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【特別企画】「ZEN One Signature」をデジタルハブとして活用

マーヴィン・ゲイ“あの名盤”を徹底聴き比べ!プレス工場違いのオリジナル盤からMQA-CD/ハイレゾまで

2022/02/24 田中伊佐資・菅沼洋介(ENZO j-Fi)/構成:ファイルウェブオーディオ編集部
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■デジタルでどこまで音が変わる? まずはBluetoothから

菅沼 まずは気持ちをリフレッシュする意味でも、Bluetoothから行きます。これは「Xperia 5 II」から、Amazon music HDのアプリで再生して、LDACで「ZEN One Signature」に飛ばしてます。LDACだと、96kHz/24bit相当まで送り出せるとされていますね。

スマートフォンアプリからBluetoothで再生

田中 んん〜思ったよりかは普通に聴けるね。薄くてスカスカかなと思ったんだけど。この「ZEN One Signature」がしっかりしてるってことなのかな。

菅沼 すごく丁寧にマスタリングしてある感じがします。

田中 でもこれはまだ序の口で、この先があるんですよね。

菅沼 次はMQA-CDを再生します。MQAっていうのは音源のデータサイズを小さくする魔法の技術で、この44.1kHz/16bitのディスクの中に、352.8kHz/24bitの音を入れられるというものだそうです。ただ、これは普通のCDプレーヤーではデコードできません。今回はアキュフェーズのCDプレーヤー「DP-750」からS/PDIFで出力して「ZEN One Signature」に入れて、デコードはこちらで処理します。

MQA-CD×UHQCDの『ホワッツ・ゴーイン・オン+6』(UICY-40216)。MQA-CDはハイレゾの音源を“オーディオ折り紙”で折りたたんでCDに入れ込んだもの。UHQCDは、CDの原材料をより流動性の高いものとすることで、CDの溝(ピット)をより正確に再現できるようにする技術。この2つの技術を両方組み合わせたものが「ハイレゾCD」として発売されている

編集 補足しますと、MQA-CD対応のCDプレーヤーというのもあるのですが、数が少ないのと高額な製品が多めなんですね。でも、あなたの手持ちのCDプレーヤーに、この約5万円の「ZEN One Signature」を入れるだけで、MQA-CDが再生できますよと。CDプレーヤーの買い替えはおおごとですが、これならばちょっと追加するだけでOKになります。

菅沼 「ZEN One Signature」でMQAデコードした音(352.8kHz)と、アキュフェーズのCDプレーヤーそのままの音(44.1kHz)と聴き比べましょう。


田中 いやしかし、Bluetoothと比べると、圧倒的にCDのほうがいいね。Bluetoothも結構頑張ってるって思ったけど。

菅沼 MQAのありなしでいうとどうですか?

田中 好みで言えばMQAがないほうがいいね。さっきのMoFiと同じような感じで、MQAはちょっと頑張ってオーディオ的にやりすぎてる感じがある。普通にこのまま聴いたほうが落ち着いて聴けるかなぁ。

編集 今日家に帰って聴くなら、というテーマでいうと、私はMQAありのほうが好きですね。CDのほうが細かいところが気になっちゃって、MQAのほうが自然に耳に入ってくる感じがします。

菅沼 CDはセンターが寄っちゃっている感じがして、MQAのほうがセパレーションがいいかな。

田中 僕は逆にそれが気になる。こういう音楽は真ん中「ドン!」でいいんですよ。これがクラシックなら、もうちょっとセパレーションよくして、気持ちよく聴きたいけど、これ70年代のソウルですよ。モータウンですよ。僕はそこに広がりとかステージ感とか求めてない! MQAだからCDだからどうじゃなくて、マーヴィン・ゲイの声はどうなのか、という話でしかない。


菅沼 えええ〜〜! それは聴き方がぜんぜん違いますね(驚愕)! 僕はこれをオーケストレーションの広がりも聴きたくて、そこをも鳴らしたいなって気持ちがあります。

■ジュークボックスの楽しみ。ストリーミング&Roonをテスト

菅沼 次はRoonです。同じくiFi audioの「ZEN Stream」も用意していまして、ZEN Streamでデータを受けて(レンダラーの役割)、そこから「ZEN One Signature」でDA変換します。こんどはUSB入力を使う形ですね。ソースは192kHz/24bitのQobuzを使って、Roonで再生します。

iFi audioの「ZEN Stream」(右)。DLNA/UPnP再生からRoon Ready対応、Spotify、TIDAL、AirPlay等にも対応する多機能ストリーマー。サイズはZEN One Signatureと一緒!49,500円(税込)

田中 これは次元高いね〜〜。いままで色々言ってきたけど、やられた感じがしますね。MoFiと比べてもこっちのほうがいいんじゃないですか。デジタルでここまで来るのはかなりのものですね。やっぱRoonやらなきゃだめかな?

