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【連載】ガジェットTIPS

人気のプロジェクター選び、明るさの「ルーメン」を鵜呑みにしちゃダメ

2022/05/31 海上忍
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家で過ごす時間が長い昨今、自宅でも映画館ばりの大画面を楽しめる「プロジェクター」が人気です。その光源はランプ(水銀灯)にレーザーといろいろありますが、選ぶときの決め手となるのは明るさ、その客観的な指標となる単位「ルーメン」です。

ルーメンは数値が大きいほどプロジェクターが放つ光は明るく、結果として暗室なしでも視聴可能なほど明るい映像となります。居間のような照明必須の環境でも楽しめる「リビングシアター」を目指しているなら、ルーメン値が大きいプロジェクターを選ぶといいでしょう。

プロジェクターの明るさは “表記の揺らぎ” に気をつけよう

そのとき注意すべきは、カタログスペックに “表記の揺らぎ” があること。プロジェクターでいうときのルーメンは、測定方法によって違いがあるからです。

結論からいうと、スクリーンに投写した白い光の明るさを複数地点で測定する「ANSIルーメン」がもっとも信頼性の高い指標です。米国規格協会(ANSI)が定めたこの方法であれば、光源の違いに関わらず客観的な明るさを示していると推定できます。

特段の注記なしに「ルーメン」とある場合は、光源の明るさを示している可能性大です。プロジェクター内部の映像処理に伴う明るさの低下が考慮されないため、ANSIルーメンと比較して数値が大きくなりがちです。

LED光源では「ヘルムホルツ・コールラウシュ効果」も見逃せません。この彩度の高い色(鮮やかな色)はより明るく見えるという人間の視覚特性により、LED光源の数値はおおむねANSIルーメンより高くなります。LED光源を採用したプロジェクターのルーメン値がANSIの測定値でない場合は、ある程度 “割り引いて” 考えるべきでしょう。

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