特に注意すべき5つのポイントを紹介

コーヒーメーカーの選び方(2)ドリップ式コーヒーメーカー、そのメリットと購入時のポイントは?

多賀一晃(生活家電.com)
2016年02月22日
第1回目では、コーヒーメーカーを選ぶときの基本となる「抽出源」をまとめてご紹介した。今回は、最もポピュラーである「コーヒー豆・粉を抽出源とした『ドリップ式コーヒーメーカー』」について紐解いていこう。


ドリップ式コーヒーメーカーのメリットとは?

「抽出法ドリップ式」のコーヒーメーカーは、喫茶店、カフェで提供されるようなブレンド/ストレート・コーヒーを楽しむことができるもの。技術の必要なドリップの部分は機械が代行してくれるので、コーヒー豆さえきちんと管理できれば、かなり美味しいコーヒーが飲めるのが特長とも言える。

ただし香り、味にとことんこだわった見方をすると、ハンド・ドリップで上手に淹れたコーヒーには及ばない。デジタル技術が発達した現在でも、最高峰のアナログ・オーディオの輝きが失われないのと同じことだ。それは何故か? ― 抽出の諸条件を、ハンド・ドリップの様にきめ細かく調整できないのが原因である。

ハンド・ドリップを、カートリッジやアームも含めいろいろな方法を駆使して音を追い込めるフルマニュアルのレコードプレーヤーに例えると、ドリップ式のコーヒーメーカーは、カートリッジやアームなどが全て一体化されたレコードプレーヤーに例えると分かりやすいかも知れない。

とにかく通常のコーヒーメーカーは、抽出条件の変更はできないものがほとんどなので、工夫の余地がほとんどないのだ。

逆にプラスの点は、ハンド・ドリップよりも安定して一定の香りや味を再現できること。そのコーヒーメーカーが淹れてくれるコーヒーの味が好きなら、これはメリットのひとつになるだろう。ボタンを押すだけで使えるし、特にお湯を沸かさなくて済むのがありがたい。販売価格もほとんどが2万円以下と手頃なので、入門機としてもオススメしたい。

購入時にチェックすべき5つのポイント

選択時に特に注意すべきは、次の5つだ。

・グラインダー(ミル)付きか?
・一度に何人分淹れられる設計か?
・どのようなフィルターを使用しているのか?
・水はどこから入れるのか?
・抽出後の保温はどのようにするのか?




付属グラインダー(ミル)は、どこまで豆の良さを引き出せるか?

ドリップ型のコーヒーメーカーに内蔵してあるミルは、ほとんどの場合小型ブレンダー型。単体で販売しているグラインダーより貧弱なものが多く、設定も変えられないものが多いが、あると便利なことも事実だ。挽き立てのコーヒーは香り、味とも断然美味しい。いまグラインダーを持っていない人、またはコーヒー豆にステップアップしたい人には大いにお勧め。

ミル付きコーヒーメーカーの一例。パナソニック「NC-A56」は豆の挽きからドリップ、保温、ミルの洗浄まで全自動で行える

コーヒー豆は、カフェ、喫茶店、スーパー等、もっとも幅広く扱われている。これが使えると言うことは、無限の可能性を手に入れたに等しい。オーディオで、無限の音源を手に入れているのと同じだ。

一回に何人分淹れるのか?

コーヒーは淹れたてが一番美味しいため、現在は一人分ずつ淹れるのが主流になっている。しかし、一度に多人数分抽出できるのもドリップ式の特長だ。

分類としてはだいたい1〜4or5人分のものと、それ以上の人数に大別されている。違いはフィルター・サイズと形状だけ。

シロカ「STC-501」はホットコーヒーなら最大4杯分淹れられる。フィルターはステンレスメッシュ方式だ

デロンギ「ICM14011J-R」はホットコーヒーなら最大5杯取り。ペーパーレスフィルター方式。好みによってペーパーフィルターを使うこともできる

ただ、大人数用(6人以上用)のマシンで1人分のコーヒーはあまり美味しく淹れられない。自分のライフスタイルに合わせて選んで欲しい。


フィルターの種類(素材/穴数)は?

フィルターにも色々と方式があり、それによって味も変わるので意識して選んで欲しいポイントだ。

ドリップ式の場合、扇形のフィルターで3つ穴/1つ穴、それと円錐形のフィルターで1つ穴から抽出するという3通りの方法がある。

3つ穴と1つ穴を比べると、1つ穴の方がコクが出やすい、扇形と円錐形だと、円錐形の方がコクが出やすい。これは落ちるまでの時間が理由だ。現在、最も注目されているハリオのハンド・ドリッパーV60は、円錐型で1つ穴タイプとなる。

ハリオ「V60珈琲王 EVCM-5TB」は円錐型一つ穴タイプ

メリタ「オルフィ SKT52」は扇型一つ穴タイプ

またベーパー・フィルターでなく、メタル・フィルターを使うのも流行中だ。コクの一部をペーパーが吸い取らないため、コーヒーの成分を全て味わうことができるのが特長。洗浄が少々面倒臭いが、1回ごとにフィルター捨てないで良いというエコなところもポイントだ。

フィルターによる差はいろいろあるが、味ではっきり差がでるのは、ペーパーとメタル。ここには気遣って欲しい。


水を入れる場所をチェック

実はこれはかなり重要なポイントだ。コーヒーメーカーは、定期的に洗浄した方が衛生的なので、ある程度軽めに作られている。しかし、頻繁に移動させることを前提に設置したりはしないものだろう。

ところが、コーヒーメーカーによっては、横から、もしくは後ろからしか水が入れられない構造になっているものもある。この場合、設置は横、もしくは後ろからアプローチできることが条件になるので、設置できる場所が限られてくる。あなたの自宅ではどこに置きたいか見当を付けておいた方がいいだろう。


抽出後の保温の方法は?

ドリップ方式のコーヒーメーカーは数杯分一度に抽出できるものが多い。この時困るのが、すぐ飲まないコーヒーをどうやって温かい(もしくは熱い)状態に保つかということだ。

昔よくあったのは、大きな耐熱ガラス容器にコーヒーを溜め、下からヒーターで暖める方法。この方法だと30分もしない内にコーヒーが煮詰まり苦くなるうえ、重い香りしか残らない。


タイガー「ACT-B040」(左)や象印「珈琲通 EC-NA40」(右)は魔法瓶保存方式だ
これに対し、現在のトレンドは魔法瓶保存。煮詰まらず、長時間いい香りを保ちつつ、冷めないのは画期的である。


最近のトレンド:浄水機能付きモデル

これ以外に、浄水器が付いている機種も多くなり始めた。水道水をそのまま使うのより美味しくなる場合がほとんどだ。

ただ飲み水に関しては浄水ポットなどを所有している家庭も多いと思うので、そこまで重要な要素ではない。


是非、豆の違いによる味の違いを楽しんで!

ドリップ式コーヒーメーカーを買った人は、豆をいろいろ変え、味の変化を楽しむことをオススメしたい。抽出条件が一定なので、豆で味がどう変わるのかがよく分かるからだ。「種類(産地)」「焙煎」「挽き方」等々、いろいろ試してみてほしい。それはコーヒーとはどういうものかがよく分かることを意味する。

豆はチョット高くなるが一週間で飲みきる量、100g単位での購入がオススメだ。豆の大敵は、酸素、湿度と日光。保存の仕方は色々あるが、私は真空瓶に入れて常温保管している。

そして興味が出た人は、次のステップへと踏み出してほしい。コーヒーは嗜好品。嗜好品の世界は深淵なのだから。


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