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人気アプリ開発者に聞く、アップル「WWDC 22」に注目すること

2022/05/30 山本 敦
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■AR物件探しができる話題のアプリがSharePlayにも対応



LIFULL(ライフル)は不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を中軸に、地方創生、介護まで幅広くサービスを手がける企業だ。iOS対応のモバイル版「LIFULL HOME'S」は2009年のローンチ後、iPadOSやwatchOS、tvOSまでアップルの各OSに対応を拡大してきた。

ARKitやHealthKitなどアップルの各フレームワークに、アプリの各機能を結びつけることにも積極的に挑んでいる。同社の池田和洋氏、大塚庸兵氏、山手政実氏、小泉貴奈未氏がLIFULL HOME'Sアプリの特徴とこれからの展望を語ってくれた。

LIFULL HOME'Sアプリの開発に携わるスタッフを取材した。写真左から池田和洋氏、小泉貴奈未氏、山手政実氏、大塚庸兵氏

「スマホで住宅情報が検索できるモバイルアプリやWebサービス」は便利だが、それだけでは特別な目新しさを感じない。LIFULL HOME'Sアプリの魅力は、iOS/iPadOSのテクノロジーをいち早く積極的に取り込み、ユーザーがあっと驚くような便利で楽しい機能を実装していることだ。

例えば内見に訪れた部屋にiPhoneのカメラをかざすと、メインキャラクターの「ホームズくん」が物件をナビゲートしてくれたり、カメラをかざして部屋の角を選択すると、部屋の寸法などを計って間取りを作成できる「ARお部屋計測」の機能がある。

さらにユニークな機能が、iPhoneのカメラを街並みや建物に向けると、画面に入るエリアにあるマンションやアパートの空室、売り物件の情報が探せるという「かざして検索」だ。池田氏は「ユーザーが住んでみたい街、エリアに自ら足を運び、その場所を基点に物件が探せる機能として、目新しさだけでなく実用性を感じてもらえているようだ」と、リリース後の手応えを語っている。

LIFULL HOME'Sアプリの特徴的な機能のイメージ。左が物件を撮影したAR写真に星評価が加えられる「AR評価」。中央はホームズくんが物件を案内してくれるAR機能。右側がカメラをかざした物件から住まい情報を知らせてくれる「かざして検索」

直近では昨年11月、LIFULL HOME'SアプリがiOS 15からの新機能である「SharePlay」に対応した。FaceTimeによるビデオ通話時にLIFULL HOME'Sアプリを立ち上げ、家族やルームシェアを検討する友人と一緒に画面を共有しながら住まい探しの相談ができる。大塚氏によると「アップデートによる機能追加以来、遠隔地にいる家族や友だちと物件探しができる便利な機能として好評」なのだという。

離れた場所にいる家族や友人と一緒に、FaceTime通話上で物件情報の相談ができる「SharePlay」機能にも対応した

同社では毎年アップルのWWDC開催後、iOS版アプリに活かせそうな新機能に目をつけて、有用なものをいち早くアプリの機能改善に活かしてきた。「エンジニアが情報を集めて、プランナーとデザイナーがユーザーが便利に使えるようにUX/UIを検討、円滑に具体を作り込んでいくワークフローが確立されている」と山手氏、小泉氏も口を揃える。

2022年のWWDCでは引き続き各OSごとに、同社のサービスをさらに充実させるアイディアを積極的に拾いたいと池田氏は話す。「開発したアプリをユーザーにお届けして、便利に使ってもらうことが何より大事。App Store内で当社のアプリにより注目していただくための機能やインフラのアップデートにも期待している。プラットフォーマーとの連携によるエコシステムの拡大についても注力したい」と池田氏は今後の展望を見据えた。

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