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“振動対策”のプロフェッショナル。IsoAcousticsのインシュレーター効果を5人の評論家が徹底検証!

公開日 2026/11/03 06:30 井上千岳/炭山アキラ/角田郁雄/生形三郎/園田洋世
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ノイズ感が劇的に下がり量感を引き出す(text by 炭山アキラ)

IsoAcousticsは、2012年にカナダで創立されたメーカーで、米特許取得済みの技術を駆使したインシュレーターやスタンドを発売している。

今回は耐荷重がちょうどよいアイソレーションフット、「OREA Indigo」をプリアンプ、「OREA Bordeaux」をパワーアンプへ挿入し、音を聴く。

アキュフェーズのパワーアンプ「P₋7500」(49kg)に「OREA Bordeaux」(最大耐荷重は14.5kg/1個まで)を試す

アキュフェーズのプリアンプ「C-3900S」(25.3kg)に「OREA Indigo」(最大耐荷重は7.2 kg/1個まで)を試す

クラシックはノイズフロアが劇的に下がり、歌手が朗々と歌い上げ、弦楽がそれにたっぷりとした量感を湛えつつ有機的に絡む。デフォルト状態ではあえて絨毯にパワーアンプを直置きしていたのだが、その難点がほぼ拭い去られたように感じられる。

ジャズは演奏空間の空気がギュッと濃密さを増し、不自然にならない範囲でリズムセクションが僅かに前へ出る。ソロトランペットはたっぷりとタメを取った鳴りっぷりだ。音量をそう上げずに結構な迫力を聴かせるのは、日本のオーディオ環境に好ましい特性であろう。

ポップスは、ベースが太くみっしりと身の詰まった質感で歌姫を支える。歌も実体感が太く豊かな表現の方向で、ひそやかなウィスパーボイスに込められた情感を巧みに引き出すタイプと見た。

奏者の実在感が増した感覚(text by 角田郁雄)

IsoAcousticsは制振技術に特化したブランドだ。その特徴は金属と振動吸収樹脂を組み合わせた独自のフローティング構造である。世界のハイエンドブランドからの評価も高く、OEM製品としてスピーカーからコンポーネントまで多くの機器に採用されている。

今回はその製品からプレーヤーやアンプなどのアイソレーションフットとして設置できるOREAシリーズを試した。上部には、吸着性の高い樹脂を、下部には接触性の高い樹脂を採用。これらを本体の精密切削のステンレスでサンドイッチした構造である。

機器の重量に応じて4種類が用意されているが、今回はネットワークプレーヤーに「OREA Bronze」(耐荷重3.6kg/1個)を使用した。

McIntoshのネットワークプレーヤー「DS200」に「OREA Bronze」を試す

その効果はすぐに分かるほど大きい。不要振動が低減され、音の透明度や弱音の再現性が高まる。奏者の実在感が増した感覚であり、一度使うと手放せなくなるほどの効果を実感した。精密感のある仕上げで価格的にも適正である。

機器本来の魅力を引き出す(text by 生形三郎)

「Aperta 200」は、デスクトップ向けの小型スピーカースタンドだ。特許技術でスピーカーからの振動を効果的にアイソレートするとともに、高さや角度の調整にも対応し、設置環境を最適化する。

Bowers & Wilkins「705 S3 Signature」とスピーカースタンドの間に「Aperta 200」を設置

実際に使用すると、トゥイーターが耳の高さに近づく効果も相まって、空間表現が一段と立体的になる。

残響の移ろいや空間に消えていく余韻がより明瞭に描き出され、音場全体の見通しが向上する。ボーカル音像もフォーカスが高まり、他の楽器との位置関係が自然で均整の取れたものとなり、確かな実体感を伴って浮かび上がる。

ピアノは艶や滑らかさだけでなく、芯のある確かな音像へと変化。やはり楽器そのものの実在感が高まる。キックドラムのアタックやベースのピッキングなど、低音楽器も輪郭が引き締まり、存在がより把握しやすくなる。

さすが、放送局で培った技術を背景に誕生し、実際にスタジオにも多くの導入実績を持つブランドだけあり、不自然な色付けや付帯音を感じさせず、あくまでもシステム本来の魅力を素直に引き出してくれる点が本機最大の美点と言える。

音場も音像も立体化(text by 園田洋世)

IsoAcousticsのアイソレーションフット(インシュレーター)、OREAシリーズは上に載せる機器の重量に応じて4つのモデルから選べる。

今回載せるのはAIRPULSEのアクティブスピーカー「A60」(2.7kg/1台)なので、最大耐荷重が1個あたり1.8kgまでの「OREA Graphite」をスピーカー1台につき3個設置してみる(左右合計で6個)。スピーカーを載せる場合はロゴが正面に向かうようにとの指示に従って設置した。

AIRPULSEのアクティブスピーカー「A60」で「OREA Graphite」を試す

音場も各音像も立体化する。しかも高域をことさらに強調はせず全帯域にわたって解像度を高める大人の音調だ。質感の描き分けも巧みになる。ハイ・ファイ・セット「卒業写真」はボーカルがポオッと宙に浮き、柔らかくじんわりする質感が魅力的だ。肉声感があるのだ。

タン・ドゥン『交響曲1997「天、地、人」』は独奏チェロの彫りが断然深い。太鼓群のアタックが鋭く強い!そしてあとを引かない。比較的安価ながら素晴らしいパフォーマンスである。

(提供:エミライ)


本記事は『季刊・Audio Accessory vol.202』からの転載です

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