未来へ逞しく心機一転

音元出版社長 和田光征の「巻頭言」2019年2月:出版界の厳しい環境を乗り越え進み続ける

音元出版社長 和田光征
2019年02月05日

未来へ逞しく心機一転


現在、新聞、出版業界はインターネットの登場以来、極めて厳しい環境にある。新聞がピーク時の1997年の約5,377万部から2018年は約3,990万部となり、この21年間で1,300万部余りも減少、現在は遂に4,000万部の大台を割り込んだとの報道があった。一般社団法人日本新聞協会のデータによると、2017年は約4,210万部、2018年は約3,990万部。この1年間でも約220万部も減少しており、まさに本当の危機に直面している。

雑誌危機は全世界で起こっており、公益社団法人 全国出版協会のデータによると、日本の出版販売額は月刊誌・週刊誌とも1997年をピークにずっとマイナスの一途を辿り、2016年はピークの半分ほどと、まさに崩壊の様相を呈している。この事はオーディオビジュアル誌でも起こっており、本年から新聞同様に崩壊の危機が来ると言えるであろう。
 
小社、音元出版では、こうした出版業界の衰退を読み取って、大胆な対応をしてきた。私は1995年のウインドウズ95が登場する前から今日の状況を読み、その時すでに先見力を発揮して準備を始め、そして2000年に当ファイルウェブを誕生させた。現在ユニークユーザー数は月間250万人、滞留時間も長く、圧倒的な強さを発揮している。アマゾン、ビックカメラなどECサイトとも強力なコラボレーションを行っている。

なぜこういったことが実現したのか。それは、私自身が絶えず10年先を読み、10年先からの思考でものごとを実行しているからである。それによって全社員もまた、そうした思考と行動の特性を有し、いつも前向きに活動している。私自身の哲学が根本思想としてあるからだ。それは今に始まった話ではない。

私は音元出版に入社以来今日に至るまで、いわゆる「本質」と「現象」をしっかりと認識し、同時に「業界の発展に寄与する」という不変の理念をもっている。それが礎となり、未来へ向けての下準備を行うことが絶えず可能になったという事である。

「業界」に対する考え方も、「メーカー」「流通」そして「ユーザー」であると捉え、その本質は「商品・製品」であると認識している。そして己だけの利を考えるのではなく、市場創造を核として、業界の発展に寄与するといった理念で行動する。こうした信念と行動は危機的な状況で発揮され、長きにわたって業界に貢献できた。

ウェブを展開するにあたっては、優秀な人材が求められる。私は当初からその確保につとめ、彼らの入社以降は目的性や本質を認識させ、10年先の姿を知らせている。現在もファイルウェブがあり、強い専門誌・店頭誌がある事から、人材が集まって来る。彼らはチャンスを与えられ、それに応え、私が想像をしのぐような仕事をこなして、それが記事として表現されているのである。そしてウェブと専門誌のそれぞれの強さを連動させ、オーディオ部門もホームシアター部門も、その効果で出版不況を乗り切り、メーカー各社、オーディオ店、インストーラーと強く連携して成果を享受している。
 
これからは、ファイルウェブ上に集まる購買意欲の高い読者へ情報を強く発信し、業界発展に寄与して参りたい。小社の媒体力を結集して、業界の皆様と共に厳しい環境に打ち勝って行きたい。

関連記事