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同社渾身のKシリーズを視聴する

ESOTERIC新世代の一体型デジタルプレーヤー「K-05」と「K-07」を聴く

公開日 2014/05/15 14:06 山之内 正
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エソテリックから2010年に登場した高級機K-01とK-03は、最新の技術と徹底したこだわりを投入し完成した新しい方向性を持つ一体型SACD/CDプレーヤーであった。その高い音楽表現力と高精度の再現性が多くのファンの心をつかみ、国内ばかりではなく海外も含め、ベストセラーを記録し続けている。そして同じ思想とデザインを貫いた弟機、K-05とK-07が登場し、エソテリックの渾身の自信作「Kシリーズ」はついに完成したのである。

「K-07」と「K-05」

●K-05の概要を知る
技術的な基盤は上位モデルと共通 VRDS-NEOを採用している

エソテリックは3年間でデジタルプレーヤーのラインアップの多くを入れ替えて、新世代の製品に置き換える計画を立てた。一体型SACDプレーヤーのK-01とK-03を一昨年に投入したあと、2011年にはセパレート型のP-02とD-02を発売。そして昨年末にK-05、今春にK-07と相次いで一体型SACDプレーヤーを導入してラインアップの拡充を図る。今回はそのK-05とK-07が主役だ。

K-05はX-05の後継機という位置づけで、メカニズムは前作同様にVRDS-NEO「VMK-5」を搭載。ターンテーブルの素材にはアルミとポリカーボネートのハイブリッド材、ターンテーブル・ブリッジにBMCとスチールのハイブリッド材を用いた構成もX-05と同じだ。トレイの動作を独自の差動ギア方式で行っていることや、光軸がぶれない軸摺動型のピックアップの採用も前作から継承し、高精度の読み取りを実現している。

一方、心臓部のDAコンバーターをはじめとするオーディオ回路と筐体は新設計で、X-05とは大きく異なっている。Kシリーズを貫くデザインの一貫性は一目瞭然だが、それ以外にも本機の技術的な基盤は一昨年登場したK-01/K-03と共通し、オーディオ回路の設計思想も上位機種と共有している。DAコンバーターチップは本機も旭化成エレクトロニクスのAK4399を使用、チャンネルあたり2回路のパラレル差動出力によってS/Nの改善を図っている。ちなみに上位機種のK-01はチャンネルあたり8回路、K-03は同じく4回路という構成なので、そこに本機との差を見出すことができるが、デュアル・モノ構成という基本思想は確実に受け継いでおり、音質面で大きなメリットが期待できる。

デジタル入力は同軸、光、USBのすべてにおいて192k&kHz/24bit対応を果たしており、USBについては専用ドライバーソフトをインストールすることにより、アシンクロナス伝送にも対応する。なお、USB入力の動作モードは設定メニューで変更することが可能なので、専用ドライバーをインストールせずに96k&kHz/24bit対応モードで使うこともできる。

トレイ前面はK-01やK-03とは異なるデザインを採用しているが、トレイの動きは本機も非常に滑らかで、駆動メカの精度の高さに加え、トレイ自体の振動対策も入念に行われていることが分かる。

「K-07」と「K-05」のディティール

●K-05の音に触れる
生気あふれる力強さと躍動感が大きな長所である

最初にCDの再生音を確認する。キルヒシュラーガーが歌うブラームスの子守歌は、ピアノの分散和音が作り出す澄んだハーモニーを背景に滑らかなタッチの声が浮かび、クリーンな印象のサウンドが展開。一方、ベースとヴォーカルがテンションの高い音楽を作り出すムジカ・ヌーダのデュオは、弦の張りの強さに由来する硬いアタックと伸びのある低音、限界を感じさせない高音の伸びを引き出し、ダイレクトな音圧感に圧倒された。

ウィーン・モーツァルティステンの演奏を本機で聴くと、録音会場の柔らかく伸びやかな余韻と、息の合ったアンサンブルならではのしなやかな表情が手に取るように分かる。メカニズムと筐体の不要共振が少ないほど、出てくる音は力みのない自然なたたずまいになるものだが、本機ではヴァイオリンや木管の立ち上がりの速さにそれを聴き取ることができた。

SACDの試聴にはチャンネルクラシックスの『ボリビアのバロックII』を使用した。弦楽器の音色には弾き方に応じて柔らかさと鋭さをバランス良く鳴らし分け、表情の幅の広さを聴き取ることができた。低音楽器は音価が非常に正確で余分な響きを残さず、歯切れの良いリズムと生き生きとしたテンポを再現。その躍動感と生気溢れる力強さは本機の大きな長所に数えていいだろう。

MacBookAirに専用ドライバーをインストールし、USB入力の再生音を確認する。キャロル・キッドがギター伴奏で歌う『Moon・Blue』(192kHz/24bit FLAC)は、軽やかな歌唱のなかに意外なほど豊かなニュアンスを込めていることが伝わり、ギターのちょっとしたテンポの揺れなど、声と同期した微妙な演奏の妙ももらさず再現する。ハイレゾ音源ならではの音色の多様さと声の滑らかさを確実に引き出していることにも感心した。

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