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<山本敦のAV進化論 第191回>

“手が届く2画面スマホ” でゲームもエンタメも捗る! 5Gも対応、LG「V60 ThinQ 5G」ハンズオン

公開日 2020/05/14 06:30 山本 敦
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新しいアプリやサービスが生まれる可能性も大きい

Netflixなど動画配信コンテンツの視聴は、質量が重いスマホ側をベースにして、デュアルスクリーンを見やすい角度に傾けると、快適に楽しめた。Zoomによるビデオ会議も試してみたが、デュアルスクリーン側にカメラが内蔵されていないため、若干重いスマホ側を斜めに立てかけるための下準備が必要になる。デュアルスクリーンを装着した状態で、外付けできるオプションカメラなどをLGオリジナルのアクセサリーとして展開すれば、ビジネスシーンでもデュアルスクリーンスマホが活躍する機会が増えそうだ。

電子書籍も、デュアルスクリーンの大きな画面を使って楽しみたい。ところが2つの画面全体に1つのアプリを表示する「ワイドモード」が利用できるアプリは、まだWhaleやChromeなどのブラウザー、YouTubeにマップなど、一部に限られている。

有志のデベロッパがGoogle Playストアから提供している「WideMode for LG」アプリを使うと、V60のアプリ表示を強制的にワイドモードに切り替えられる。元はワイドモードに非対応の電子書籍リーダーアプリが見開き表示に近い感覚で使えた。ほかにも、例えば本体の画面にソフトウェアキーボードを表示し、デュアルスクリーンを見ながらタイピングができるエディタアプリなども欲しいところだ。


左右の画面に1つのアプリを一度に表示できるワイドモード
宇佐美氏は「LG G8X ThinQの発売後、モバイルガジェットを使い慣れた方々を中心に、多くのユーザーの皆様がSNSなどを通じてLGのデュアルスクリーンスマホの様々な使い方を提案・発信して下さいます。皆様からの声を可能な限り柔軟に、速く取り込むことが、当社が提案するデュアルスクリーンの成功には不可欠と考えています。今後は頂いた声をもとに、必要に応じてアプリを開発したり、他のプロダクトへの展開も検討したいと考えています」と述べている。


マップを大きく広げてみたい時などに便利だ

「WideMode for LG」アプリをインストールするとワイドモードで見られる電子書籍アプリもあった
8K/HDR録画に対応。ハイレゾ仕様の「Hi-Fi Quad DAC」も健在

スマホとしてV60に搭載されたオーディオ・ビジュアルの注目機能についても触れておこう。

約6.8インチの有機ELディスプレイは、自然な色合いと精細感を特徴としている。本体とデュアルスクリーンの両方で同じVOD配信のコンテンツを見比べてみたが、画質の差異はなかった。デュアルスクリーンの設定から「メイン画面と同じ明るさに設定する」機能のチェックをオンにしておけば、見え方の違いでストレスを感じずに、2画面エンターテインメントが楽しめる。動画再生の際に「LG 3Dサウンド」の機能をオンにしておけば、端末の内蔵スピーカーによるサウンドが立体感を増す。


スマホの画面に撮影した写真を表示

デュアルスクリーンに同じ写真を表示。精細感や色合いに違いはない
背面には超広角撮影に対応するデュアルカメラがある。メイン側のカメラには、約64メガピクセルの高画素イメージセンサーを活かし、隣合う複数のピクセルを仮想的にひとつのピクセルにして出力するピクセルビニングを搭載している。最大16メガピクセルで明るく色彩感の豊かな静止画が撮れた。


デュアルカメラやToFセンサーなどを統合するV60のマルチレンズカメラユニット

インカメラはディスプレイにティアドロップ型の切り欠きを設けて配置している
動画は8K撮影に対応するだけでなく、HDR10+動画の撮影が選べる。およそ30秒の8K動画を撮影するとファイルサイズは180MBを超えるので、空きストレージの残量に気を配りながら使いたい。USBメモリなどに保存した動画はテレビのメディアプレーヤー機能を使って再生できる。


8K動画の撮影に対応する

最大8Kまでの動画が設定からHDR10+をオンにして記録できる
V60は4つのマイクを内蔵している。動画の撮影時に、通常の音声記録のほかにもASMR録音(バイノーラル録音)、またはメインとなる被写体の音にマイクの指向性を傾けられる「ボイス アウトフォーカス」が選べる面白さがある。いずれのマイクモードもメインとインカメラの両方で使える。


バイノーラル録音やズームフォーカス録音が可能
音楽再生は、3.5mmイヤホンジャックからのハイレゾ出力に対応する。有線接続によるリスニングの際にはLGのハイエンドスマホが共通して搭載する「Hi-Fi Quad DAC」をオンにすると、ノイズフロアが下がり、メリハリの効いた立体的なサウンドが楽しめる。DACは従来機に搭載していたESS Technology「ES9218P」から、同「ES9219P」にICチップを一新。ダイナミックレンジの再現力を改善しているという。音楽に限らず、動画やゲームを楽しむ際にも有効な機能は常時オンにして楽しみたい。


3.5mmイヤホン端子も搭載している
SoCにはクアルコムのSnapdragon 865を採用しているが、左右独立型のイヤホンのペアリングを安定させるQualcomm TrueWireless Stereo Plusには対応していない。ハイレゾ相当の音質が楽しめるBluetoothのオーディオコーデックは、LDACとaptX HDが選択できる。本機のサウンドチューニングについては英メリディアンは参加しておらず、MQAのハイレゾ音源の再生には対応していないようだ。

5Gエンターテインメントも安心して楽しめそうだ

5G時代の到来に万全を期すかたちで、さらに大型の約6.8インチの有機ELディスプレイによる “デュアルスクリーン” を採用するLGのV60は、今期の5G対応スマホの中でも圧倒的な存在感を放っている。長時間に渡って動画視聴やゲーミングを楽しむケースを想定し、本体には5,000mAhの大容量バッテリーを内蔵した。マルチタスクを同時にこなしながら、高速モバイル通信による発熱を効率よく抑えられるように端末内部の空間設計にも工夫を凝らして放熱性能も高めた。これから本格的に立ち上がるであろう5Gエンターテインメントも安心して楽しめそうだ。

内蔵バッテリーはデュアルスクリーンを装着したままでも端末の高速充電ができる。コネクタの形状が特殊なため、専用の変換アダプターが必要になるが、あるいはデュアルスクリーンを着けたままワイヤレス充電もできるので、場面に合わせて使い分けたい。


LGデュアルスクリーンには独自形状の充電/データ伝送用の端子を設ける

USB Type-Cケーブルを変換して接続する
日本国内のコンシューマー向け5Gサービスはまだスタートしたばかり。V60で5Gエンターテインメントの魅力を楽しめる環境はまだ限られているかもしれないが、5G以外にも、デュアルスクリーンによる2画面スタイルが提案する独自の魅力が多くのユーザーを惹きつけそうだ。

(山本 敦)

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