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【特別企画】NC効果や装着性も◎

NCヘッドホン、実はデノンが本命かも? 「AH-GC30」を海外出張で使い、その音に驚いた

公開日 2019/07/11 06:00 編集部:風間雄介
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率直に言って、売れ筋モデルを含め、しっかりとした音楽性を備えたノイキャンヘッドホンはほとんどない。あくまでノイズを消すツールであることが最重視され、音楽はある程度ちゃんと聴けたらOK。そんな状況の中、本機は高いノイキャン性能を備えながら、しっかり音楽を楽しめるレベルに達している。これは希有なことだ。私は本機の開発背景を知らないが、このチューニングに到達するまで、果てしない試行錯誤があったに違いない。そう思わせるに十分な、見事なバランス感覚だ。

小さく折りたたむことも可能。専用ケースもかさばらず、持ち運びが苦にならない

そしてさらに素晴らしいのは、ノイキャンをオンにしてもオフにしても、音質がほとんど変わらないことだ。音質を犠牲にするか、それともノイキャンを犠牲にするか、というトレードオフを検討する必要がない。ゆえにストレスが少ない。

素直に書いてきたつもりだが、褒めすぎという方もいるかもしれない。あえて、少し気になったところも指摘しておこう。AH-GC30は解像感や基本性能が高いがゆえに、悪い録音、圧縮音源のノイズなどまで、そのまま表現してしまう。悪い音の音源を作り替え、なんとなく良いように聴かせる機能は備えていない。反面、良い録音の音源は非常に伸びやかに聴かせてくれる。どちらがよいかは人それぞれだろうが、少なくとも私は、この「何も足さない、何も引かない」音づくりに好感を抱いた。


ふだん使いしたくなる、ディティールまでこだわった意匠

ここで、細かなところにも目を向けてみたい。ノイキャンヘッドホンは持ち運ぶことも多いため、ケースにもこだわりたいもの。この、地味ながらも重要なポイントを、本機はきっちり押さえているのが嬉しい。表面は型押しの細やかなシボ加工で質感が高く、そこに凹ませたデボス加工でDENONロゴがあしらわれている。心憎い演出だ。

さらにケースの内側、そして外側に大型のポケットがあり、ケーブル類やアダプターなどをまとめて収納できるのも気が利いている。商品の最終的な満足度を決めるのは、こういった細部の積み重ねだ。「神は細部に宿る」などというと大げさだが、ディテールをおろそかにしない姿勢に敬意を表したい。



実際に海外出張の往復、ホテルの中、そして街頭でAH-GC30を使ってみた。最初はルックスに目が行き、そしてノイキャン性能の高さに驚き、さらに音質の良さにも舌を巻くことになった。もちろん装着性の高さもトップクラスだ。「音が良いだけでなく、総合力が高いノイズキャンセリングヘッドホン」を探しているのなら、検討候補に加えるべき逸品だ。


特別企画 協力:ディーアンドエムホールディングス

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