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<第2回>:スタイリッシュ&クール&ポップ&etc TVアニメ「ペルソナ4」&TVアニメ「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」

2015/04/17 赤江ユウ
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●「key plus words」










歌姫それぞれの声を存分に堪能しよう
まずはTVアニメ「ペルソナ4」の2クール目のオープニングテーマ。歌は平田志穂子と川村ゆみ、作曲・編曲は目黒将司、作詞はLotus Juice。ハードロック&ポップチューンで、ジャギジャギとしたギターがメロディをグイグイと引っ張っていく。キレの良いドラムスのハイハット、タム回しがアクセントとして光る。そして、代わる代わる展開する平田志穂子と川村ゆみのヴォーカルが堪らなくカッコイイ。ゲームから数えて「ペルソナ4」のオープニング曲として3作目になるにも関わらず、ここまで新鮮にキャッチーな楽曲が生まれることに驚いてしまう。

ギターの音作りがストレートで気持ち良いのだが、やっぱり2人のヴォーカルの歌い分けを楽しみたい。特にCメロからのフレーズはその違いが魅力的で、コーラスではなくダブル・ヴォーカルであることの意味が感じられる。

●「The Way of Memories -キズナノチカラ-」







穏やかな音が十分な余韻と共に心に染みこむ
こちらはTVアニメ「ペルソナ4」の2クール目のエンディングテーマ。歌は平田志穂子、作曲・編曲は目黒将司、作詞は小森成雄。ミドルテンポのバラード曲で、柔らかいピアノで始まるイントロ、そして同じく柔らかに弾むようなヴォーカル、演奏が温かな思い出を彩る。別れと旅立ちを綴った歌詞であり、学生生活を意識させる内容となっている。散りばめられた言葉を噛み締めるようにゆったりとしたナチュラルなヴォーカルが、既視感を抱かせるような懐かしい香りを広げる。

この楽曲は、ピアノの静かな旋律に耳を澄ませたい。ダイレクトに温かさが伝わるヴォーカル・パートも良いが、最も自分の心に情景が広がっていくのは楽器の音だけが響くパートだ。特に間奏で主旋律を奏でるアコースティックな音色が良い。

●「Next Chance to Move On」










“ザ・ポップ”なエレクトロ・サウンドがスッキリ展開
続いてはTVアニメ「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」のオープニングテーマ。歌は平田志穂子、作曲・編曲は目黒将司、作詞はBenjamin Franklin。激しさでも明るさでもない、爽やかさが全体を印象づけている楽曲だ。TVアニメ「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」では、基本的にTVアニメ「ペルソナ4」よりも、“ゴールデン”らしい明るい展開が続く。だからこそ、作品を印象づけるオープニングテーマもストレートなポップ・ソングにしたのだろうし、それが限りなく内容にマッチしている。

全体的に激しい音作りはなされていないエレクトロ・チューンで、展開も軽やかで清々しい。空間系のエフェクトが多用されるサビ部が特にポップなので、ヴォーカルの背景に流れる豊富な音を聴くと楽しいだろう。

●「Dazzling Smile」










王道的展開は言うことなしにカッコイイ
そしてTVアニメ「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」のエンディングテーマ。歌は平田志穂子、作曲・編曲は目黒将司、作詞は小林鉄兵。オープニングとは打って変わったロック・チューン。ギター、ベース、ドラムス、そしてヴォーカルといったバンドらしい構成となっている。曲調はパワフルだが、どこかガーリー。珍しいと言ってもいいくらい直球の展開だが、センスをそこかしこに匂わせている。ジャジーな間奏などが変化球で飛び込んでくるので、聴いていて楽しい。ヴォーカルの歌い方も、揺らぎがなく真っ直ぐだ。

ディストーションとオーバードライブを使い分けた歪みギター、それをリズム隊が支えるというシンプルさにむしろ満たされる。ごまかしの効かない構成だけに、楽曲の良さが引き立っている。実力者が集えば、単純に良いものが作れるという好例だろう。

●「True Story」


©ATLUS ©SEGA All rights reserved.


『「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」-オリジナル・サウンドトラック-』を試聴。オープニングのパートをまるっと!
ゲームのオリジナル楽曲は、『「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」-オリジナル・サウンドトラック-』に収録されている。後に、TVアニメ「ペルソナ4」のBlu-ray/DVD Vol.4特典CDに収録された。作曲・編曲は目黒将司、作詞は田中裕一郎。そして歌は久慈川りせ(CV.釘宮理恵)。

TVアニメ「ペルソナ4」第9話では、アイドル久慈川りせが歌うスペシャルオープニングテーマ曲および劇中歌として使用された。その後、TVアニメ「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」では作中の登場人物たちのバンドにより演奏されるというイベントで、久慈川りせとマリー(CV.花澤香菜)のダブルヴォーカル・バージョンが披露された。キュートでありながらカッコよさも感じられる楽曲。

『「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」-オリジナル・サウンドトラック-』を試聴。ヴォーカルはスィートななかでも気持ちビター寄りな印象だ。


ここで取り上げた楽曲は極々一部であり、本当はまだまだご紹介したいタイトルが残っている。ただ、それらも取り上げていくと収集がつかなくなりかねないので、今回はここまでとさせていただきたい。

音楽性の高さを評価される作品として、いの一番に名が挙げられる“ペルソナ”シリーズ。ペルソナシリーズのライヴの開催や、サウンドアクションゲーム「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」の発売からもその人気が窺える。最初にその音楽に触れて、作品に入っていくという方も少なくないだろう。

劇場版「ペルソナ3」第3章が公開間近で、ゲームもナンバリング最新作となる「ペルソナ5」の情報が開示され始めている。「ペルソナ4」においてもサウンドアクションゲーム「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」の発売が6/25に控えている。そして、ペルソナシリーズの世界を広げるサウンドに、ますます魅了されていく。

©ATLUS ©SEGA/「ペルソナ4」アニメーション製作委員会
©2014 ATLUS ©2014 SEGA/P4GA Committee


劇場版「ペルソナ3」第3章


2015年4月4日(土)全国ロードショー!
劇場版「ペルソナ3」オフィシャルサイト


「ペルソナ5」


2015年 PlayStaion3 & PlayStation4版同時発売予定!
「ペルソナ5」オフィシャルサイト


「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」


2015年6月25日 PlayStation®Vitaにて発売予定!
「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」オフィシャルサイト


赤江ユウ Yu Akae
主にアニメ・ゲームとオーディオの分野で活動中。気持ちの良い音・映像を求めて、2次元と3次元の狭間を漂う。都内の片隅にある6畳間から、庶民的な感性を発揮した文章を発信している。

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