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【特別企画】オーディオ的再生能力と音楽性を高度にバランス

LINNスピーカーがもたらす上質なエンタメ時間。最新MAJIK 140 SEの実力を映画&ハイレゾでチェック!

公開日 2020/12/17 06:45 土方久明
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■サラウンド、2ch再生共に見せる素性の良さ。分解能が高く、情報量の多い音を堪能

視聴の前にAVC-X6700Hの自動音場補正機能「Audyssey MultEQ」を適応した上、聴感を頼りに、各スピーカーの距離とレベルを、マニュアルで微調整した。

自動音場補正機能だけでなく、聴感による追い込みが重要となってくる

まずは、Ultra HD Blu-rayから、木城ゆきとの『銃夢(ガンム)』を最先端のVFX技術で実写化した『アリータ:バトル・エンジェル』を再生した。本作はサラウンドフォーマットにドルビーアトモスを採用し、インタラクティブで派手なサラウンドデザインが施されている。チャプター28の「モーターボール」のシーンは、本作最大の盛り上がりを見せる場面だが、驚くべきは、サウンドバーでは再現できない圧倒的な情報量と上下fレンジの広さだ。

「アリータ:バトル・エンジェル」(UHDBD)/FXHA-83297

メインスピーカーとなるMAJIK 140 SEは、分解能が高く競技場の観客の数が増えたかのような錯覚さえ起こす。そして良いなと思ったのはやはり低域の分解能で、付帯音が少なく爆発音などの輪郭を表現しながら迫力も十分。

次にブルーレイディスクから、ジョン・ウィリアムズ 『ライヴ・イン・ウィーン』を視聴した。名作映画のテーマ曲を、作曲者であるジョン・ウィリアムズ自らがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した話題作だ。

『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』デラックス盤/483-9045 こちらに付属のBDを再生

本作品の印象も圧倒的だ。オーケストラ表現に必要な絶対的な分解能と高域から低域までのレンジの広さを感じる本格派のサウンドで、嬉しかったのはアコースティック楽器の表現力の高さが突出していること。画面を消したら普通にハイレゾ音源を再生しているような分解能の高さがある。また、今回のように各スピーカーが同一のシリーズで構成されていると、同じ素材の振動板から音が出るので、フロントからサラウンドまで360度の音の質感が統一され、音像や空間に不自然さがない。

また、このスピーカーの組み合わせは音の移動感がシームレスで自然だ。Apple TV 4K端末を使い、ストリーミングサービスApple TVからドルビー・アトモスに対応する『フォード VS フェラーリ』のチャプター1を試聴したが、サーキットを300キロオーバーで走るレーシングカーの移動感はカメラワークと連動し、水平方向の全方位的なサラウンドにより臨場感抜群である。

Apple TVのストリーミング再生でも満足できるクオリティを実感

車内カメラを利用したシーンでは、エンジンのメカノイズの質感が素晴らしい。各スピーカーの音がアキュレートなので、今回使用したような別メーカーのサブウーファーとの相性を心配しないで良いことも特筆点である。

映像作品を立て続けに試聴し、仕事であることを忘れてしまいそうなほどの大満足のサラウンド再生環境を実現できたわけだが、続いて2チャンネルのステレオ再生でもクオリティチェックを行った。

デノン製アンプに搭載されるネットワークシステムHEOSを用いて、メロディ・ガルドー『サンセット・イン・ザ・ブルー』から、スティングとコラボした「リトル・サムシング」(96kHz/24bit FLAC)を再生してみると、ベースが膨らまずピンポイントにセンター定位、イントロのギターや二人のボーカルの質感も自然でオーディオ的な能力と音楽性がかなり高度にバランスしている。これこそリンのスピーカーのアドバンテージである。

リトル・サンセット/メロディ・ガルドー feat. スティング) (Flac 96kHz/24bit)

如何だったろうか?最近は、まずテレビを購入して後から音の環境を整える方も多い。この場合最初に考えるのはサウンドバーを導入することだと思うが、そこに音質クオリティを求めるなら、今回のようにしっかりとしたシステムを構築するのは大いにアリだと思う。情報量も質感表現も別次元で、映像から音楽まで楽しめる。


(協力:株式会社リンジャパン)

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