:U-NEXT / Hulu)

『ひまわりと子犬の7日間』U-NEXTで配信中

宮崎県で起きた実話を、堺雅人主演、『男はつらいよ』シリーズなどで知られる山田洋次監督の弟子・平松恵美子監督のメガホンで映画化。勤めていた動物園が閉園し、現在は保健所の職員として働く神崎(堺雅人)。上司に注意されながらも、一匹でも多くの犬を救おうとする彼の元に、凶暴な母犬と生まれたばかりの子犬が現れる。母犬の心を開かせ里親を探そうと奮闘する神崎であったが、刻一刻と殺処分の日が迫っていき…。

(C)2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会

2012年の動物愛護法改正に伴い、犬や猫の殺処分件数は年々減少傾向にあるものの、2021年度の殺処分数は犬が2739匹、猫が1万1718匹。この数字を知ってどう思うかは人それぞれですが、本作を目にする中で突きつけられるものがきっとある。それは、神崎が小学生の娘に殺処分について説明するシーン。娘の理解を得られず親子関係はこじれてしまうのだが、もしもあなたが彼と同じ立場であったのなら、人間の都合で動物が殺されることをどのように我が子へ説明するだろう。

(C)2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会

「お涙頂戴の動物もの」とスルーしていた方もいるかもしれませんが、命の価値や重みについて考えるキッカケを与えてくれる堅実な作品です。オードリーファンの方にとっては、芸人ではなく俳優・若林正恭の熱演を拝めるレアな機会になると思います。

(C)2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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