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まさに“リファレンス”の実力

【連続企画第2回】ティアック「HA-P90SD」のアンプ駆動力を人気ヘッドホンと組み合わせテスト!

公開日 2015/03/06 16:44 岩井喬
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ゼンハイザー「HD 700」では密度感あふれる絢爛豪華な音を鳴らす

フラッグシップHD800の持つ解像度の高さと、ロングセラーモデルHD650の濃密で流麗な音像の表現をバランス良く融合し、ハイレゾ音源との相性も良い爽快できめ細やかな音場再現を得意とするHD700。HA-P90SDとの組み合わせでもその本領を発揮し、オーケストラの演奏では広がり良く、ヌケ鮮やかな空間表現を見せてくれた。管弦楽器の華やかな艶と低域の弾力良いホールの密度感とのコントラストも見事で、クールかつ躍動感溢れる旋律を響かせる。

ゼンハイザー「HD 700」

ジャズにおいてはピアノの煌びやかな高域の響きとまろやかなアタック感が絶妙で、演奏の煌びやかさが際立つ。ドラムやウッドベースの定位はくっきりと分離し、むっちりとした胴鳴りの響きと爽やかなスネアブラシのアタック感が軽快なリズム感を演出。色乗りの良い楽しげなサウンドとなっている。ロックでは倍音の艶良いエレキギターのエッジが爽やかに浮かび、締まり良いタイトなリズム隊の輪郭感とハスキーな口元のハリを持つボーカルが鮮やかに描かれる。

DSD音源をHA-P90SDで再生すると、高域の艶ハリの良いギターやボーカル、ウッドベースのアタック感が全体をリード。胴鳴りはハリ良くむっちりとした弾力を感じさせる。個々のパートの分離は鮮やかで音場の透明感も高い。5.6MHz音源においてはピアノの細やかなハーモニクスや、くっきりと分離良く浮かぶボーカルの鮮明な定位感が印象的であり、付帯感のないキレ良い空間表現に繋げているようだ。クールで爽快な余韻の収束も美しく、音像の密度も伴っていて絢爛豪華なサウンドを楽しむことができる。

HA-P90SDはベイヤーダイナミック「T1」も安定して鳴らし切る

ポータブル機だけでなく、多くのヘッドホンアンプにとって鬼門ともいえるハイインピーダンス値を誇るT1であるが、HA-P90SDは開発当初からT1を駆動することを念頭に置いていたようで、全く不安要素のない、グリップ感のある安定したサウンドを聴くことができた。オーケストラの旋律はハリ艶良く爽やかで粒立ちも細やかだ。解像度の高さも際立っており、僅かな擦れ音や残響の余韻の表現も妥協なく引き出す。低域の制動力も高くハーモニーも澄みきっており、その空間は奥行き感も豊かに表現してくれる。楽器の定位も鮮明でアタックのキレも見事だ。

ベイヤーダイナミック「T1」

ジャズピアノはクリーンな響きでやや硬質なタッチ。ウッドベースは胴鳴りを引き締め、弦のアタックのキレを優先させるような描写だ。スネアブラシも鮮明でドラムセットの締まり良さが現代的な鮮度の良いサウンドである。ロックのディストーションギターは爽やかかつ軽快なリフを利かせ、リズム隊のアタック密度の高い演奏とバランス良くすみ分けているようだ。ボーカルもシャープでスネアやシンバルの鮮度良いアタックの響きがスピード感を生む。

ゲインのLOWとHIGHをスイッチで切り替えられる

HA-P90SDでDSD音源を再生。すると弦のタッチが軽やかで、高域にかけての倍音の煌めきも強めに表現する。ボーカルの口元は潤い良くクールな描写で僅かな動きも鮮明に捉える。音離れは良く、個々のパートの輪郭もくっきりと描く。音像は全体的にスマートで、音場も付帯感なくクリアだ。5.6MHz音源のふわっと浮き上がる音像の凛々しいタッチは鮮度高いリアルな描写で、残響感はプレートリヴァーブをかけたような明るい響きに満ちる。ピアノのハーモニクスも深く澄みきっていて、清楚かつ上品に聴かせてくれた。折り目正しいまじめな描写力を持っているようだ。

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