ケーブルやボード、オーディオアクセサリーで遊ぼう!Qobuzのグレードアップに効く4アイテムを重点ピックアップ!
マランツの小型コンポ「M-CR612」と、DALIの小型ブックシェルフスピーカー「KUPID」。まさに“オーディオ入門”にうってつけの組み合わせだが、もうちょっと楽しみを深めたい…そんな時にはアクセサリーによるグレードアップがおすすめ!オーディオ沼にどっぷりハマれる、お手頃アクセサリーを4つご紹介しよう。
アクセサリーを追加することでオーディオはもっと楽しくなる!
マランツのネットワークCDレシーバー「M-CR612」は、これ1台でCDとFM/AMラジオが楽しめ、さらにネットワークへつなげばハイレゾまで対応のストリーミング再生も行うことができる。
ハイレゾは192kHz/24bitまでのPCMと2.8MHzDSDに対応、パワーアンプ部は実用最大出力60W(6Ω、1kHz)と十分で、これ1台と適切なスピーカーを組み合わせれば、ほとんど万能ともいうべき音楽ライフが満喫できる。7年に及ぶロングセラーにも、納得がいこうというものである。
今回は、M-CR612にデンマーク・ダリの新作小型スピーカーKUPIDを組み合わせ、それをベースとしていろいろなアクセサリーで音楽再生をどこまで向上させられるか、実験していきたいと思う。
実験開始前に、もうご存じの人も多いかもしれないが、KUPIDの概要も簡単にお伝えしておこう。
本機は11.5cm口径の逆ドーム的コーンを持つウーファーと2.6cm口径のドーム型トゥイーターによる2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカーである。
ウーファーの振動板素材はペーパー&ウッドファイバーとなっているが、これは強度の割に軽く鳴きの少ない振動板を目指しての採用と思われる。トゥイーターにも上級機を超える物量が投じられている。
キャビネットも兄モデルを超える頑丈さを持ち、ブラック・アッシュ(タモ)やダーク・ウォルナット(クルミ)といった木目調のほか、白、黄、青のカラーバリエーションがそろっているのも嬉しい。
どれも原色ではなく、北欧の住宅に見られるややくすんだ渋い色調で、部屋へ置いても主張が強くなりすぎたりはしないであろう。今回はパステル調のキャラメル・ホワイトを試聴に起用した。
デフォルト状態でもアコースティックな風合いが快い
音源は、主にQobuzでハイレゾを聴く。まず、デフォルトで音を聴こう。ネットワークはTP Link社のルーターからごく一般的なデータ用LANケーブルでM-CR612へ接続している。今回の試聴はリスニングポイントからスピーカーを1m以内に置く、いわゆるニアフィールド・リスニングで臨む。
この状態でも音楽をごく真っ当に表現し、超低域方向こそ早めに落ちているが帯域バランスを崩すことがなく、麻のジャケットを思わせる自然でアコースティックな風合いが耳に快い。10万円ちょっとでそろえられるセットとしては、出色の表現力といって差し支えなかろう。
LANケーブル「C-Stream」 -モヤが晴れ瑞々しさが引き立つ
それでは、アクセサリーの実験にかかろう。まず、LANケーブルを英国コード・カンパニーの「C-Stream」へ交換する。クラシックから聴き始めたが、どことなく音場にかかっていたモヤがスッキリと晴れ、弦の定位と瑞々しさ、歌い手との遠近感が一気に表現されるようになる。
コード・カンパニーは100万円クラスの超ハイエンド・ケーブルも開発・発売しているが、このC-Streamは1万円クラスながら上級ケーブルのノウハウが投入された超ハイCPケーブルだけに、この表現力にも納得できる。
ポップスは伴奏のベースがよく弾み、歌は淡々と紡がれていくようでいて、内面に小さな青い炎が灯っているような表現に痺れる。
もちろんC-Streamの表現力がこれを引き出しているのだが、改めてデータ用のLANケーブルなんてオーディオへ使うものではないな、ということも痛感する。
「プリモボード」 -歌い手の存在感が近付く
お次は、アンダンテラルゴのオーディオボード「プリモボード」を使ってみよう。実はこのボード、大小あるうちの「大」の方はM-CR612とジャストマッチするサイズに作られており、文字通り「誂えたように」収まるのだ。
クラシックは音場の中に若干茫洋と突っ立っているような印象もあった奏者の音像が、ギュッと引き締まる。
