4K Mini LED液晶テレビとして総合力に秀でた高画質、TCL「C8Kシリーズ」65型/98型をレビュー
「BANG & OLUFSEN」ならではのリッチなトーンと明瞭なサウンド
体幹の強さを確認したところで4K UHD BD『トップガン マーヴェリック』を視聴。薄暗い管制室内は丁寧な暗部諧調の再現で見通し良く描きつつ、緑色に自発光する計器類の発光感が実にリアル。金属やガラスの艶やかな表現もHDRの旨味が感じられ、液晶画質がまた一歩進化したと実感させられる。
また、超コントラスト性能と広色域性能を獲得しつつも、色を的確にコントロールしてナチュラルに終始するのも好ましい。ヒトの表情は違和感を覚えやすいものだが、本機では発色が濃密でありつつもくどく感じない。
これはパネルのネイティブコントラストの高さによって色が薄まらないことに加え、ローカルディミングの巧みさが推し測れる。明暗は従来の16ビットを遥かに超える23ビット、つまり800万段階以上 でコントロールされるとのことで、アップグレードされた「DLBアルゴリズム」などと併せ、均衡の整った映像美を魅せつける。
サウンド面では、「BANG & OLUFSEN」ならではと思えるリッチなトーンに加え、音が明瞭に前面に押しだされる様が新しい。セリフは画面中央に定位してボディーも感じられ、画面にアクチュエーターが内蔵されているのかと疑った程だ。映画の空気感を醸し出すクリアな重低音も魅力で、画力と併せて作品の世界観に惹き込まれる。
98C8Kは、超狭縁「Virtually ZeroBorder」設計と相まり、空間に巨大な映像が浮遊する様が未来を予感させる。高輝度の超高コントラスト映像は解像度も高く感じられ、視野角の広さによる安定感によって大味にならない。65C8Kと同様の品位感で映像を楽しめるのは驚きで、「100インチテレビ」も質を問える時代に突入したと実感させられた。
4K液晶テレビのステージを一段上に押し上げた総合力の高さ
コストパフォーマンスの高さで注目を集めてきたTCLだが、C8Kシリーズで示した画質力はまさにプレミアムと呼ぶに相応しいもの。パネルのネイティブ性能、強力かつ繊細さを併せ持つMini LEDバックライト、新エンジンによる的確なコントロールなど、総合力の高さを感じさせてくれた。
グループ内にパネルメーカーを持つ垂直統合型のモノづくりにより、液晶テレビのステージをさらに一段上へと押し上げた格好だ。また、「BANG & OLUFSEN」のスピーカーシステムを導入できるのも、世界有数のシェアを誇る巨大企業が成せる業と言えよう。
コストパフォーマンスを意識しつつも最良の画音体験、コンテンツ体験をしたいなら、「C8K」シリーズで決まりだ。
[SPEC]
TCL “C8Kシリーズ”
●デジタルチューナー数:地上デジタル×2、BS/110度CSデジタル×2、BS4K/110度CS4K×2●対応HDR規格:HDR10+、Dolby Vision、HDR10、HLG ●スピーカー:BANG & OLUFSEN フルレンジ、サブウーファー、トップトゥイーター ●主な入出力端子:HDMI×4(eARC対応×1)、光デジタル音声出力×1、USB Type-A×2、LAN×1基 他 ●ワイヤレス:Bluetooth ver 5.2、Wi-Fi6(2.4GHz、5GHz) ●主な動画配信サービス:YouTube、Amazon Prime Video、Disney+、Netflix、U-NEXT 他
65型「65C8K」
●消費電力:380W(待機時0.5W) ●外形寸法:1434W×824H×368Dmm(スタンド含む) ●質量:約23.1kg(スタンド含む)
75型「75C8K」
●消費電力:400W(待機時0.5W) ●外形寸法:1658W×949H×368Dmm(スタンド含む) ●質量:約30.4kg(スタンド含む)
85型「85C8K」
●消費電力:510W(待機時0.5W) ●外形寸法:1880W×1073H×379Dmm(スタンド含む) ●質量:約41.6kg(スタンド含む)
98型「98C8K」
●消費電力:520W(待機時0.5W) ●外形寸法:2166W×1236H×420Dmm(スタンド含む) ●質量:約56.0kg(スタンド含む)
(提供:株式会社TCL JAPAN ELECTRONICS)
