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【特別企画】グランドマグネシアのボードを活用した「TMB-DR20E」

仮想アース×オーディオボードの相乗効果に期待大。マグネシウム純度をさらに高めたティグロンの最新ボードを検証!

公開日 2022/05/13 06:30 林 正儀
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ティグロンの仮想アース付きオーディオボードが劇的なグレードアップを果たした。旧モデル「TMB-10E」の基本構造はそのままに、内部のマグネシウム板材の純度をさらにアップ。付属のマグネシウムシールドアースケーブルも進化し、オーディオボードと仮想アースの相乗効果が期待できる。その進化の度合いを林 正儀氏が体験する。

TIGLONの仮想アースつきオーディオボード「TMB-DR20E」(価格:39,600円/税込)

■マグネシウムの純度を上げ振動吸収性能をさらに高める

各社から様々なタイプの仮想アース装置が登場している中、ティグロンは仮想アース付きボードで独自性をみせる。人気の「TMB-10E」があり、また兄弟モデルの「TMB-300」はアースケーブルを省いたファントムアーシングボードという独創的なコンセプトだ。

ここで紹介する「TMB-DR20E」は、従来モデルTMB-10Eの後継。チューニングボードと仮想アースのふたつの効果を一台で楽しめるアイテムだ。その中身は見た目以上に劇的な進化を遂げている。耐水積層バーチとマグネシウム、MDFの3層構造というTMB-10Eの基本構造はそのままに、マグネシウム板材の純度をさらにアップして振動吸収性能を高めたというのだ。

アースケーブルのボード側は丸型端子。ネジで確実に接続することができる

このマテリアルは新型インシュレーター「MZシリーズ」と同じで、わざわざ原産地を変え、当時99.95%であった純度を99.97%へと高めた超ピュアなものだ。わずか0.02%というなかれ。この世界では天と地ほどの開きがある。というと大袈裟だが、サウンドの違いは聴いてみてのお楽しみだ。

もうひとつが塗装へのこだわりである。TMB-10Eから倍以上の塗装工程をかけて、これまでの3回塗りから入念な6回塗装とし、物理的な衝撃性能と音質面での解像度がアップしたそうだ。美しい仕上げでキズにも強い。

このボード用に開発された新型アースケーブル「D-RENアース」も進化度が大きい。外観は黒から深いブルーに変わった程度だが、アース線がマグネシウムアース線からディップフォーミングになり、シース材もTPL-2000R/Xで評価されたフッソ系の絶縁材を使ったスーパークリア・アイソレーターを採用。さらにマグネシウムシールドが入って、得意のHSEトリートメント処理を施すなど、ティグロンの最強メンバーが総結集した感じである。ひと足先に海外で展開し大人気とのことだ。端子も金からクロムメッキとなった。

付属のアースケーブルは単売も行っている「D-REN Earth」13,200円(40cm/税込)

■ボード単体で試聴 - 高S/Nかつ高解像力、生き生きと有機的な音質

試聴は2段階としよう。まずボード単体での基礎体力を確認。ヌケのいい静かな鳴り方をする。マグネシウム自体の強力な振動制御能力とバーチの持つ響きの美感とのバランスが一段と冴え、圧倒的に高い次元へ昇華した。同社のオーディオラック「グランドマグネシア」にも共通する生き生きとした有機的な鳴り方で、高S/Nかつ高解像力。そしてよい意味でハイファイだが、力ずくなところがない。

設置したコンポ(ここでは拙宅のSACDプレーヤー)に寄り添って、喜々として音楽が進行する感じである。そしてジャンルに好き嫌いがない。いろいろなCDをかけたが苦手もほとんどない。適応力が高い。というかオーディオ的な反応が実に瞬敏、かつフレキシブルなのだ。言い換えるとコンポを支える体幹や、さまざまな表現をする身体能力にも長ける。それが正直な私の感想だ。

■アースケーブル付きで試聴 - 潜在能力を引き出し鮮度や熱量まで大幅増大

ここで付属の「D-RENアース」をつないでみよう。これは効いた。ボードの潜在能力をおもしろいように引き出す効果だ。どんな気配も逃さず、音の景観がすっくと立ち上がる。恐ろしいほどの静寂感だが、そんな静けさの要素としては、背景ノイズや雑味の徹底的な排除がある。「D-RENアース」はその作用が強大で、音の透明度や浸透力を一気に深めるから正直驚く。生々し過ぎるステージが眼前に現れ、奥行きはさらに深まり立体的に……。

一方、大音量方向にも強くなった。一切フラつかず土台がしっかり安定する。裾野が拡がりオーディオ的なダイナミックスや音の鮮度、熱量感まで大幅に向上。音源そのままに忠実に再現してくれたし、ますますレパートリーが多様になる感想を持ったのである。この効果の高さは、使うしかない。

(提供:ティグロン)

本記事は『季刊・Audio Accessory vol.184』からの転載です

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