ノイズフロアが劇的に低下し、微小域の信号がごく自然に耳へ届くようになるせいで、音楽の豊潤さ、美しさが劇的に向上する。絶対的な変化は僅かなものといえるかもしれないが、その差が音楽の表現力を決定的に左右するのだ。
ポップスはベースのサウンドにしっかりと身が詰まり、歌い手の存在感がグッとリスナーへ近づいたような印象がある。耳元へ囁きかけるようなウィスパーボイスが、たまらなく魅力的だ。
コンポーネントから余分な振動を排し、環境を整えてやることで、音楽がどれほど耳へ入ってきやすくなるか、このボードは実感させてくれる。
スピーカーケーブル「Leyline 2X」 -音場の広がりや情報量が増大
続いては、スピーカーケーブルも交換してみよう。レファレンスは一流メーカーの細い製品で、決しておかしな音がするケーブルではない。これをこちらもコード・カンパニーの「Leyline 2X」に交換し、音を聴く。
Leylineは錫メッキ無酸素銅の導体をXLPEと呼ばれる新素材の絶縁体で覆った構成で、スピーカーケーブルに決定的な影響を与える両端端子にとてつもなくコストがかかった、しかしそれからすると驚くほど求めやすいケーブルである。
クラシックは音場の広がりが劇的に増大し、全体の情報量も激増、今回の試聴はニアフィールド・セッティングでもあるものだから、我が日頃の試聴と比べれば蚊の鳴くような音量しか出していないのだが、それでもKUPIDがまったく不足のない豊潤な音楽を奏でてくれることには、驚愕のほかない。
ポップスはスピード感が大幅向上、伴奏楽器の実体感も大いに高まり、歌い手が込めた抑揚、情熱を見事に再現する。これを聴いてしまえば、元へ戻ることはもはや不可能であろう。
ネットワークアクセサリー「EE1」 -ノイズが下がりディテールが豊かに
最後の実験として、LANケーブルにノイズ対策アイテムのEnglish Electric「EE1」を挿入する。EE1はLANの音楽信号と並行して流れる高周波ノイズ成分を検出し、それを内部の回路で熱に変換して除去する装置である。
2本のケーブルを用意してその中間へ挿入する格好になるが、ここではC-Streamを2本使って接続した。
クラシックは音像がキリッと端正に立ち上がり、コンサートホールへ残響が飛び散り、消えてゆくさまがありありと再現されるようになった。この音量でここまで高品位で情報量豊かな再現が聴けるとは、ちょっと想像の外であった。
ノイズフロアを下げると、音楽はどれほどディテールが豊かに表現されるようになるのか。驚きを禁じ得ない。
ポップスはいつも聴いている音量時のバランスと、ほぼ同じような鳴りっぷりとなった。
そう簡単に書いてしまったが、これはとても難しい音楽再生の課題といえるものだ。音量ほどほどで音楽を楽しまれている人にとって、EE1は救世主となり得るのではないか。そんな感慨を抱いた。
ルーターへの対策がCD再生にも効く?
コードカンパニーには、とてつもないノイズ吸収効果を持つ「グラウンドアレイ」という装置がある。
今回、実はあらかじめルーターの空きLAN端子へそれを挿入して音を聴いていたのだが、実験終了後に編集子が「M-CR612でCDを聴いている時にも、ルーターの空きLAN端子にグラウンドアレイを挿していたら、音は良くなっていませんかね?」という実験テーマを提示してくれた。
普通に考えれば、CDを聴いている際にはネットワーク系は働いていないから、いくら性能の高いグッズでも効果があるとは思えない。しかしその一方、本体にネットワークはつながっているのだし、やはりグラウンドアレイなしだとそこからM-CR612本体へ高周波ノイズが流れ込み、音を濁らせているのではないか、という仮説も立つ。これはもう実験してみるしかあるまい。
幸い、今回はQobuzで聴いた音源と同じものをCDでも用意していたので、それで音を出してみる。
最初にグラウンドアレイを装着せずに音を聴き、装着して音を聴き比べると、明らかに音のきめが細かくなり、ノイズフロアも大きく下がることが確認できた。編集子の疑問は、まさにビンゴ!だったことになる。
ついでにもう1件だけ実験を。グラウンドアレイを挿した状態のネットワークをM-CR612につないだ音と、LANケーブルを抜いてしまった時の音を聴き比べると、面白いことに大差なかった。
今回は、実に有意義な実験ができた。アクセサリーの選択と使いこなしで、再生音は本当に大きく変わってしまう。オーディオの世界は、かくも恐ろしく面白い。これからも、折を見ていろいろな実験をお届けしていきたい。
(提供:アンダンテラルゴ)
