新導体の実力を徹底検証

新導体PC-tripleC採用、サエクの電源ケーブル「AC-6000」を福田雅光がレポート

福田雅光
2014年06月09日
日本の匠の技が可能とした世界初の鍛造製法によるオーディオ専用導体「PC-tripleC」。原材料にミクロン単位の不純物を完全に取り除いた特殊なOFC(無酸素銅)を用い、鍛造によって導体密度を極限まで向上させ結晶粒界に方向性を持たせるという画期的な製法によって完成したPC-tripleC。その音質は、それまで体験したことのないもので、間違いなく新次元のオーディオ伝送を期待させるものだ。今回は、サエクから登場したPC-tripleC採用の切り売り電源ケーブル「AC-6000」(関連ニュース)を福田雅光がレポート。そのサウンドを検証した。

SAEC「AC-6000」¥7,000/1m(税抜)

■製品のプロフィール
多くのユーザーが導入できる新導体を使用した電源ケーブル

SAECのPC-tripleC第一弾は切り売りの電源ケーブル。従来のオーソドックスな電源ケーブルの構造に新導体PC-tripleCの導体を投入したもので、切り売り電源ケーブルの廉価版として多くのユーザーが導入できるものとして期待できる。従来の電源ケーブルの構造で導体だけをPC-tripleCにしたものであるため、導体としての純粋なクオリティを今回の試聴で検証できるはずだ(編集部)。

■福田雅光氏による試聴レポート
歪感のない大変ピュアな音質で、一級の魅力を備えた新しいサウンド

サエクから、新導体PC-TripleCを採用した切り売り電源ケーブルが登場した。まずはこのケーブルを2本用意して「スピーカーケーブル」として試聴した。切り売りの電源ケーブルの場合、ケーブルの特徴を調べる方法として使っている。プラグを装着すると、プラグの性質で音質が変化してしまうため、純粋にケーブルとしての素性を判断するためだ。

SAECから発売されたPC-tripleC採用ケーブル「AC-6000」を手にする筆者。電源ケーブルとしてはもちろん、スピーカーケーブルとしても絶大な性能を確認できた

その結果、このケーブルが、明るく透明で澄みきった大変ピュアな音質であることがわかった。旧PCOCC-A導体を使ったケーブルの魅力も健在だが、PC-tripleCを聴くとやはり大きな違いがある。くもりや濁りといった歪感が大変少ない、きれいな音質である。明るい音質や弦楽器の艶やかな旋律は、中間帯域を軸にした表現力の豊かさが関係しているといえるだろう。

全域でS/Nが高く、中高域は繊細に混濁のない伸びで美しく伸びきる。解像度は高いが歪が少なく硬質感は発生しない。クラシックの声楽も澄みきって美しい。帯域バランスは多少中高域に重心がよっているため重厚な低域を構成するタイプではないが、クオリティの高い性能はこのままスピーカーケーブルとして使っても一級の魅力がある。低域は柔軟な性質で躍動感は肉厚な力がある。電源ケーブルとして新しい表現力を感じる。

低歪で透明度の高い音質で、なめらかで艶のある質感が魅力

電源ケーブルとしてのテストはプラグ、インレットコネクターにオヤイデの銀、ロジウムの2層メッキのテストで標準的に使う「037」シリーズのプラグを装着。パワーアンプに接続した。

SAEC「AC-6000」はオヤイデの銀、ロジウムの2層メッキ仕様の037シリーズのプラグを装着して、電源ケーブルとしてテストした

高S/N、高速に立ち上がるレスポンス、低歪で透明度の高い、きれいなサウンドを表現する。まだ初期状態だが、基本的にはスピーカーケーブルとしてテストした印象とあまり変化はないが、スピーカーケーブルとしてテストした際よりプラグを装着した方が、中低域がさらにしっかりした。分解力が高く、締まりを効かせコントラストは良好だ。ヴォーカルはなめらかで艶のある質感があり、弦楽器の旋律の流れも美しい。ニュアンスが豊かである。エネルギー密度の高い導体の物性が作用していると考えられる。

導体の太さが、アマチュアでも作りやすい3・5スケアであるのもいい。装着するプラグは好みにもよるが、金メッキやパラジウムよりも解像度のしっかりした性能のメッキの種類を使うのが薦められる。ロジウムメッキでもピュアでなめらかな音質が得られたので、金メッキなど様々なメッキの種類のプラグを試すと面白いと思う。それだけ使うプラグの音色を描き出すピュアなケーブルである。

<本記事は季刊オーディオアクセサリー153号(詳細はこちら)からの転載となります。>

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