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「Net Audio」vol.08に詳細を掲載

大手メジャーがe-onkyoでハイレゾ配信開始〜ところで、ハイレゾマスターはどう作るの?

公開日 2012/11/26 18:35 季刊Net Audio編集部
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全国の書店にて好評発売中の季刊「Net Audio」vol.08(¥1,300)
「ネットオーディオを実践してみたはいいけど、自分の好きなハイレゾ音源が配信されていない」「海外サイトから購入するのはハードルが高い。できれば日本のサイトから購入したい」などなど、ハイレゾ音源にまつわる率直なご意見を、いままで多数頂いてきた。

しかし、今後はもうそんな思いはしなくて済むようになるかもしれない。大手メジャーのハイレゾ配信がe-onkyo musicにて矢継ぎ早に始まっているからだ。

ワーナーミュージックが7月27日より洋楽カタログ45タイトル、ビクタースタジオのレーベル“VICTOR STUDIO HD-Sound.”が9月5日に20タイトル、ユニバーサルミュージックが10月30日より16タイトルを、それぞれe-onkyo musicで配信スタートさせた。e-onkyo musicのアカウントを持っていればすぐに購入できる。ネットオーディオを楽しむ環境が整ってきたといってよいだろう。

ところで「ハイレゾ音源のデジタル・マスター」はどのように制作されているのだろうか。

新録作品であればハイレゾでデジタルレコーディングが行われるケースが多く、マスターデータは、ハイレゾ配信に積極的なレーベルであれば、ハイレゾ用のマスターとCD用のマスターの2種類が用意されることもある。このとき、MP3配信を行うメーカーであれば、MP3のマスターも作られる。

しかしハイレゾ配信を念頭において作られてこなかった過去の作品については、アナログマスターからデジタルに変換する作業を行い、ハイレゾ配信用にマスターを新たに作ったり、あるいはハイレゾのデジタルレコーディングされた音源であっても、マスタリングはCD用しか作っていないものも多くあるため、CD用のマスターデータしか用意されていない場合は、CDスペックにする前段階のデータからハイレゾでマスタリングする必要がある。


『鬼太鼓座/富岳百景』。ビクターの作品でe-onkyoにて192kHz/24bitで配信中。1997年に録音された名作。1インチのマスターテープからダイレクトでHDDに取り込んみハイレゾ・マスタリングを行った
このとき、「ハイレゾ用にどのようにマスタリングするのか」といった、各社の意図が大きく音作りに関係してくる。アナログマスターからデジタルのハイレゾマスターを作成する場合、SACD-SHM仕様のためにフラットトランスファーしたDSD音源をPCM192kHz/24bit音源に変換してハイレゾ配信しているところもあれば(ユニバーサルミュージック…ただし一部の音源を除く)、扱う音源ごとにその音源に合ったハイレゾ用のマスタリングを施すか否かを判断し、その判断によって周波数特性の調整を含めたリマスタリングを施すところもある(ビクタースタジオ)。こうした各社の取り組みにも注目すべきだ。

現代発売中の季刊「Net Audio」vol.08では、3レーベルの具体的なタイトル紹介とともに、ビクタースタジオについては青山スタジオを訪問し、どのようにハイレゾ用リマスタリングを行っているかを取材した。ビクタースタジオは、高田英男氏がサウンドプロデューサーを担当しているところが他と一線を画している。ぜひご参照頂きたい。

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