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【第76回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

実在した伝説のトランペット奏者チェット・ベイカー。その波乱の人生と音楽

公開日 2023/08/18 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2015年製作の『ブルーに生まれついて』をご紹介します!

『ブルーに生まれついて』(2015年・アメリカ/カナダ/イギリス)
(配信:U-NEXT)

『ブルーに生まれついて』 Blu-ray:¥5,170(税込) DVD:¥4,180(税込)発売元: ポニーキャニオン

伝説のトランペット奏者、チェット・ベイカーを描いた伝記映画。ジャズ界のジェームズ・ディーンと呼ばれ人気を博したチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)であったが、ドラッグに溺れ、麻薬の売人に受けた暴行が原因でアゴを砕かれる重症を負う。トランペットの演奏も難しくなりキャリアが潰えるかに思われるも、映画で共演した女優ジェーン(カルメン・イジョゴ)の存在がチェットを救う。栄光と没落、そして再起の道を歩み始めるチェットであったが…。

映画に影響を受けて、ファッションや仕草を真似てみたり、何か新しいことを始めてみた経験があなたにもありませんか。本作のような伝記映画、それも実在したミュージシャンの半生を描き、その人となりに触れられる作品ともなれば、その楽曲を実際に聴いてみたくなってしまうのが自然の摂理。

チェット・ベイカーを演じるイーサン・ホークは、本作のために6か月にも及ぶトランペットのトレーニングを受け、その歌声も披露。劇中を彩る魅力的な楽曲と、破滅と隣り合わせの危うい生き方しかできないチェットの葛藤が、目にする者の心を掴んで離さない。観て終わりではなく、聴く楽しみも得られる一石二鳥な作品です。

(C)2015 BTB Blue Productions Ltd / BTBB Productions SPV Limited. ALL RIGHTS RESERVED.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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