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【第72回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

星野源映画初主演作!35歳、恋愛経験ゼロのさえないコミュ障童貞男が貫く純愛ラブストーリー

公開日 2023/07/21 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2013年公開の『箱入り息子の恋』をご紹介します!

『箱入り息子の恋』(2013年・日本)
(配信:U-NEXT)

『箱入り息子の恋』 Blu-ray:6,270円(税込)/ DVD:5,170円(税込)発売・販売元: ポニーキャニオン (C)2013「箱入り息子の恋」製作委員会

『台風家族』『犬も食わねどチャーリーは笑う』などで知られる市井昌秀監督の商業映画デビュー作。市役所で働く35歳の天雫健太郎(星野源)は、内気で友人もおらず、恋人ができたこともない。実家と職場を往復するだけの毎日を過ごす息子を見かねた両親は、親同士が婚活する代理見合いに参加。今井家の一人娘である奈穂子(夏帆)と出会い、彼女が盲目であることを知りながらも恋に落ちていく健太郎であったが…。

一定の年齢に達してしまえば、それまで培ってきたものや価値観が邪魔をして、生き方を変えるのが難しくなっていく。35歳、独身。決まった環境・生活リズム・人間関係の中に身を置く健太郎にとって、現状を打破することは難しい。無論、彼の生き方が悪いわけではない。結婚をしない生き方も、他人と関わることのない生き方も、当事者がそれで良いと思っているのなら何も問題はない。が、自分の心に嘘をついているのなら話は別。

傷つかないよう多くのことに目を瞑り、諦め、心を閉ざしてきた健太郎。そんな自分を変えたくて、不意に訪れたチャンスに全力で突っ走る。きっかけを得ることの難しさ、そして、きっかけ一つで人はいくらでも変わっていけることを、無様に、滑稽に、真剣に恋していく健太郎の姿が示してくれると思います。

(C)2013「箱入り息子の恋」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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