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Kinera Imperial超ハイエンドへの挑戦、イヤホン「Loki」レビュー。正統派に個性を兼ね備えた魅力あるサウンド

公開日 2023/12/08 06:30 高橋 敦/PHILE WEB編集部
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新たに登場したLokiによって超ハイエンドの世界への挑戦をスタートしたKinera Imperial。ブランドがこの高みに至るまでに、創設者であるAaron Yu(アーロン・ユー)氏が辿った道のりを紹介するエピソードが本国から届いた。その言葉を翻訳して掲載したい。*アーロン・ユーとKineraに関する情報は2021年9月までのもの


Kineraブランドの創始者であるアーロン・ユーは、起業家であり、優れた音響エンジニアでもある。音響スピーカーの発明で複数の特許を取得しており、今日、彼が立ち上げたKineraブランドは世界中にファンを抱えている。

アーロン・ユー氏

しかしその道程は単調なものではなかった。Kinera設立前、アーロンは学校を卒業してすぐ、親戚のスピーカー工場で働き始めた。そこで数年間、不眠不休で長時間労働に耐え、音響分野の知識を深めることに努めた。そして2010年には小さなヘッドホン工房を開き、村一番の成功を収めることができたのだった。

だが、村の億万長者になったアーロンを不幸が襲う。何人かの “友人” に騙され、多大な借金を背負うことになり、周囲からも冷たい目を向けられてしまった。それでも腐ることなく、何年も徹底した節制を行いながら、スピーカーの知識の研究に没頭し続けるアーロン。その過程で偶然、5mmスピーカーユニットの開発を行うことになり、その結果を持ってアーロンは再起することになる。

5mmスピーカーで稼いだ資金を元手に立ち上げたのがYu Tai Acoustic Research Centerだ。ここでは海外向けヘッドホンのOEM生産を手掛け、特に利益率を最小限に抑えた低価格ヘッドホンを手掛けた。ただ、これもうまく行かなかった。多額の諸経費のために、会社は再び崩壊の危機に直面したのだ。

2019年には工場閉鎖に追い込まれ、またも多額の借金を抱えることになったアーロン。このときに出会ったのが、後にKineraにとって、そしてアーロンにとって欠かせないパートナーになるシンシアだった。

シンシア氏

アーロンは「アート」を重要視し、アートを通じてKineraの理念を提供し、ユーザーがその意思を体験できるものと考えた。その意志を共有し、「世界初のヘッドホン・ペインター」としての役割を担った人物こそがシンシアだ。そして100日近くに及ぶ探求と日夜続く研究の末、完成したのが「Freya」だった。

Freyaは発売後、大きな反響を呼び、販売本数は全世界で数万本に達した。そして同年、日本においてはオーディオ&ビジュアルアワード「VGP」の部門賞を受賞し、多くのユーザーから喜ばしい評価を受けることになった。

このFreyaから正式にスタートしたハンドペイントによるイヤホンのシリーズは、確かに成功ではあるが、まだアーロンにとっては道の途中でしかない。「私たちが売っているのは単なる製品ではなく、イデオロギーであり、精神なのです」と語るように、彼の理念に共感し、Kineraに惚れ込むユーザーがいる限り、挑戦は続いていく。

(提供:サウンドアース)

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