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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第131回】残暑のS/N向上プラン!風鈴からクーラーまで、静かさと快適さのベストバランスを探る

公開日 2015/08/14 12:08 高橋 敦
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■dB計測アプリと温度湿度計、そして体感でチェック!

まず温度と騒音の計測だが、一日の大半を僕がそこに固定されているPCデスクの、ノートPCの両脇左右にそれぞれiPhoneと温度湿度計を設置した。このデスクは僕のデスクトップオーディオシステムの設置場所でもあるのでここを基準地点とするのが自然なのだ。iPhoneでは音量計測アプリ「UE SPL」を走らせる。この「UE」はおなじみあの「UE」だ。温度湿度計もまあまあのグレードらしいものを常備しているのでそれをそのまま使った。

こんな感じで設置して計測

なお、そもそもの僕の自室の環境だが、鉄筋コンクリート造ではあるのだが宅配便の人が階段を上ってくる音が骨組みを伝わって届いてくる感じの古めの賃貸マンション。この部屋の唯一の開口部でもあるベランダは東向きであり、実験を行った12時〜14時あたりは直射日光は差し込んでこない。夏は過ごしやすい部類の環境だと思う。特に大きな通りに面しているわけでもない住宅街で、たまに上空を航空機が飛んだりするときの他は騒音もさほど気にならない。

ではそのベランダ、そしてベランダに面するサッシとその対角線上の扉とその先の窓を開けたフル開放状態の評価を確認。


前述のようにベランダは日陰で、この実験当日は風が強めでもあったので、そもそもさほどは不快ではなかった。フル開放状態の室内はさらに日陰になるおかげか室温は外気温よりも低く、ベランダほどではないが風通しも良好で、体感的な快適度はなかなか悪くない。騒音はフル開放状態でも室内の方が圧倒的に小さい。ベランダはマイクに風が当たって数値が大きくなっているのかもしれないが、体感的にも明らかな差があったのでそこはまちがいない。

なので実は、窓を開け放った「開放&無策」状態は快適度的には悪くないし特にうるさくもなかったりする。しかしこっちはうるさくなくてもこの状態でスピーカーからある程度の音量を出したらお隣さんとかには迷惑かもしれない。また普通に過ごしたりスピーカーで音楽を聴く分には不快ではなくてもさすがに、ヘッドホンを装着すると汗ばむ感じはある。

ではサッシと扉を閉めて部屋を閉め切ってオーディオ体勢に入るとどうなるだろうか。まず空調は何も行わない無策の状態だと…


室温は変わらず。湿度はなぜか少し下がったが誤差程度。しかし風は当然無風状態になるのでやはり快適度が下がるというか不快度が高まる。オーディオに集中しやすい環境ではない。騒音は開放状態の38dBから36dBにまで下がる。dBは1も上下すれば明らかな差を体感できるものなのでこの違いは大きい。

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