Anker「Soundcore Liberty 5」を3人の専門家がクロスレビュー!定番機の秘訣を「音質」「ANC」「装着性」から深掘り
自然かつ強力な「ウルトラノイズキャンセリング 3.5」には専門家も満足
筆者:VGP審査副委員長/ライフスタイル分科会座長 鴻池賢三
完全ワイヤレスイヤホン製品において、ANC機能は今や標準と言って良いだろう。つまり製品選びにおいて重視されるポイントの一つであり、各ブランドが性能向上に力を注いでいる。
Ankerでも独自の「ウルトラノイズキャンセリング」を開発しており、Soundcore Liberty 5には最新バージョンの “3.5” が搭載されている。この効き目を、今回屋内外の様々な「ノイズ」で試してみた。
まず多くのユーザーが最も利用したいであろう鉄道。路線や車両によって騒音の大きさや成分が異なるが、地下鉄はトンネル内で騒音がこもってうるさく感じ易く、ANCの出番と言える。
実際に地下鉄内で使ってみると、装着時点でいくらかの耳栓効果が得られ、車輪とレールの摩擦で起こる様な比較的甲高い騒音が軽減されてマイルドに。さらにANCをオンにすると、いろいろな低域成分が混ざった “ゴーッ” という騒音が明らかに低下。
本製品は手動でANCレベルを最も強力な「5」から最も弱い「1」の5段階で選べるが、強力にするほど “ゴーッ” という騒音が低減して耳と気分が楽になる。ANCを強力にしても閉塞感のような不自然さを覚えないもの優秀だし、騒音低減のお蔭で車内アナウンスも聴き易くなるので、路線や好みに応じて設定すると良いだろう。
因みに筆者は新幹線を頻繁に利用するが、車内の騒音の大半は空調の風切り音で、走行音は非常に静かだったりする。本機のANCの優秀さは、新幹線よりも騒音条件が厳しい地下鉄内で実感し易いだろう。
自宅内でもいろいろ試した。分かり易いのはキーボードの打音。ANC機能は主に低域から中域に効果を発揮するが、本機のANCを利用すると、キーボードの “ガチャガチャ” という音は “ペチペチ” と軽くなるように変化する。
キーボードの剛性が低く軋み音が出ていたり、デスクに響いているようであれば、そうした音がガッツリと低減され、より大きな効果を実感できるはずだ。静かな環境ではANCレベルを高くすると少し閉塞感を覚えるので、状況に応じて弱める方向に調整すると快適だろう。
ほか、ウルトラノイズキャンセリング 3.5が非常にありがたく感じたのはサイクロン掃除機の使用時。鼓膜が痛くなるほど盛大な駆動音の製品を使っているが、本機のANC機能を利用するとストレスを感じない程度までノイズを低減してくれ、一度使えば元に戻れなくなるほど。
筆者の自宅では、生活騒音のある状態で集中力を保たなくてはならないという状況がある。家族が掃除機、洗濯機、ヘアドライヤーなどを利用している時にもイライラせずに済むというものだ。
Soundcore Liberty 5は、音に関わる仕事をし、騒音に敏感な筆者も満足かつナチュラルなANC効果を発揮した。
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