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初代モデルから何が変わった?

第2世代「AirPods Pro」レビュー。ノイキャンはソニー/ボーズ並、音質も使い勝手も向上

公開日 2022/09/23 10:00 山本 敦
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■ロスレス再生には“とりあえず”非対応



第2世代のAirPods Proのサウンドについて触れる前に、iOS 16との連係によりAirPods Proの使い勝手が「変わること」と「変わらないこと」を整理しておく。

変わった点は、AirPodsシリーズの設定メニューがBluetoothオーディオ機器のリストから独立し、「設定」アプリの第1階層の画面に移行したことだ。AirPodsをペアリングすると、アイコンと名前が画面に表示される。タップした先の画面ではイヤホンとケースのバッテリー残量を確認できる。

設定アプリの第1階層にAirPods Proのメニューが表示される

AirPods Proのメニュー画面

iPhoneのTrueDepthカメラでユーザーの耳画像を撮影し、「空間オーディオ」のリスニング感を向上させる「パーソナライズされた空間オーディオ」も、iOS 16からの新機能だ。詳細についてはiOS 16のパブリックベータテストの記事をご覧いただきたい。正式リリースされたiOS 16では、パーソナライゼーションの設定がとても速くできた。

iOS 16後も、iPhoneとAirPodsシリーズとの関係においてまだ「変わらない」のは、ロスレス再生が残念ながらできないことだ。アップルがこの課題を克服する際には、きっとBluetooth以外の無線技術を掛け合わせてくるだろうと筆者は予想している。アップル独自のチップセットやソフトウェアによる綿密な連係が求められるだろう。第2世代AirPods Proが最新のH2チップを搭載したことが、ロスレス再生対応へのアップデートに向けた布石なのだろうか。吉報を待とう。

■自然なバランスはそのままに、より鮮やかで力強くなったサウンド



iPhone 14 Pro MaxとApple Musicの楽曲をリファレンスにして、AirPods Proの新旧モデルを聴き比べてみた。

第2世代AirPods Proは、第1世代のAirPods Proから、ニュートラルでバランスの良いサウンドを受け継いでいる。さらに第2世代のAirPods Proのサウンドは力強く、艶やかだ。一段とパワフルになったANC機能や、構造を見直したハウジングの効果が、サウンドに好影響を与えている。

iPhone 14 Pro Maxにつないで試聴した

eillのアルバム『PALETTE』のタイトル曲「PALETTE」はボーカルを中心とするアップテンポなポップスの秀作だ。第2世代AirPods Proが、若々しく躍動感ある楽曲の魅力を余すところなく引き出す。ボーカルはとても伸びやかで、清涼感があふれだすようだ。繊細なニュアンスの変化も正確につかまえ、楽器の演奏ににじみがなく、クリアで立体的な音場が広がる。低音の立ち上がりがとてもスムーズで、余韻のほぐれも良い。初代のAirPods Proで不足していた音楽の情報量が存分に満たされ、たちまちホンモノのステージが現前したような没入体験に引き込まれてしまった。

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