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PRコラボイヤホン「NOVUS」専用EQもチェック

銅製ボディには “確かな音質の違い” がある!「A&ultima SP3000T Copper」を通常モデル/前世代モデルと聴き比べてみた

公開日 2024/11/29 06:30 野村ケンジ
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ハイレゾ対応ポータブルDAP(デジタルオーディオプレーヤー)というジャンルを代表するブランドであり、その牽引役ともなっているAstell&Kern(アステル&ケルン)は、DAPのボディ素材が音質におよぼす影響にも早くから注目し、さまざまな金属をボディに採用してきた。今年9月に発売した「A&ultima SP3000T Copper」(以下、SP3000T Copper)もその1台。名前から分かるとおり、「A&ultima SP3000T」(以下、SP3000T)のボディを銅に替えた、限定生産1000台のリミテッドエディションだ。

「A&ultima SP3000T Copper」(左)/「A&ultima SP3000T」(右)(ともに55万円/税込)

そもそもSP3000Tは、フラグシップモデル「A&ultima SP3000」(以下、SP3000)の兄弟機的位置付けのバリエーションモデル。SP3000の基本システムはそのままに、ヘッドホン出力回路にレイセオン製サブミニチュア真空管「JAN6418」をデュアルで搭載。同時にOPアンプ回路も採用されており、真空管、OPアンプ、ハイブリッドという3つの音色が楽しめる「トリプルアンプシステム」を備えた製品となっている。

搭載する個数は異なるが、DACチップは兄弟機SP3000と同じAKM「AK4499EX」+「AK4191EQ」を採用。アナログ/デジタル分離設計を徹底している

レイセオン製サブミニチュア真空管「JAN6418」をヘッドホン回路に搭載。OPアンプ回路との使い分けや、組み合わせて使用ができる「トリプルアンプシステム」を備える

このトリプルアンプシステムは、真空管搭載モデルの前世代にあたる「A&ultima SP2000T」(以下、SP2000T)から受け継いだもの。こちらとSP3000Tを比較すると、真空管がコルグ製「Nutube」からレイセオン製「JAN6418」に変更されているほか、DACもESS製からAKM製のフラグシップモデルに変更。ボディデザインもボタンなど細部が異なっている。

真空管搭載DAPの前世代モデルにあたる「A&ultima SP2000T」(2021年発売)

本機も「トリプルアンプシステム」を搭載し、アンプモードに応じて背面のLEDがともる

そして、SP3000T通常モデルとSP3000T Copperとの違いは、シンプルにボディ素材のみ。ステンレスボディに純銀メッキを施したSP3000Tに対し、SP3000T Copperには純度99.98%以上の純銅を採用、さらに酸化防止のために耐久性を高める特殊多層コーティングが施されているという。

SP3000T CopperとSP3000Tの違いはボディの素材のみで、当然ながらデザイン自体は共通だ

何を変えても、大なり小なり音に影響するというのはオーディオ製品の面白さ。特にハイレゾDAPのボディ素材は、電流に少なからず影響を及ぼすことがある(もちろんマイナス側に利用している場合だが)ため、SP3000TとSP3000T Copperとの間にどういった変化が生じているのか、大いに興味が惹かれるところ。

アンプモードに応じてともる背面のLEDや、アナログオーディオの雰囲気ただようVUメーター表示機能も、SP3000T/SP3000T Copper共通だ

そこで、今回はSP3000T CopperとSP3000Tのサウンドの違いを実際にチェック。さらに、先代SP2000Tとの比較や、「トリプルアンプシステム」の3つのアンプモードも聴き比べ、SP3000 Copperの魅力を探ってみた。イヤホンは、SP3000およびSP3000Tから最高のサウンドを引き出すために開発された、Astell&KernとEmpire Earsのコラボレーションモデル「NOVUS」を使った。

SP3000/SP3000Tのために開発された、Astell&KernとEmpire Earsのコラボイヤホン「NOVUS」(88万円/税込)で試聴

このレビューを書くにあたって、実は大いに悩んだところがある。筆者は普段から深い知識を持つ人からちょっと興味があるという程度の人まで、幅広いユーザーに製品の魅力が伝わるよう腐心して原稿を書かせてもらっているが、今回のSP3000T Copperに関してはそうもいかなかった。というのも、SP3000T Copperの魅力は、ディテールの作り込みにこそ宿っているからだ。ゆえに、今回のレビューはかなり細かい部分にフォーカスした内容になってしまうと思うが、その点については予めご了承いただきたい。

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