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新開発「イヤージェル」でフィット感向上

“走るために生まれた” ワイヤレスイヤホン、Jaybird「TARAH」「X4」はスポーツ以外でもオススメだ

公開日 2018/10/25 06:35 山本 敦
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2モデルはいずれも、従来から提供されている最強のコンパニオンアプリ「Jaybird」に対応している。メインメニューはダッシュボードの画面のトップに並んでいて、左側には音質調整が可能な「イコライザー」が用意されている。

専用アプリ「Jaybird」による音質調整も可能

自身でEQ設定をカスタマイズすることもできる

トップアスリートがつくったスポーツシーンに最適なEQ設定をはじめ、多彩な音楽のジャンルに合うプリセットが並ぶ。ユーザーがカスタマイズしたEQ設定をアプリ経由で公開して、Jaybirdのイヤホンを愛用するユーザー同士でシェアもできる。設定したEQ設定は最後に選択したものがイヤホン本体に保存されるので、一度セットしておけばスマホとアプリが常時手元になくても、またアプリ非対応の音楽再生機と接続した場合でも、お気に入りのサウンドが楽しめる。

体を動かしながら音楽を聴くことに最適化した、クリアかつ存在感あるサウンド

今回2モデルの試聴では、iPhone XにつないでSpotifyの音源を使用した。まずはTARAHのサウンドからチェックしてみよう。

エアロスミスのアルバム「Permanent Vacation」から『Dude (Looks Like A Lady)』では、エレキギターやホーンセクションのハイトーンがぎらつくことがなく、音色が自然に馴染み、中低域にどっしりとした存在感がある。アウトドアで体を動かしながら音楽を聴くときには、エレキベースにドラムスのキックなどの低いビートが、よりスムーズに体に染みこんできた。柔らかな高域もこの曲のゴージャスな雰囲気を素直に引き出してくれた。ボーカルの体温を伝えてくるような温かみに、このイヤホンならではの魅力がある。

TARAHのサウンドからチェック。中低域にどっしりとした存在感のあるクリアなサウンド

JUJUのライブアルバム「BIG BAND JAZZ LIVE」から『We Are In Love』を聴くと、ボーカルの艶っぽい表情や繊細なニュアンスの変化が再現される。低音はやはりベースやドラムスの音色が太い輪郭線で描かれて、余韻もゆったりと響く。ランニング時に使うと、力強く押し出される低いリズムが心地よく背中を押してくれる。ボーカルとジャズバンドの一体感あふれるグルーブを描き出せるところもTARAHの持ち味だ。

コリーヌ・ベイリー・レイのファーストアルバム「Corinne Bailey Rae」から、アコースティックな楽曲『Till It Happens To You』では、ボーカルがとてもしっとりと滑らかにメロディを歌い上げる。心地良い甘い香りに包まれるような臨場感が絶品だ。声の芯から熱いエネルギーを引き出してくる。エレキピアノのシルキーな余韻も絶品だ。アーティストとの距離の近さをリアルに感じられ、バンドの演奏の音場感もとても立体的だ。

電気グルーヴのシングル『MAN HUMAN』では、ビートが深いところからグンと一気に立ち上がるスピード感が良い。腹の底を突くようなゴリっとした激しいビートが、ランニングで疲れてきた体に喝を入れてくれた。

続いてX4を試す。こちらもiPhone Xにつないで、Spotifyから同じ楽曲でチェックした。

エアロスミスのアルバムでは、スネアドラムの抜け味が爽やかで、ハイハットの余韻に密度感もある。X4ではボーカルの立ち上がりの切れ味がするどく、芯の力強さも伝わってくる。エレキギターのカッティングもシャキッと粒が立っていて小気味良い。低音のリズムに量感を加えたい場合はフォームチップに付け替えてみたり、アプリのイコライザーによるカスタマイズが効果的だ。

ーカルの立ち上がりの切れ味がするど、シャキッとした解像度の高いサウンド

JUJUは、こちらもボーカルの質感を生々しく描き、ピアノや弦楽器の音色がリアルに蘇る。ブラスバンドの華やかな演奏をバックに、JUJUがのびのびと歌い上げる声の定位も明瞭に浮かび上がる。サイズの限界を感じさせないほど広々と描かれるホールの臨場感にも吸い込まれそうになった。

コリーヌ・ベイリー・レイを聴くと、さらに声の繊細な輪郭線が巧みに描くイヤホンであることが見えてきた。歌声の芯がしなやかで、ふっくらと広がる余韻の温かみも気持ち良い。ボーカリストが間近で歌っているような生々しさがクセになる。

電気グルーヴは、リズムの抑揚が立体的に浮かび上がる。アプリのイコライザーの初期設定である「フラット」よりも、若干低音を強くしたプリセットに変えた方が、低音のダイナミックなうねりが楽しめるこの楽曲にマッチしたように思う。地を這うような低音の包囲感に思わずゾクッとした。

アプリにはイコライザー以外にも、多数の機能がある。ダッシュボードの中央に並んでいる「ランニングの音楽」タブを開くと、こちらにも数え切れないほど多くのSpotifyの楽曲プレイリストが並んでいる。Spotify Premiumのアカウントに登録しているユーザーであれば、Jaybirdアプリ内でSpotifyの音源を再生したり、Spotifyのアプリに移動してからお気に入りを登録、または楽曲を端末にダウンロードして聴くことも可能だ。

「ランニングの音楽」には様々なSpotifyの楽曲プレイリストが並ぶ

Jaybirdからのお知らせやアップデート情報なども通知される

ユーザーが作成したプリセットや再生リストをJaybirdアプリから共有できる機能もぜひ楽しみたい。この他にも、万が一イヤホンを無くした時に役に立つ「イヤホンの検索」機能などユーザーに役立つ機能がずらりと勢揃いする。豊富に揃う機能をぜひ上手に使いこなしたい。

オートOFF機能設定や使い方ガイドなども表示する

「イヤホンの検索」機能も備えられている



Jaybirdの新モデル、TARAHとX4は、スポーツで体を動かす時も、そうでない時も、あらゆる生活シーンで快適な音楽リスニングを実感させてくれる、高い完成度を備えていた。ワンランク上の心地良いワイヤレスイヤホンを探している、すべての音楽ファンにおすすめしたい。

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