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PRプロの領域でも認められるクオリティ

AIRPULSE 本格モニタースピーカー『SM 200』徹底レビュー! オーディオファイルに寄り添うサウンドに迫る

公開日 2023/02/16 06:30 土方久明
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Hilary Hahn『ECLIPSE』は、ヴァイオリンの質感表現にとにかくクセがなく、フランクフルト放送交響楽団の演奏による壮大なスケール感も正確に表現する。また、Red Hot Chili Peppers『Return of the Dream Canteen』は、キックドラムの芯の強さと一気に沈み込む重量感の表現を両立し、パワフルに聴かせてくれる。

SM 200の音質を試聴室で検証。POPS/ROCK、クラシック、邦楽などの音源でクオリティをチェックした

■プロがリスナーに伝えたかった音を忠実に再現


取材では、SHELFフィルターのコントロールによる音の変化も確認。実際に高域を上げてみると音のディテールが上がり、下げると高域の刺さりがよりマイルドになる。次に低域を調整してみると、上げればもちろん低域の量感が増えるのだが、ブーミーになるのではなく自然とボトムが下がっていく。逆に下げると、低域の質感は変わらず、コンパクトになっていく印象だ。この質感は変わらず、スケールだけ変更できるのが大きいポイントだ。

ちなみにSM 200は、カットオフ周波数/スロープカーブ/出力レベルも調整可能なハイパス・フィルターの性能も優秀なため、サブウーファーを用いたシステムにおいても柔軟に活用できるのも魅力的だ。

アクティブスピーカーのメリットは、やはりアンプを内蔵することで、スピーカーの音色や音調を開発側でコントロールできることであり、ソースに忠実な表現が求められるスタジオモニターとしてのアドバンテージが大きい製品ジャンルだが、本機はプロがスタジオ現場で聴いている音を体感できるだけでなく、アーティストがよりリスナーに伝えたかった音楽的なサウンドの意図も汲んで、ソースに忠実な音を表現してくれる。

機能性を差し置いても、出音のクオリティにこだわった本モデルならではの魅力を、今回のレビューで垣間見た。デスクトップやオーディオルームに、シンプルなシステム、かつ本格派のスタジオサウンドを手に入れたいユーザーに、SM 200はうってつけのモデルだ。


[SPEC]
●形式:2ウェイ・バスレフ ●ユニット:ホーンロード・リボン・トゥイーター×1、135mm アルミニウム・ウーファー×1 ●アンプ:2ウェイ Class Dアンプ+DSPアンプ(バイアンプ) ●出力:15W(トゥイーター)、65W(ウーファー) ●周波数特性:45Hz〜40kHz ●クロスオーバー周波数:2.5kHz ●入力端子:XLR(バランス)×1、TRS(バランス)×1、RCA(アンバランス)×1 ●外形寸法:185W×319H×318Dmm ●質量:8.4kg

(提供:株式会社ユキム)

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