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アップルがスマートグラスを作ったらこんな機能が?WWDCの公開情報から膨らむ期待

2022/06/23 山本 敦
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海外のメディア等では、アップルが現在、独自AR/VR対応スマートグラスの開発を密かに進めているのではないか、とウワサが立っている。今年6月に開催された世界開発者会議「WWDC」の発表から、ARやスマートグラスに関わる話題を拾い集めてみた。

アップルはやはりAR/VR対応のスマートグラスを開発しているのだろうか?WWDC 2022の発表を詳しく調べてみた

■ARKit 6が「4K/HDR」対応に



ARKitは、iOSやiPadOSなどのプラットフォームをベースに、様々なAR体験をデザインするデベロッパーのためにアップルが提供する開発ツールだ。2022年に最新バージョンの「ARKit 6」が公開された。WWDCの基調講演でスポットライトを浴びることはなかったが、アップルの公式サイトなどに、デベロッパー向けの詳しい動画解説が公開されている。

内容を視聴すると、どうやらARKit 6では「画質」「シーン解析とARオブジェクト配置」「モーショントラッキング」の精度がそれぞれ向上するようだ。

今回は「画質」の進化に注目したい。ARKit 6から、セッションの実行中に4K/HDR対応の高精細な背景を取り込んだり、同じ画面内に高品位な仮想オブジェクトを置けるようになるというのだ。

WWDCのオンラインセッションでは、最新のARKit 6が4K/HDR対応になることが発表された

2022年夏時点で、iPhoneとiPadにはHDR対応で、しかも4K表示できるディスプレイを搭載したデバイスはない。一方で、ARKit 6の開発ツールは既に提供を開始している。秋以降にアップルが新しいiPhone、iPadを発表するとしたら、なかには4K/HDR対応ディスプレイを搭載したプレミアムモデルが含まれているかもしれない。そしてARKit 6をベースにデベロッパーが開発した4K/HDR対応のARアプリも、App Storeに並ぶのだろうか。

あるいはウワサされているAR/VRスマートグラスのように、アップルにとって新カテゴリーとなるデバイスが、4K/HDR画質のARエンターテインメントをカバーする可能性もあるのでは、とも筆者は考えている。

■ヘルスケアアプリに「視力」が登録できる



エンターテインメントやビジネス用途も含む「コンテンツを視聴する」ためのスマートグラスは、視力の弱いユーザーも、できればメガネをかけることなく快適に使いたい。

iOSとwatchOSに標準搭載されている「ヘルスケア」と「フィットネス(watchOSはアクティビティ)」のアプリとサービスのための開発ツールである「HealthKit」には、次期OSのアップデート以降に「Vision Perscription=視力」データが登録できるようになる。

ヘルスケアアプリに視力情報が追加できるようになる

WWDCのデベロッパ向けオンラインセッションの動画を確認すると、医師等による視力検査を受けて調べた自身の視力データを、ユーザーがヘルスケアアプリを使ってプロフィールに登録できるようになるようだ。もちろん、アップルが最重要ポリシーとして掲げる「ユーザーのプライバシー」は厳重に保護される。

ユーザーが入力した視力情報が、HealthKitのフレームワークにより、外部のサービスやアプリ等にも共有される

もしかすると、アップルが開発しているスマートグラスは、ヘルスケアのデータを参照しながら、ユーザーの視力に合わせて自動で視力矯正を行い、ディスプレイの映像を見やすく調整してくれるのだろうか。期待は膨らむばかりだ。

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