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【連載】ガジェットTIPS

「Thunderbolt 3」と「USB Type-C」、なにが違うの?

2020/05/25 海上忍
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パソコン用ディスプレイを増設しようと機種選定してみたら、「Thunderbolt 3(USB-C)対応」という表記が。自分のパソコンに「USB Type-C」端子はあるけれど、これのこと? なぜ2つの名前が同じ端子に? という質問が届きました。この「Thunderbolt 3」と「USB Type-C」の関係はややこしいので、噛み砕いて説明してみましょう。

まず、Type-Cは「端子の形状」です。ピン数や配線に関する定義はあるものの、どのようなデータがどのようにやり取りされるかの定義はありません。表記も統一されておらず、Apple製品では「USB-C」と呼ばれています。

見た目は同じですが、その違いは?

Type-Cでは原則としてUSBの信号を扱いますが、準拠する規格は明確に定められていません。実際、USB 3.1に対応する端子もあれば、3.1には対応せず2.0止まりという端子も存在します。Type-C端子/ケーブルを用いる高速充電規格「USB PD」も同様に、対応するものもあれば対応しないものもあります。

Thunderbolt 3は、最大転送速度40Gbpsという高速データ転送規格です。旧規格のThunderbolt 1/2は、Mini DisplayPort端子を使いましたが、3ではType-C端子/ケーブルを使用します。USBと同じ端子/ケーブルを使うものの、流れるデータはThunderbolt 3です。

いわばThunderbolt 3がUSB用ハードウェア規格を乗っ取った形ですが、それが実現できるのはType-Cに「オルタネートモード(Alternate Mode)」というオプションが用意されているからです。オルタネートモードでは、本来はUSB用のデータ信号線を別規格で動作させることができるため、Thunderbolt 3用の端子/ケーブルとして利用できるのです。

ただし、オルタネートモードで利用できるケーブルは、コネクタ内部に認識用チップ(E-Marker)が搭載されていなければなりません。「Thunderbolt 3対応」が明記されたType-Cケーブルには、必ずこのチップが搭載されていますから、ケーブル選びにも注意しましょう。

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