低音も出るイヤーカフ型TWSがあるわけ…ありました! SOUNDPEATS「Clip1」を徹底レビュー
低音のしっかり感が一味違う!
ではその実力をお伝えしていこう。
DynamicEQ ProとLDACは同時には有効にできないのだが、基本の選択としておすすめしたいのはDynamicEQ Pro。充実の低音補完を得られる上に、LDAC接続と違いiPhoneとの組み合わせでも機能し、電波状況の影響も受けず、電池持ち的にも優位だったりする。
星街すいせいさん『もうどうなってもいいや』を聴くと、特徴的なシンセベースの存在感が際立つ。このシンセベースは音色やエフェクト処理が独特で、再生環境によっては輪郭がぼやけてしまいがちだ。
しかしこのイヤホンはそれを明瞭かつ肉厚に描き出し、ぐいぐいプッシュ。それによって曲全体の推進力も強まる。中盤で効果音的に響く超低域はさすがに薄れるが、主となるベースラインの低音のしっかり感は、なるほどこれまでのイヤーカフ型とは一味違うようだ。
シンセによるリフの音色も同じく厚みがあり、加えてその音色のジリジリとした歪み感、エッジの出し方もよい。音色自体が歪み成分を含む場合こそ、その歪みの絶妙さの再現にはイヤホン側で余計な歪みが上乗せされないことが大切。このイヤホンはそこができているわけだ。
そして同じく歪みのなさのおかげか、ボーカルが暴れすぎないのもポイント。サ行タ行の子音を強めたアグレッシブな歌い回しの箇所でも、その子音が雑な荒さで耳に刺さることはなく、歌の聴きやすさは損なわれない。
総じて、低音も高音も押し出して迫力を出しつつしかし音を暴れさせすぎはしないというのが、このモデル、DynamicEQ Proの音作りの巧みさと言える。
なおDynamicEQ Proではない通常のイコライザーも用意されており、そちらはLDACとの同時使用もできる。LDAC接続時にも低音を強化したい! などの場合に活用できるわけだ。
プリセットは同社定番サウンドの「SOUDNPEATSクラシックデフォルトイコライザー」がまずはおすすめ。低音も高音もアグレッシブに押し出しつつ、癖は強すぎないので汎用性も高い。
またこちらはLDAC接続時に限らずだが、穏やかめの音調を好む方は「クラシック」プリセットを試してみてほしい。低音は補強しつつ高音は主張させない、ナチュラル傾向のプリセットだ。音楽リスニングにはもちろん、長時間のYouTubeライブ配信視聴時の聴き疲れを減らすといった狙いで選ぶのもよいだろう。
音質と開放感を両立する“都合の良すぎる”イヤホンだ!
仕事柄様々なイヤーカフ型イヤホンを聴いてきたが、実は正直なところ、音質的に十分に納得できる製品はこの製品以前にもあるにはあった。
であるがその納得は、イヤーカフ型の着け心地とも似た軽やかな音調、あるいは周囲の環境音との溶け合い具合の心地よさといった理由からの納得。「イヤーカフ型ならではのサウンドとしての納得感」だったわけだ。
対してこのClip1のサウンドには、イヤーカフ型云々は関係なし、普通のイヤホンのサウンドを評価する感覚のままで普通に納得。そしてその納得のサウンドは、耳を塞がれない開放感や軽やかな着け心地などの、イヤーカフ型の強みを何も損なうことなく実現されている。
改めてやはり、都合の良すぎるイヤーカフだ。「イヤーカフには興味津々なんだけど音がやっぱりしっくりこないんだよな」なんて思っていた方も、このサウンドを体感したら話は違ってくるのではないだろうか。

クーポンコード:PHILEWEBCP1
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利用可能期間:10月4日(土)0:01 - 10月31日(金)23:59
(提供:SOUNDPEATS)