編集 伊佐資さんはRoonやったほうがいいと思いますよ。さっきおっしゃってた「ジュークボックス」的な使い方もできますし。

ストリーミングサービスQobuzとRoonと連携させ、ZEN Streamに送り出し

田中 そうそう、ベーシスト検索とか、エンジニア検索とかもできるんだよね。やっぱやらなきゃだめかな〜。

編集 ところで、せっかくなのでローカルファイル再生もやってみましょう。fidataに音源を入れて、DLNAで「ZEN Stream」に入力する流れです。ストリーミングは、どうしてもネットワーク環境のノイズの影響を受けやすいので、そこの聴き比べも見ておきたいです。

ZEN Streamは、背面の「Exclusive Mode」(排他モード)の設定が変更できる。1.のAIOでも再生できるが、音質面では排他モードにしたほうが有利。今回は2.ROONと5.DLNAを使用

菅沼 DLNAとRoonの使っているRAATでも音が違いますからね。


菅沼 fidataからの再生のほうが、オーディオ的には良い感じがしますね。低域の充実感もあって、土台がしっかりしている感じがします。

田中 落ち着き感はあるよね。でも、あのRoonのきらびやかさもいい。MoFi盤に感じたものに似ているかなぁ。

菅沼 Roonのほうが艶っぽい、逆にいうと脚色があるという人もいますね。DLNAはストレートでそっけない。

田中 自分の中で長く使うとしたらどっちだろう。やっぱりローカルファイルの再生に集約されてくる感じがするんだけど。でも、驚きはRoonにあるね。

■まとめ。オリジナル盤をディグる楽しみ、デジタルでパッと聴く楽しみ

菅沼 このアルバムは、中古で探すと、特にA面はみんな針を落とすのでだめなモノが多いんですよ。B面はニアミント級であってもね。なので、そういう「ハズレ」に当たることを考えると、ハイレゾで聴いたほうが便利だし、音もこれだけいいし、言うことなしかなって思います。

田中 それも分かる。レコードは、傷を気にしたり磨いたりしなきゃいけなくて、それが趣味といえば趣味だけど、すぐ音楽聴きたいんだよ、ってときには、やっぱりデジタルは便利。「ZEN One Signature」も、ありそうでなかった製品なんだよね。

菅沼 そうなんです、USBだけとか、Bluetoothだけとかはあるんですけど。DDCとしても使えるし、割といろんな使い方ができるんじゃないかなと。

編集 ヴィニジャンの田中伊佐資さんですが、今回の聴き比べで新しい発見はありました?

自分のデスクトップの中で完結できる小型のオーディオもやりたいね、と語る伊佐資さん

田中 いや、デジタルも結構すごいと言うか、針の限界を突き破るようなところもあるよね。針は針で、ヴォーカルの厚みや声が飛び出してくる感じはすごいんだけど、シチュエーションに合わせて聴くというかね。あ、ジュークボックスにするんだったら、小型のアクティブスピーカーと組み合わせてデスクトップで完結するというのもいいよね。それだと手っ取り早く聴けるなぁと。

編集 「ZEN One Signature」は今回みたいにかなり本格的なシステム(総額500万オーバー)の中に組み込んでもいいですし、アクティブスピーカーと組み合わせて2つだけで完結するシンプルなシステム構築もできる、というのも面白いポイントかなと思います。

田中 買うレコードの内容を確認するためにストリーミングを活用するという話はしたけれど、録音の良し悪しまで判断するなら、音が良いのに越したことはないね。それに、デジタルも聴かないわけじゃなくて、レコードになってないアルバムってたくさんあるし。

編集 たまにこうやってデジタルも聴くことで、改めて「レコード愛」が深まるってことで(笑)。

(Photo by 高橋慎一)

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