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ゼンハイザーのヘッドホン/イヤホン、通勤・通学にマッチする3モデルをレビュー

公開日 2015/05/22 10:40 岩井 喬
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人気シリーズの最新世代機「CX 3.00」

CX 3.00はゼンハイザーの伝統的なカナル型モデルCXシリーズの最新世代として、前述したようにデザインやカラーリングを刷新。ブランドエンブレムが刻まれたシルバーパーツをハウジングトップに配置し、コンパクトながら高級感漂う仕上げとなっている。

CX 3.00

またノズル部も金属パーツを用いるなど、CXシリーズのミドルクラス機であるが、基本性能を引き出すための技術投入には妥協がない。カラーリングはオーソドックスなブラックとホワイト、そして後述するMOMENTUM In-Earとも共通性を見出せるレッドという3色が用意された。

金属パーツを用いたノズル部

「CX 3.00」のカラーバリエーション

サウンド性は従来からクオリティの高いCXシリーズの良さを踏襲し、中低域の密度の高さと高域にかけての音ヌケの良さを両立。さらに旧来よりも中高域にかけての倍音成分がより豊かになったようで、弦楽器やボーカルの輪郭表現がよりハリ良く際立つようになった。バスドラムのリッチな押し出し感は重みを伴い、パワフルでどっしり描かれ、ジャズのウッドベースも胴鳴りをむっちりと響かせる。ピアノは低域方向への伸びも自然で、ハーモニクスをクリアに表現。女性ボーカルの透明感も高く、口元をシャープに際立たせている。

付属品としてキャリーケースとイヤーピース(XS/S/M/L)を同梱

クラシック(レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『ホルスト:惑星』収録曲「木星」)では管弦楽器の旋律をハリ艶良く爽やかに描き、ローエンドを弾力良くまとめるが、アタックの密度感は非常に高く、低域の量感の高さも手伝い、どしんと豪快に響く。

ボーカルをはじめとする中高域の明瞭感、爽やかなタッチに対し、深く朗々と響く低域の豊かさはポピュラー/ロックとの相性も抜群であり、パワフルで押し出し良いロックのリズム感、シンセやギターのエッジをヌケ良く煌びやかに描いてくれる。

聴いていて心地よかったのは、TOTO『タンブ』収録曲「I Will Remember」におけるサイモン・フィリップスのファットなドラムサウンドや、サバイバー『バイタル・サインズ』収録曲「High On You」の高域の澄んだタッチだけでなく、ねばりやコシも感じられるシンセの密度感、ボディの肉付き良いボーカルの安定感にみられるウォームな描写性だ。

TOTO『タンブ』

付属イヤホンからの買い替え、グレードアップとして現実味のある5000円強の価格であることを考えると、非常に高いポテンシャルを持つハイC/P機であるといえよう。耳当たり良い音色を持っていることもあり、長時間のリスニングでも疲れにくいことも魅力である。

次ページきらりとした爽やかなサウンド「MOMENTUM In-Ear」

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