PRReserve/Signature Elite/Monitor XT、どれが好み?
なぜ? 実は「大きいほど人気」なPolk Audioのスピーカー、全3シリーズの“大型モデル”比較試聴でわかった魅力
インテリアにも合うミドルモデル「Signature Eliteシリーズ」
次に聴いたのは、ミドルクラスに属するSignature Eliteシリーズだ。フロント面に独立して搭載されたバッフルが、コストの投入効果を視覚的に感じさせるし、ブラウンカラーの振動板やキャビネットも高級感を演出する。3色が用意され、インテリアや好みに合わせて選べる点も魅力的だ。
このシリーズには、歪みや乱流を大幅に抑えた独自のバスレフポート「パワーポート」が搭載されており、低域の表現力を向上させている。また、テリレン・ドーム・ツイーターやマイカ強化ポリプロピレン製のウーファーも採用されている。
ブックシェルフ「ES20」を試聴
まずはブックシェルフの「ES20」から聴いたが、色艶の良い高音域と全帯域の密度感ある音、そして何よりも低音域の迫力が特徴的だった。Monitor XTシリーズよりも低音の立体感とキレが大きく向上しているが、これはパワーポート搭載による恩恵だろう。
ジャズと相性が良く、エリック・アレキサンダーのベースは存在感が際立ち、グルーブ感が高い。サックスの音色には色気があり、お酒が美味しくなるような音だ。また、アデルの楽曲ではイントロのピアノの質感にウェットさがあり、ビロードのような滑らかな感触が加わる。ボーカルもより肉声的な表現となっている。
LE SSERAFIMでは低音域のレンジが大きく下がり、ブックシェルフのイメージを超える重低音が出てくる。この楽曲には逆位相成分のシンセサイザーの音がふんだんに含まれており、スピーカーの外側に広がる表現が見事だ。
ムターでは、ヴァイオリンの情報量が一気に増え、滑らかさと音の色艶の向上によって音楽性がさらに高まった。また、低音域の強さにより、小音量でも長時間聴きたくなるようなバランスを保持する。
フロア型「ES60」を試聴
続いてフロア型の「ES60」。ターミナルはバイワイヤリングに対応しており、ここにもミドルクラスとしてコストを投入した恩恵が感じられる。
先に聴いたES20でも感じたが、Signatureシリーズ共通の良さは、ボーカル定位の正確さが価格以上なこと。さらに音の強弱への反応が良く、演奏を構成する各楽器の強弱がよりリアルに再現されるのも印象的だ。



