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【連載】ガジェットTIPS

YouTubeはなんでライブ配信が“1対多”でもスムーズなの?

2021/01/23 海上忍
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いまや映像文化の一翼を担う存在にまで成長したネット動画。その代名詞的存在「YouTube」は、コンテンツの拡充のみならず、映像をいかにストレスなく視聴してもらうか、いかに効率よく配信するかの技術開発にも熱心です。

たとえば、2018年からYouTube Liveという名称で提供されている生配信サービス(2011年頃から同名のサービスが存在するが技術的には大きく異なる)では、直接WEBカメラからのリアルタイム配信を実現しています。面倒な事前準備も高価な機材もなしに生配信できるというのは、実はなかなか画期的なことなのです。

事前準備も高価な機材もなしに生配信できる理由は?

一般的にネット動画は、最初から動画ファイルとして用意されているものを特定のストリーミング技術で配信します(静的な映像配信)。かんたんにいうと1台のサーバが大勢のクライアントに配信する “1対多” の構造で、WEBと同じHTTPを通信プロトコルとして用いる「HLS(HTTP Live Streaming)」と「MPEG-DASH」が主流になっています。

一方、ビデオチャットやテレビ会議のように動画ファイルが存在しない動的な映像配信では、UDPを通信プロトコルとして用います。HTTPに比べ通信の信頼性は下がるものの、サーバとクライアントの"1対1"でやり取り(P2P通信)できる「WebRTC」を利用することで、HTTPベースでは十数秒以上の遅延が避けられないところを、2秒未満というリアルタイムに近い配信が可能になります。

YouTube Liveでは、WEBカメラの映像を視聴者へ直接送り出すのではなく、WebRTCで通信するYouTube側のサーバで軽量な動画フォーマットへの変換処理を行い、そこからMPEG-DASHまたはHLSを利用して大勢の視聴者に配信します。つまり、静と動でタイプの異なる2つの技術を組み合わせることにより、1対多の構造でありながら低遅延という映像配信を可能にしているわけです。

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