映像調整で好みのバランスを楽しめる
ネット動画もスマホアプリも手軽に大画面! エプソン“dreamio”「EH-TW5650」で実現
■配信映像も高画質かつ好みのバランスで楽しめる
海外ドラマは『ドイツ1983』を、アニメーション作品は『機動戦士ガンダム SEED DESTINY HDリマスター』をそれぞれチェックした。リビングで使うことを想定して、部屋の照明はある程度明るさを残したままにした。
プリセットされている映像モードは4種類。リモコンの「Color Mode」ボタンを押すとダイナミック/ブライトシネマ/ナチュラル/シネマが選べる。実写の映像では「ナチュラル」を選ぶと人物の肌色が落ち着いて透明感が出てきた。
「シネマ」も暗部が引き締まり、色乗りがくっきりしてきて良い。役者の背景にある舞台へのフォーカスも雑にお茶を濁さず丁寧に情報を引き出してくる。陰影の光のバランスが自然なので、物語への没入感が高まる。
アニメーション作品では「ブライトシネマ」に設定したところ、鮮やかで濃厚な色彩が再現された。キャラクターの描画線はシャープでキリッとしている。映像モードはプリセットされている設定でかなり明るいので、さらにプロジェクターの詳細設定から輝度や色合いの項目を細かく調整してみた。エントリークラスのモデルながら、微調整は細かな項目まで開放されているので好みのバランスにこだわりながら追い込める。dreamioシリーズならではの、ユーザーのこだわりを満足させる機能だ。
Blu-rayの作品は『ジャンゴ 繋がれざる者』から「チャプター27」に飛んで、ストーリーを締めくくる銃撃戦をチェックした。映像モードは「ブライトシネマ」を選んでみたところ、不気味にギラリと輝くむきみの銃身の照り返しや、燃えさかる炎の煌めきが真に迫ってくる。人物の肌にべっとりとこびりつく血のりの鮮やかさにも息をのむ。陰影のコントラスト感は「シネマ」を選んだ方が落ち着いてくるが、全体に明るさが落ちて色がくすむ感じもある。詳細設定を開いて明るさとコントラストに少し味付けを加えたら好みのバランスに近づけられた。
内蔵スピーカーの音声はセリフが聴き取りやすいようにフォーカスされているようだ。効果音も十分に迫力があるのだが、あり余る力強さゆえか、銃撃戦のシーンでは音がやや割れることもあった。まずは本機を導入し、発展として別途シアターバーなどを用意すると、さらに作品の世界に深くのめり込めそうだ。
最後にミラーリング機能を搭載するXperiaをつないで、スマホのYouTubeアプリを大画面に映してみた。もとの解像度が低い映像も、映像調整の「イメージ強調」からノイズリダクションやディテール強調をかければもう一段引き締めることができる。イメージ強調はオフとプリセットの全5段階から選べるうえに、ノイズリダクション、ディテール強調は詳細が細かく追いめる。映像のカスタマイズ機能はとことん練り上げられているプロジェクターだ。
なお、ミラーリング機能はリモコンのWi-Fiボタンを押してモードを起動、スマホの側のスクリーンミラーリング機能をセットアップするだけで、簡単にスマホの画面がスクリーンに映せる。家族でリビングに集って、スマホで撮影した動画や写真を鑑賞する用途などに向いている。
dreamioシリーズの新しいエントリーモデルは、大画面で楽しみたいエンターテイメントに全方位で対応するオールラウンダーである。設置が簡単なので、初めてのプロジェクターにチャレンジしたいビギナーに向いているし、こだわりの映像調整機能をマスターすれば、ホームシアターの達人への第一歩をここから踏み出せるはずだ。
(山本 敦)