シリーズ3モデルを井上千岳氏が集中試聴

TANNOYの最新スピーカー「Revolution XT」シリーズをレビュー - 新設計同軸ドライバーを搭載

井上 千岳

前のページ 1 2 次のページ

2015年03月05日
TANNOYの歴史に“レボリューション”をもたらす最新スピーカー

タンノイのスピーカーはクラシカルな「PRESTIGE GR」シリーズは別格として、「KINGDOM」「Definition」「Precision」「Mercury Vi」というラインナップで構成されてきた。その最もベーシックなMercuryのひとつ上位に加わったのが、「Revolution XT」シリーズである。

左から「Revolution XT 6」(¥140,000/ペア・税抜)、「Revolution XT 6F」(¥120,000/1台・税抜)、「Revolution XT 8F」(¥160,000/1台・税抜)

1926年創業という長い歴史の中で、技術的に最も大きな比重を占めるものと言えば、紛れもなく“デュアルコンセントリック”すなわち同軸ユニットである。その登場は1947年にまで遡るが、1967年のモニター・ゴールドで最盛期を迎えたとも言われる。タンノイの代名詞として大半の製品に搭載されてきただけでなく、同軸1基による構成も伝説のオートグラフを始めとして現在のPRESTIGEシリーズに至るまで同社のメインストリームとなっている。

同軸ユニットはタンノイの専売特許というわけではない。高低両域のドライバーが同心円上に位置することで指向性の軸が一致するため、点音源とすることが容易だとされてきた。タンノイの場合は、トゥイーターにホーンを採用し、ウーファーのコーンがその延長線上に配置されるような形状に設計されていることである。少なくとも初期のモデルではそうであったし、現在でも基本的には変わっていない。

トゥイーターをホーンとしない場合でもコーンのカーブに滑らかにつながる音道が装備され、これをウェーブガイドと呼んでいる。ホーンではカーブの形状が自ずから決まってしまうが、ドームやリングラジエーターなどを振動板とするケースでは必ずしもそうではない。そこに同じ同軸ユニットといっても様々なバリエーションの生まれる余地が生じるわけである。

新しい発想で設計を行った革新的な同軸ユニットを搭載

Revolution XTは、この同軸ユニットを新しい発想で設計し直した意欲的なシリーズである。材質やサイズの違いではなく、構造そのものが根本から異なっている。

従来の同軸ユニットを見てみると、PRESTIGEやKINGDOMはホーン・トゥイーター、またDefinitionはチタンドームにホーンロードを掛けている。Precisionもホーンであり、ベーシックなMercuryは同軸ではない。これらに対してRevolutionでは、トゥイーターにPEI(ポリエチレンイミン)によるリング状振動板を採用している。“トーラスHFドーム”と呼んでいるが、トーラスとはドーナツ状のことだ。

Revolution XTシリーズは新開発の同軸ドライバー「オムニマグネット・デュアルコンセントリック・ドライバー」を搭載する

ドーナツ型振動板の穴の部分には、オージャイブつまり砲弾型をしたフェイズプラグが装着されている。フェイズプラグというのは振動板から出た音波の干渉を防ぐための出っ張りだが、それがちょうどリングの内側に嵌る形で取り付けられ、さらに全体はトーラス・オージャイブ・ウェーブガイドという音道に組みこまれた形状である。従来はこの部分がホーンとなっていたわけだが、本機ではおそらくホーン型ではない。先の開いたフレア型ではあるが、たぶんホーンとは違う。そしてその先端から滑らかに続く形で、ウーファー部のコーンが広がっているわけである。

Revolution XT 8Fに搭載された同軸ドライバー。新設計の「トーラス・オージャイブ・ウェーブガイド」により、音をワイドかつ均一に分散させることが可能になった

ウェーブガイドという呼称は以前から使われているが、本機のそれはこれまでのテクノウェーブガイドという形とは違って奥行きが浅い。従ってウーファーコーンも扁平になっている。このためウーファーとの時間差が少なく、ハイスピード化が可能でいっそう点音源に近くなる。またマグネットひとつで双方の振動板を駆動することができ、これをオムニマグネット・テクノロジーと呼んでいる。タンノイの同軸ユニットとしては初めての構造で、Revolutionという名称が与えられたのもうなづける話だ。

ラインナップ3モデルのサウンドを確認する

前のページ 1 2 次のページ

関連記事