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【特別企画】『Audio Accessory 185号』にサンプルが付属

接点に“塗るだけ”で音質が飛躍する!アンダンテラルゴの「SuperTMD」の魅力を4人の評論家が実践

公開日 2022/06/25 06:45 林 正儀/井上千岳/炭山アキラ/野村ケンジ
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■光が全面的に当たっている印象で、細部までよく見える(井上)

SuperTMDの効果を自宅でじっくり試してみた。まずはプリ/パワー間のインターコネクトケーブル。こういう場合の定跡と言っていい。拭いてみたら布がやや黒ずんだ。結構放っておいた端子だから、表面の酸化が進んでいたのかもしれない。


RCAケーブル1本でも大きな効果を発揮した
たったのRCAケーブル1本。それでもはっきり違いがわかる。音数が多い。エネルギーが豊富だ。というより明るいのである。光が全面的にたっぷりと当たっている。そういうイメージで、だから細部までよく見えるし起伏がはっきりしている。コントラストが強いのではなく、見え方がくっきりしているのである。

そこで気がつくのは、音調そのものには全く変化がないことだ。これは非常に重要な点で、改善のしかたがニュートラルなことを示している。この安心感は軽くない。

■大元の電源ケーブルや“ノイズ・ポンプ”にも効果絶大

本来なら全部のケーブルに処理を施してみるべきだが、これは実験なので次に移りたい。電源ケーブルである。壁コンセントから電源ボックスへ引いてある大元の電源ケーブル。その3P端子に塗ってみる。


特にシステムの大元の電源ケーブルで大きな効果が確認できた
結論だけ言うと、これはよく効いた。システム全部につながっているわけだし、しかも電源電流が流れる部分なので効くのは当然かもしれない。今度ははっきりとエネルギーの増加が感じられる。立ち上がりの瞬発力が高いし、ダイナミズムの幅が広がっている。スピードも速くなったように思う。根本的な部分は、やはり効果も大きい。

少し趣向を変えて、ノイズフィルターはどうだろうかと考えた。拙宅のシステムにはグラウンドアレイとパワーアレイという、2種類のノイズフィルターが装着してある。コード・カンパニーの通称“ノイズ・ポンプ”である。この端子に塗るのである。

予想よりもこれは意外に効く。ノイズフロアが下がる感覚があって、音の輪郭が明瞭になる。音の周囲がきれいになるという印象でもある。ノイズとなる高周波の通りがよくなるのかもしれない。こういうところに使えることがわかったのも、興味深い経験である。


■長く愛用してきたTMDに進化バージョンが登場(炭山)

わが家はなまじマルチアンプなどやっているものだから、普通のマニア宅の数倍は電気接点がある。生来のものぐさですべての端末をいつもきれいにできてはいないが、それでも重要接点には必ずアンダンテラルゴのTMDでトリートメントを行ってきた。理由は簡単、圧倒的に音が良くなるからである。

アマチュア時分の無水アルコールから始まって、これまで一体何種類になるか分からないほどの接点トリートメント剤をテストしてきた。ずいぶん気に入って長く使ったものもある。しかし、数年前にTMDと巡り合った時点で、わが家のレファレンス接点トリートメントはこれに定まった。

液剤の中には音を良くするものの、いささかばかり音質傾向が変わる製品、また音質的には透明で向上効果も結構高いものの、数週間もすれば効果が何となく薄れたように感ずるものなどが散見されたが、TMDはもちろん音質を変えず、向上効果は劇的に高く、さらにうれしいのは効果が長持ちすることだ。

■音質傾向はそのままに、サウンド全体が2グレードは高くなる

もうずいぶん長い付き合いとなったTMDだが、ある日アンダンテラルゴの鈴木代表から連絡をもらった。何とTMDの上級品が登場するというではないか。おっとり刀で駆けつけ、従来品と新作の効果の違いをテストさせてもらったら、もう脱帽である。

まず、一番の違いは2液だったTMDに対し、SuperTMDは1液になったこと。もっとも、特に汚れた端子用のポリッシュ液も別売はされている。扱い方はほぼ同じで、薬液を綿棒などで接点へ薄く塗りつけて10分置き、拭き取るというものだ。テスト会場で従来品とSuperTMDの音の違いを聴かせてもらった際にも驚いたが、帰宅してサンプルを自宅レファレンスの端子へ用いた際の驚きも凄かった。

TMD処理がそろそろ薄れてきたプリ→チャンデバ間のRCAに使ったのだが、そこ1点だけでその後ろの膨大な接点が未処理だというのに、4ウェイマルチのサウンド全体が2グレードは高まってしまった。もちろん音質傾向が違ってしまうようなこともない。

すべての接点をSuperTMDで処理したら、一体どんな世界が待ち受けているのだろうと、楽しみなような先恐ろしいような感慨に耽ることとなった。


■SuperTMDで、手持ちのオーディオ製品の素晴らしさに惚れ直す(野村)

オーディオ製品は様々なケーブルを使用する必要があり、ケーブルごとに接点が存在している。数多あるケーブルのなかから自分好みのサウンドを持つ製品を探し出したり、接点の状態を気にかけてケアするなど、それ自体はオーディオ趣味の醍醐味のひとつといえるが、同時に、ついつい“面倒くさい”と思ってしまう億劫な自分がいることも事実。効果のほどを重視したい人はもちろんのこと、そういった面倒くさがりなタイプにもオススメできると感じたのがアンダンテラルゴのSuperTMDだ。

もともとSuperTMDには、そのベースとなるTMDという製品が存在している。こちら、独自採用&配合の成分が接点表面の微細な凹凸に浸透、接点を広げることで音質的な向上を狙ったもので、発売以来、多くのユーザーから好評を博した製品となっていた。SuperTMDはその上位モデルで、成分の配合を一新することで導電特性や持続性を大きく向上させているという。

実際にいくつかのケーブルで試してみたところ、その効果のほどははっきりと確認できた。RCAとXLRインターコネクトケーブル、パワーアンプに接続している電源ケーブルで試してみたところ、インターコネクトケーブル系ではノイズレベルが低減。よりピュアな印象のサウンドに変化した。一方、電源ケーブルではノイズレベルの低減もさることながら、ダイレクト感の高い、キレの良いサウンドへと変化。SuperTMDのよさを実感するとともに、手持ちのオーディオ製品の素晴らしさに惚れ直した次第。大いに活用したくなる効果のほどだ。

また、標準モデルのTMDに対しては、効果のほどに加えて安定したサウンドであることも魅力のひとつ。比較してみたところ、音が落ち着くまで長いと4〜5日の時間が欲しくなるTMDに対して、SuperTMDは早いと1日で最良の状態に安定してくれる。1週間ほど試したが、音の変化は皆無。メーカーも「効果の低下が少ないため半年から1年ほどは良好な状態が続く」とのこと。まさに、“手軽に最善の状態にしたい”面倒くさがり筆者にはピッタリの製品といえる。

なお、TMDに付属していたポリッシュ剤は別売となっている。接点の汚れがひどい場合などは、こちらも併用することも検討して欲しいところ。いずれにしろ、効果のほども持続性も十分に満足できる製品だと断言しよう。

(提供:アンダンテラルゴ)

本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です

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