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サウンドと使い勝手の両面で満足

人気「ノイキャン完全ワイヤレス」、長く使える実力派6モデルをセレクト!

2021/09/16 山本敦
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アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンが今年も絶好調だ。この夏までに、2021年を代表することになりそうな銘機の数々も生まれた。

最近は1万円を切る安価なノイキャン搭載完全ワイヤレスイヤホンも出てきているが、今回はいずれも高次にバランスの整った実力派の6機種を集めて紹介したいと思う。

ソニー「WF-1000XM4」

Bluetoothオーディオで最大96kHz/24bitまでのハイレゾ再生を実現するソニー独自のコーデック「LDAC」に初めて対応した完全ワイヤレスイヤホンだ。

「WF-1000XM4」

AIの技術により、ロスレス以下の音楽配信もハイレゾ品質に近づけるDSEE Extremeが、毎日の高音質再生を楽しくする。枕に横になりながら音楽を聴いても耳が痛くならない、快適なフィット感とコンパクトサイズも筆者が注目するポイントだ。

LDAC対応を活かしたきめ細かく伸びやな中高音域だけでなく、パワフルで躍動感あふれる低音再生も魅力といえる。立体的な音場の臨場感、生々しい音楽の一体感は圧倒的。濃厚で鮮度の高いLDACサウンドは、後に続くLDAC対応TWSが簡単に真似できないだろう。

ノイキャン効果は音楽再生の品位を保ちつつ、低域から高域まで幅広い音域にしっかりとかかる。外音取り込みはクリアで抜け感も良いが、独自イヤーピースの高遮音性能が若干勝る印象だ。




アップル「AirPods Pro」

“ノイキャンイヤホン” の認知を一般に拡げた立役者だ。2019年の秋に発売後、2020年夏に実施したソフトウェアアップデートにより、iPhone/iPadとの組み合わせで立体音楽体験が楽しめる「空間オーディオ」に初めて対応したことも驚きだった。

「AirPods Pro」

特定のコンテンツを再生時に本機を装着したユーザーが頭を動かすとセリフや効果音が聞こえてくる方向がリアルタイムに変化するダイナミック・ヘッドトラッキングは、これからモバイルオーディオ再生のトレンドを牽引しそうな注目技術だ。

音のバランスはとてもニュートラル。良くも悪くもクセがないので、様々なジャンルの音楽やビデオコンテンツの音声を長時間に渡って疲れることなく楽しめる。

消音効果については、最新のノイキャン搭載TWSに比べると、少し控えめに感じる。代わりに、外音取り込み機能の心地よい音抜けの良さについては、右に出るものがない。




ボーズ「QuietComfrot Earbuds」

伝説のノイズキャンセリングヘッドホン「QuietComfort」の名前を冠する、同社初の完全ワイヤレスイヤホン。ファンの期待に応える強力なノイキャン効果が好感触だ。

「QuietComfrot Earbuds」

筆者は、自宅でいつも掃除機をかけるときに本機を選ぶ。吸引音が気にならないほどの静けさの中で音楽リスニングに集中できるからだ。飛行機に乗る時など、数多くあるイヤホンの中で本機が他に代えがたいベストな選択になる機会は数多くありそうだ。

サウンドは輪郭を太く鮮明に描くが、雑な印象は全くなく、どっしりとした安定感に富んでいる。声の滑らかさと芯のしなやかさについても、思わず息を呑むほど。中低音の密度感が魅力的なので、管弦楽器の高音域はとても上品で艶っぽい。

アプリからノイキャンの効果を全11段階から選べるが、どれに切り換えても音楽再生のバランスが崩れない。イヤホン本体はIPX4防滴対応。独自のStayHear Maxチップにより装着感が抜群に安定することもあり、筆者はジムで体を動かす時にも本機を多用している。




Jabra「Jabra Elite 85t」

セミオープン構造のハウジングを採用した、Jabra Eliteシリーズのノイキャン搭載完全ワイヤレスイヤホン。

「Jabra Elite 85t」

ハンズフリー通話時には密閉型のイヤホンよりも、自然な音声のリスニング感が得られる。そのため、ビデオ会議のコミュニケーション用ツールとしても最適だ。

また、ユーザーが自身にとって最適な音の聞こえ方をモバイルアプリ「MySound」から解析して、パーソナライズされたプロファイルを作成できる機能も出来がよい。

筆者はJabra Eliteシリーズのフラットでむやみな色づけのないサウンドがとても好きだ。12ミリ口径の大型ドライバーは鳴りっぷりが良く音場の広がりがリッチ。ディテールも丁寧に描くなど、シリーズのシグネチャーサウンドを忠実に受け継いでいる。

ノイキャン効果はバランスが良く上品。フィット感の高い楕円形のシリコンイヤーピースによる効果と相まって、音楽再生のリアリティを損なうことなく環境騒音をクリアに消し込む。ほか、外音取り込みの安定感も特筆したい。




Beats「Beats Studio Buds」

Beatsの完全ワイヤレスイヤホン第2弾は、ノイキャン機能を搭載する極小サイズの耳栓タイプだ。

「Beats Studio Buds」

iPhoneとワンタッチでペアリングができたり、Apple Musicの空間オーディオ再生と連携性も高いことから、スティック型のAirPods Proが苦手というiPhoneユーザーに魅力的な選択肢になるだろう。

2万円を切る価格の値頃感も要注目。筆者はGoogle Fast Pairによるワンタッチペアリングや、Beatsアプリによる細かな機能設定への対応など、本機がAndroidスマホによる使いやすさも重視したところにも惹かれる。

コンパクトなサイズ感から想像もできないほどに、パワフルな重低音が度肝を抜く。立体的でアグレッシブ、スピード感にも富む上質な重低音だ。ボーカルや楽器の鮮やかなメロディが楽しめるエネルギッシュな中高域もいい。

ノイキャンと外音取り込み機能は、どちらも程よいバランスにチューニングされている。そのため、長い時間使い込んでも疲れにくいと感じる仕上がりだ。




Bowers&Wilkins「PI7」

英国の老舗スピーカーブランドのB&Wは、近年ポータブルオーディオの展開にも力を注いでいる。特に同社は近年、クアルコムによるワイヤレスオーディオの最先端技術を、積極的に取り込んでいる印象がある。aptX Adaptiveコーデックにいち早く対応したワイヤレスヘッドホン「PX7」もその中のひとつだ。

「PI7」

PI7はイヤホンがaptX Adaptive/aptX HDに対応するほか、充電ケースにBluetoothトランスミッターを内蔵する。PC/タブレットと充電ケースをケーブルでつなぐと、低遅延なaptX LLコーデックにより、動画やゲームの遅延を抑えながら楽しめるユニークな機能がある。

サウンドは、同社のスピーカーによるリスニングを彷彿とさせる雄大な音場感や、クリアで伸びやかな中高音域を特長としている。リスニング環境に合わせてノイキャン効果を自動で最適化するアダプティブ・ノイズキャンセリング機能や、外音取り込みの機能も違和感がなく、完成度が高い。






いずれのモデルも長く使い込むほどにサウンドと使い勝手の両側から大いに満足できると思う。今秋以降の後悔のない買い物にもぜひ役立ててほしい。

(山本敦)

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