伝統のデノンサウンドを手軽に楽しめる入門アナログプレーヤー「DP-300F」。その実力をチェック!
創業1910年という長い歴史を持つ老舗オーディオブランドのデノン。今でこそ、AVアンプや完全ワイヤレスイヤホンなどでお馴染みのブランドですが、同社を語る上で欠かせないのがアナログプレーヤーです。1971年に民生用のアナログプレーヤーの初号機を手がけた同社は、レコードの衰退といった市場変化に関係なくアナログプレーヤーを継続して販売し続けており、現行機種「DP-29F」は20年以上も続くロングセラーとなっています。
デノンは現在、手軽なフルオートプレーヤーからハイエンドプレーヤーまで、全部で6機種ラインナップしていますが、今回はそんなデノンのアナログプレーヤーの中から、フルオートの上位機種「DP-300F」をご紹介します。本機は、たとえ入門機でも、確固とした音作りのポリシーが貫かれており、はじめてのアナログプレーヤーに最適。フルオートで簡単に操作できつつ、アナログ再生の醍醐味が味わえる本格仕様も魅力です。

どっしりと安定感のある音を奏でる国産プレーヤー
もともとその名を「電音機」に由来し、放送用録音機器やアナログプレーヤーで市場をリードしてきた歴史的国内メーカー、デノン。
それだけのことはあって、同社のアナログプレーヤー「DP-300F」は、中低域太めでどっしりと安定感たっぷりながら、輪郭をかっちりさせすぎないため、キラキラした彩りが眼前にふわりと広がるサウンドを奏でるところが昨今のデジタルサウンドと一線を画しており、敢えてレコードで聴きたくなる実力者です。
入門機ながら長く愛用できる充実の機能を搭載
33回転だけでなく45回転もボタンひとつで切り替えでき、フォノイコライザー内蔵なので一般的なアナログ入力に差し込むだけでOK。
しかも内蔵フォノイコライザーは内部スイッチひとつでOFFにできたり、内側への引力を打ち消すアンチスケーティング機能や針圧調整機能まであるので、別のフォノイコライザーを繋いだりカートリッジを交換したくなってもそのまま使えるため、長く愛用できます。
針圧調整が可能・アンチスケーティング調整機構も搭載
ストレート型のトーンアームを採用。水平バランスや針圧を調整するカウンターウェイト(錘)、レコードの回転によって針先が内側に引っ張られる力を打ち消すために必要なアンチスケーティング調整機構が備わっているので、アナログ再生の醍醐味を味わうことができます。
カートリッジ交換や外部フォノイコライザーの使用に対応
MM型カートリッジ(DSN-85)を標準装備。内蔵されているフォノイコライザーはMM型対応ですが、出力切替により、内蔵フォノイコライザー以外を使用することも可能。カートリッジ交換や単体フォノイコライザーの使用など、高い拡張性も備えています。
使いやすさとクオリティを兼ね備えたアナログ入門機の最適解
針圧調整やアンチスケーティング機能を備えた本格派とはいえ、普段の操作はレコードさえ置けば、スタートボタンを押すだけで手軽に聴けるフルオートで、接続は有線のみ。
「プレーヤー」とともにかつては“3点セット”と言われた「アンプ」や「スピーカー」と有線接続する下写真のスタイルは、コンポーネントとしての選択肢も広がりますし、将来的なアップグレードも見据えるなら、むしろコストパフォーマンスは高いのです。
DP-300Fの若干シャンパンがかったシルバー色と組むなら、角を丸めた小型の一体型CDレシーバーアンプ、マランツ「M-CR612」のシルバーゴールド、北欧DALIのコンパクトでポップなカラーが魅力のスピーカー「KUPID」がピッタリだと踏みました。
INTERIOR LIST ●サイドボード:JULIE side board 291,500円(税込)●アート:ASAGIRI 2047011(Mio Ohashi)247,500円(税込)インテリアはすべてリグナテラス東京 Photo by 広井一成
もっとも、この組み合わせ、見かけ倒しではなくて音もいいんです。
KUPIDはしっかりとしたリズム感でポップスもゴキゲン。M-CR612の持てるパワーを存分に生かしています。
ヨルシカの軽快なリズムに乗せた多分に文学的なつぶやきをさらりと繊細に爪弾いてみせるかと思えば、藤井風ではちょっとメロウなコード進行をエモーショナルに描き、通りがかったお母さんをはっと振り返らせて胸キュンさせる。そんな才色兼備のシステムは、アナログ再生の入口として最適解です。
プレーヤーと独立したアンプ&スピーカーと有線で繋ごう
近年は、アンプ内蔵スピーカー(アクティブスピーカー)をアナログプレーヤーとを無線で接続するスタイルが人気ですが、独立したアンプとスピーカーとを有線で接続するスタイルもあります。
アンプ、スピーカーそれぞれが本来の役割に徹することができるので、音質面でもメリットがある上、趣味性も高まります。また、アンプがCDプレーヤーやストリーミングサービス機能に対応している場合、多彩なメディアを楽しめる良さもあります。
DP-300Fと組み合わせるアンプ&スピーカー おすすめプラン
ネットワークCDレシーバーアンプ:MARANTZ「M-CR612」
高性能な4chアンプを採用。CD、FM/AMラジオといった基本機能に加え、ストリーミングサービス対応、Wi-Fi&Bluetoothなどのワイヤレス機能、ハイレゾ音源もネットワーク&USBメモリーで再生できるなど、コンパクトなボティに豊富な機能を凝縮したオールインワンモデルです。価格は103,400円(税込)。
スピーカーシステム:DALI「KUPID」
デンマークで設立されたスピーカーブランド「DALI (ダリ)」のブックシェルフ型スピーカー。コンパクトなサイズながら、フラグシップモデル「KORE」の技術を継承。イン
テリアに映える5色のカラーも魅力です。価格は57,200円(税込・ペア)。
DENON「DP-300F」製品仕様
SPEC ●駆動方式:ベルトドライブ ●回転数:33 1/3、45回転 ●カートリッジ:MM型 ●外形寸法:434W×122H×381Dmm(フット含む) ●質量:5.5kg ●カラー:プレミアムシルバー/ブラック
(提供:ディーアンドエムホールディングス)
※本記事は『はじめてのアナログプレーヤー vol.2』からの転載です。
