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最新のハイレゾ音源からアナログ盤までを試聴して音質を検証

フィリップスの新フラグシップヘッドホン“Fidelio”「X2」を中林直樹がレビュー

2015/02/02 中林直樹
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フィリップスがリリースする数多くのイヤホン、ヘッドホンのうちで最もプレミアムなラインに位置するのがFidelioシリーズである。今回紹介するFidelio「X2」は、中でもヘッドホンの最上位機種となるモデルだ。

Fidelio「X2」

この「X2」は、2013年10月に発売されたオープン型「X1」の後継機である。外見上の変更点はヘッドバンドの素材が柔らかなカーフスキンになり、カラーもブラックとしたこと、またプラグ部が3.5mmになったことで、これらだけを見ればマイナーチェンジと受け止められるかもしれない。しかし、ヘッドホンの最重要部であるドライバーユニットに大きく手が加えられているのだ。口径は50mmでX1と変わりはないが、振動板を多層構造とし、また特殊なゲルでチューニングした「LMC(レイヤードモーションコントロール)」を採用した。このドライバーユニットとオープン構造とのコンビネーションで、新たなフラッグシップサウンドを創出するのだ。

ヘッドバンドに柔らかなカーフスキンを使用。

プラグはステレオミニ端子。ステレオ標準変換プラグが付属する。


ドライバーユニットには、振動板を多層構造とし、特殊なゲルでチューニングした「LMC」ドライバーを採用。ケーブルは着脱式となる

ちなみに、オープン型ヘッドホンにおける音づくりのポイントは、エアフローをどのようにコントロールするかにある。この方式ならではの音場の広さや抜けの良さを獲得しつつ、音が淡くならず、実体のあるサウンドに仕上げねばならない。そこが各ブランドの腕の見せどころともいえよう。なお、本機の再生周波数帯域は5Hz〜40kHzとあり、スペックを見る限りX1よりもローが5Hz伸びている。

■X1から引き継ぐ高い完成度。装着感も申し分ない

そんなX2のサウンドインプレッションを記す前に、他のフィーチャーも見ておこう。これらはX1から大きく変わった部分ではない。しかし、別の言い方をすれば変更をする必要がなかったのである。それはX1の誕生時点で完成度が高かったことを意味している。

ドライバー部分のディティール

まず、ハウジングは二重構造で、内部の不要な響きを低減する役割を担っている。また、サウンドをストレートに耳に届けるため、ドライバーユニットをマウントするプレートには角度が付けられている。イヤパッドは低反発フォームをベロアで包み、肌あたりが抜群に良い。耳の凹凸にもぴたりと沿う。さらに、その部分と無段階に可動し、頭に乗せるだけで最適な位置にフィットするハンモックのおかげで装着感も申し分ない。

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